2009年3月8日 三重県
宮川


 解禁2週目は、恒例の宮川へ。

前日からフライを巻き、入る谷も決めて準備万端。当日の朝、用意していると娘が聞いてきた

「ぱぱ、どこいくの?」

ここで下手な事を言うと後々厄介な事になる。

「ちょっと、お仕事に行くから、ママとお買い物に言ってケーキでも買ってもらいn・・」

「釣り行くんだってー。一緒に行く?」(嫁)

「いくいく!釣り行く!」(娘)

ぬおおおぉぉぉぉ!  何 故 余 計 な 事 を 言 う !(泣)

 結局、パパが今から行くところがいかに危なく、小さい子供はとてもじゃないけど来れないということを40分ほどかけて説明し、なんとか解放される。

パパ曰く、宮川と言うところは・・・

「もの凄く大きな石がゴロゴロ転がっていて、お魚を釣るには石を登ったり、高いところから飛び降りたりするから、足と手が短い●●ちゃん(娘の名前)は、多分川に落ちてしまうんじゃないかな。上から石がいっぱい落ちてくるから、頭に当たって血が出て、凄く痛いから病院に行く事になるかもしれない。多分、お医者さんに注射を打ってもらわないといけない。しかも、あそこはオオカミや大きな熊が沢山いるから、食べられてしまうかもしれない(←オイ)。危ないからお家に居た方が絶対いい。パパも怖いから本当は行きたくないんだよ(←コラ)

どんなところだよ(汗)


娘の「ぱぱ、きおつけてね」という純真な一言が良心にグサグサ突き刺さるが、とりあえず出発。

 2004年の豪雨災害の爪痕は少しずつ小さくなり、土砂搬出工事が繰り返され、随分と普通の川のようになってきた。
しかし、被害が大きかった支流は未だに荒廃しており、雨が降るたびに泥水が流れ出す。

これらの支流の回復は10年、100年と言った単位が必要なのかもしれない。

とりあえず、5年前の被害が比較的小さく、昔の風景をある程度保っている大熊谷へ。水が綺麗なので、この谷には毎年入っています。

林道をガタゴト登って行く。うーむ、成魚放流もされている支流なので、先行している釣り師がいるかと思ったが一人も見かけない。不思議ではあったが、とりあえず釣り開始。
ミッジの他に、テイルの長いメイフライ、小さめの黒っぽいカディスを確認。フライは何でも良さそうだ。


しばらく釣り上がる。グヌヌ・ヌヌヌ・・・・。反応が全く無い。走る魚影も見られない。唯一、脱渓予定の小規模堰堤手前で15cmぐらいの魚影が1回フライ目掛けて浮いてきただけ。

放流されている場所でこの時期に、他の釣り人を全く見かけないのはやはりちょっと変。釣れそうな気配が全く無かったので、早々に切り上げてダム上の谷を目指すこととした。

脱渓前に水中撮影。

晴れ間が少なく、周囲の緑も少ないので気付かなかったが、流れている水の透明度が異常。そう言えば、無茶苦茶水が綺麗な川だったと再認識。
荒れてて、常に泥水が流れてるイメージしか、ここ数年はなかったもんな。

ダム上へ。ここから奥は、入る谷を間違えると死ぬ。とりあえず比較的安全な(ただし、人気もある)谷へ移動。

釣り橋を車で渡る恐怖。車を止めて真下を覗くと・・・・。

30mほど下に広がるダム湖が、足元で一望できる(汗)。背筋にゾクッとくる恐怖。

上流の谷は、水害で荒れたと言う印象は特に無い。元々日本一雨の多い地域で、台風の後なんかはでかい岩が転がって流れが変わることもしばしば。

多分、この渓にとっては何百年も前から続いている光景の1コマなんでしょう。護岸が丸ごと剥がれ、流されていたって大したこと無い??

入渓して数回フライを流す。予想に反して、流すたびに反応がある。そして、同じポイントから立て続けに釣れてくる・・・放流魚。これには少し驚いた。

入りやすいとは言え、道中は落石ゴロゴロの荒れた道。
こんな山奥まで水と魚を運んできた漁協の努力は認めるが、ここまで来て成魚放流魚が釣れて喜ぶ人はいないような気が・・・。どうせなら、漁協の前のプールに4〜5回に分けて放ったが方が有意義。

こういった谷はゴミ拾いぐらいで何もせず、せいぜい稚魚か発眼卵の放流にしておいた方が後々を考えると良い気がする。

「放流するなら絶対ココだろ」という場所から上流では、案の定、ヒレの丸くない錆びたアマゴが顔を出し始めた。

黒っぽい虫がチラホラ飛んでいたので、使ったフライは暗めのカラーで巻いたクイルボディ・パラシュート(テイルはジーロンのシャックパターン)
釣れる魚の質云々は別として、久々にゆったり楽しめる釣りになった。

ここでも水中撮影。トップに貼ってある動画を見て頂いたら分かると思うが、ドライフライで魚の反応がない淵でも、結構アマゴさんは底付近をウロウロ泳いでる。
ニンフだけで釣り上がってやれば、もっと釣れるんでしょうかね。

釣った距離は少しだったが、小腹も空いたので一旦引き上げる。
入渓点に戻ると、真下にフライフィッシャーが1人。先程、自分が放流魚を4匹釣り上げたポイントで粘っている。
「まだいると思うけど、さっき釣っちゃったので、ドンドン奥へいった方が良いですよ〜」と、声を掛けようとしたけど止めた。人が楽しんでるのを邪魔する必要はない。

子供が二人になって、なかなか釣りに行けなくなったが、やはり自分にとってこの時間は重要だ。
人が釣っている姿を見てても、なんか和んでしまう。

 いつもならカロリーメイトで済ませる釣りの際の昼食。この時期、やはり温かいものを食べたかったので、今回はコンロとカップラーメンを持参した。




箸、忘れた(汗)


慌ててはいけません。適当に枝を切って、先端部分の皮を削り落とせば、はい。お箸の完成。

ワイルドな感じで、すごく良い。ちょっと青臭かったけど(汗)
この釣行記を書いてて思ったが、カップラーメンを作ったお湯は、どうせなら家から持参した水ではなく、その辺の沢の水を沸かせばもっと良かったかな。味が変わるとは思えんが。


 まったりした時間を過ごし、釣る気も薄れてきたのでダムの下へ降りる。このまま帰ろうかと思ったが、宮川上流漁協の最下流ポイントにあたる薗川で本日釣行最後の〆。

ここの方が、ダム上のよりも綺麗な魚が釣れた。
ダム上の谷より20分ぐらい早く来れるし、安全な川だから、今後はこの支流を集中的に狙ってみようかな。


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