2022年5月18日
長野県 阿寺川
久々に行ってきた長野県木曽川支流阿寺川。(ちなみに、「あてら」じゃないよ「あでら」だよ)
13年ぶりの訪問です。
この川の特徴はなんといっても、その透明度!さらに、川底全体の岩の色や砂の色が影響しているのか、とにかく渓全体が青色に見えます。阿寺ブルーとはよく言ったものです。
本流との合流地点から、既にその青色は見えており、テンションが高まります。
なお、私が10年以上足が遠のいた理由でもありますが、この阿寺渓谷は、夏休み期間中、上流にあるキャンプ場利用者を除く一般自動車の乗り入れが禁止となります。
この制度自体は10年以上前に始まったようですが、 何年か前、夏休み期間中ではない平日に阿寺渓谷へ車で入ろうとしたところ、地元の方と思われる人より「この林道は通行止めだ」と注意されたことがあります。
今回の釣行の前、念のため大桑村役場に確認したところ、 夏休み期間中の通行規制は10年以上前から実施していた一方、それ以外の期間に、渓谷沿いの林道を通行止めにしたことはないとのことでした。
単なる勘違いなのか、県外からの訪問者に対する嫌がらせだったのかは分かりませんが 少し悲しい話です
さて、昔の記憶を辿るに、阿寺川はとにかく水の透明度やアクセスの良さから「釣りが難しい川」だという認識があります。しかし、川の風景を見て、そんな情報は認識から消えていきます。渓谷の入り口から、素晴らしい景色が広がっており、写真撮影の為、上流へ行くのが遅れます。
吸い込まれそうな美しさ
本命ポイントはキャンプ場よりも上流となりますが、ここは今も昔も一般車両の通行が禁止されているため、上流部へは徒歩で向かわなくてはいけません。確か、熊の出没地域でもあった
と思います。
今回気づいたのは、それほど上流までいかなくとも魚の姿がちらほら見られたこと。 後述しますが、単に魚を釣りたいだけなら、無理に上まで行く必要はないのかもしれません。
さて、入渓して#14のブラックフォームビートルパラシュートを結び、一投目。いきなりヒット。どこからどう見ても放流魚のアマゴ。しかも、朱点がどぎついタイプです。こんなところにまで来てお目にかかるとは・・・。
毒々しい朱点
「勝った。今日は爆釣間違いなし!」
この1匹で確信しました。ところが、そんなに甘くはなかった
まず、どこからでも魚が飛び出してきそうな素晴らしいポイントが連続しますので、全く前へ進めません。ついつい、一か所で粘ってしまう。
魚はどこにでもいる・・かも
しかし、1時間ほど釣っただろうか。あまりにも魚の反応がなく、何かおかしいと大きめのプールで魚を狙っていたところ、目の前で何かが見えました。
うんうん。どこからどう見ても、宙を舞うフライラインですね(滝汗)
なんと、50mぐらい前に、先行者の方がいるのに全く気づかずに釣り続けていたのです。その方はプールで粘りはじめましたので、声をかけて上に行かせてもらうことにしました。20分ほど早足で歩いて上流へ向かいます。
しかしそれでも反応は少ない。
所々から小さな魚が飛び出してくるものの、期待していたような大物は姿を見せません。 ちょうちん釣りのようなスタイルで、急流の真ん中の流れが緩んだポイントに長くフライを浮かべるというせこい釣り方で、何度か大物が顔を出しましたが、フッキングには至りませんでした。
こんなんしか釣れません
一旦仕切り直しと昼食のため、 キャンプ場より下流部まで引き返します。
おにぎりを頬張っていると、眼下のプールに25〜30cm ぐらいの大物が数匹うろうろしています。試しにかじっていた魚肉ソーセージのかけらを放り込むと、取り合いに(笑)
これは釣れるだろうということで下流部に回り込み、入渓します。
上から見えていた大物はどこかへ行ってしまいましたが、目の前5mの位置に定位していた魚を狙うとあっさりヒット!
背中がサバみたいに青い 胴体が太めの黒い虫を捕食していました
一匹目の魚と言い、なにやら思っていた釣り方・釣れ方ではありませんが、まぁ良しとします。
そこからはキャンプ場近辺のポイントを探ってみましたが、小型中心ではあるものの、上流よりかなり魚影が濃い模様。早朝か夕方なら、大物が期待できるかもしれません。
しかし、イブニングまで粘ろうかと思っていたところ、この川は上流部が西側を向いて開けており、傾きかけた太陽がもろに目に刺さります。
しかも、太陽光と阿寺ブルーが見事に混ざり合い、渓全体がオレンジ色と言うかピンク色と言うか、幻想的な輝きを放ちます。これが結構曲者で、パラシュートフライのポストにしている、エアロドライウィングのフローセントオレンジが非常に見づらい。
かなり苦労して釣りを続けましたが、 ドラマチックな展開は起きませんでした。
「川の水は綺麗だけれども釣りづらい川である」、という最初の認識を新たに、阿寺川を後にしました。 多分5年ぐらいしたらまた忘れて再訪すると思われます。
なお、阿寺渓谷近くにある蕎麦屋「手打ちそば おんたけ」のザルは旨かった。ある意味、今回の釣りの最大の収穫かもしれません。
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