2009年7月20日 三重県 某川(旧津市内)
雨・雨・雨・雨・雨ばかり。少し晴れたと思っても、夕方からはお決まりのように土砂降りになる。
今年の夏は一体どうなってるのやら。順調に地球がぶっ壊れてきてるようでございます。
この日は雨の予報だったが、朝起きると予想外に晴れている。
嫁さんは実家の家族と旅行に行っているので自分はフリー。遠征するには遅すぎるので、魚の放流が全くされていない渓へ向かった。
津市中心部から車で40分。
実は、この6月と7月前半は酷い目にあった。
長女・嫁・次女が順々に風邪をこじらせ、娘2人は咳き込みすぎて気管支炎まで発症。
息苦しさから深夜に2人が交互に起きてくるので、1時間おきぐらいに面倒を見る必要がある。頼りの嫁さんもダウン状態(明らかに寝たふりしてる感はあったがな)。
そして、ようやく風邪が落ち着いたと思ったら、何か知らんがオウチをおっ建てるとかいう話になってんの。土日はモデルハウス巡りや工場見学、営業マンとの交渉でほとんど潰れる。モウ、シンジラレナイ。
対面キッチンのタイプがどうこうとか、陽の当たる場所はフローリングではなくタイルにするとか話が弾む中、ワタクシの希望もそっと言ってみる。
「・1階のこの収納スペースは、防水加工にしたいね(ウェーダーしまうから)。」
「・毛鉤巻いたり釣り道具を置くためのスペースは作りたいね。」
とか言ってみたらですね、
「・竿や釣り道具なんて濡れてもいいんだから外。ヨド物置(笑)とかで可」(酷すぎる・・)
「・針や鳥の羽根が散らばって汚いし危ないから、個室を作ろう。1畳あれば大丈夫」(それ、世間一般ではトイレじゃねーか)
モウ、シンジラレナイ。
相変わらず前置きが長くなったが、そんな訳でこの日は貴重な釣りの日。
一つ一つの動作を丁寧に、小さなポイントを丹念に探る事を心掛け、ポイントに到着。
・・・息を呑んだ。
普通に真横を林道が走ってる堰堤下。ここにアマゴが居る事は知っていたが、・・・・群れている。目視できるだけで10匹前後はいるだろうか。15cm〜大きいので20ぐらい。
散らしてはいけないと、地面にへばり付いて接近する。体中擦り傷だらけになったがそれどころではない。
左岸側からのアプローチで、右手側には大きな岩がある。普通にキャストは出来ない。
このような状況、オフショルダーキャストぐらいしかフライを前に飛ばす事ができないが、地面に張り付いているのでそれも難しい。
自分が選んだ方法は簡単。左手でキャストする。
藪沢で格闘する事が多い管理人、開けたカワムツが多い区間などでは、練習のためロッドを左手に持ち替えて釣るよう努めている。
今は思い通りにフライを落とせるのは5〜6mが限界(10mぐらいライン出すと、何故かターンしなくなる・・・)だが、15m飛ばせるようになったら相当便利だと思う。多分、倍近く釣れる。
しかし、狙うポイントまでは7〜8m。微妙に左手ではきつい距離だ。
ご主人様の言うことを聞かない私の左手君は、20cmクラスを2匹合わせ損ねたものの、なんとか3匹のアマゴ(チビ1匹含む)を釣ることに成功した。
驚いたのは魚が全くスレていない事。
ランディングのためポイントに近付いたが、数匹は悠然と泳いでいて逃げる気配が無い。釣り師が来ない川のアマゴは、かなり大らかな性格なのかもしれない。
要するに、地面に這いつくばって釣る必要は無かった訳だ(泣)
堰堤を乗り越える。
フライを流せるようなポイント自体が少ないが、多少水深のあるポイントではアマゴが必ず陣取っていた。
しかし、コンスタントにそれなりのサイズが釣れるのには驚いた。
他県に遠征してこれより釣れないケースなんてざらにある。高速道路が1000円だと喜んで遠征する前に、地元の渓をじっくり釣った方が遥かに有意義なのかもしれない。
逆に言えば、三重県の市街地近くでコレなので、岐阜や長野でくまなく探せば凄い場所が・・!?
ここで釣れてくる魚には特徴があった。見ての通り、朱点がほとんど無い。
個人的には、こういったアマゴが三重県中部の川ではネイティブに近いんじゃないかと思っているが、どうなんだろう。
結局、午後3時まで粘ってかなり満足できる釣果。こうなってくると、近くを流れる別の渓が気になる。
その川も、昨年かなり魚影が見られた川なので、状況が同じならおいしい思いができるはず。
翌週、その渓へさくっと潜りこんだ。そして、さくっとデジカメ忘れた(汗)
まぁ、今時の携帯電話はホームページで使うレベルの写真は十分撮れるので、特に問題ではない。
久々に訪れたこの渓も、アマゴの放流は一切行われていない。加えて、川底は砂で埋まり、川幅は3歩で渡れる程度。
普通に考えたら、アマゴなんて居るわけがない渓。
水深30cmあれば”一級ポイント”と思える細流。フライを流せる場所を探すが、それさえも無い。驚いて逃げる魚影も見られない。
30mほど歩き、ようやくアマゴが付けそうなポイントがあった。1m四方の広さしかないので、ミスキャストすれば2回目は無い。
周囲は木に囲まれているため、普通のキャストは出来ない。そこで、フライを摘まんだままフォルスキャスト(サイドキャスト)し、方向が定まったらフライを放すキャスト・・・私はこの方法をよく使うのだが、何か名称があるのだろうか。餌釣りでの振り込みに近い方法なんだけど。
とりあえず、怪しい方法でフライを送り込むと、本当に何のためらいも無く、黒い影がポコッと#16ブラックアントを吸い込んだ。
小さなプール(と言うか水溜り)を逃げ惑う魚。魚が1匹暴れているだけなのに、プールが茶色く濁る。
殆ど砂で埋もれている場所で逃げ込む場所など無く、その魚は無事にネットへ収まった。
先週釣ったアマゴとは違い、結構朱点が濃い。しかし、川の状態は酷いのに、色艶は健康体そのもの。こんな環境で生き残れる(自然産卵もしてそう)って事は、アマゴは相当強い魚なのかもしれない。
少し上流へ進んでもう一匹。
釣るよりも藪や岩を乗り越える方に時間を取られ、なかなか前に進めない。
しばらく進むと、杉の木の伐採(間伐?)作業を行っており、その直下には捨てられた木の枝や丸太。そのゴミが小さなプールを作っていた。
「伐採した木を川へ捨てんなよ」とは思ったが、いかにも魚が居そうな感じだったので、ボウ&アローでフライを撃ち込んでみる。
さらに1匹追加。捨てられた木材が邪魔で、ここを乗り越える気が起きず引き返す(登ったら崩れそう)。こういう方法で川に枝打ちした木や売れない木を捨てると、水を堰き止めてしまう。大雨など、何かの原因で崩壊すると、鉄砲水になるので、林業の方にはちょっと考えて頂きたいところだ。木を運ぶのに凄いコストが掛かるのは分かっちゃいるが・・・。
川岸ギリギリまで杉の木が植林されてる場所は多いけど、川から10mは植林してはならないとか、良い方法無いんですかね。
今回活躍したアイテム