2007年10月13日 三重県管理釣り場
大安トラウトレイク


 今更ながら、ついに渓流が禁漁となった。その一方で、独特の攻略法を必要とする管理釣り場のシーズンが開幕した。

 三重県の管理釣り場といえば大安トラウトレイクか、フィッシングサンクチュアリとなる。
サンクチュアリはいつ行っても25〜30cmクラスの数釣りが楽しめるが、今日は昨年から「大型魚専門」を謳い始めた大安へ向かう事にした。

大安は1日券が¥3000と良心的値段だが、半日券が無く、¥2000の3時間券があるのみ。
この時期は水温が上昇する前、早朝を釣るのが良いのはわかっていたが、それだと津を5時には出発しなければ厳しい。

早起きでしんどい思いをするのも嫌なので、今日は昼過ぎに出発し、薄暗くなる前の3時間だけ狙ってみた。

釣り場に到着した第一印象。

「人、少ねー(汗)」

ついでに、桟橋が訳のわからん形で浮かんでる。
釣ってたのはルアーが7〜8名、フライが2〜3名だった。

3時間券を購入して(ちょっとだけサービスしてもらった☆)、どの桟橋が良いかスタッフの女の子(FlyHighFisher的どうでもいいレビュー:毎度の事ながら、釣り場のバイトとは思えない人材を揃えてますな。)に聞いてみたが、水が満水になってないので、まだ本来の配置になっていないらしい。



ついでに、今年から池専門のスタッフが常駐し、ヘラブナ釣り場を開設するらしいので、簡単に偵察。

今ある事務所の他に、もう一つプレハブ(写真左上)が増設されていた。池は馬の背あたりで網で仕切られていて、写真に写っていない部分も含めれば、池の半分近くがヘラブナ釣り場になる模様。

そして、新たに設置されたヘラブナ釣り用の足場。後で聞いたが、浮き桟橋も建設するらしい。・・・・なんか、トラウトより金掛かってないか?
しかし、大安は普通にヘラブナが繁殖する環境(しかもフライに食ってくる)なので、高齢の平日釣り師が多いこの分野への算入は営業的には大正解かも。

ヘラブナ釣り場から歩いて戻る途中、護岸付近で大型の白っぽい魚影を確認。

この時は「コイでも放流したのか?」と思っていた。

しかし、事務所前の桟橋で釣り始めると、上の写真のような魚が何匹か見える。背中には見覚えのある黒色の斑点。
全て体長50cm近くはある虹鱒だった。
例年だとオオユスリカがポツポツ出るはずなので、タナは1.5mぐらい、フライはユスリカピューパ#10〜14と言った感じか。

とりあえずピューパ#14を結び、念のため#16のピンクのエッグをドロッパーに結んでおいた。

フライをキャスト。

・・・。




・・・・・・・。





・・・・・・・・・・・・・。


うん・・・何の反応も無いね。周囲のルアーマンも全く釣れてないし、ライズも見られない。状況が全くつかめない。


そうなると、自分の中で最も信頼できる釣り方をするしかない。
タナを一気に3mまで延長し、重めのショットをかましてエッグが底付近を漂うように調整。


20分ほど待ったところ、インジケーターが波紋を立てずに変に動いた。

「?」

30cmほど軽くラインを引き、しばらく放置するとインジケーターがスポッと水中へ。
ロッドを立てる。魚が水面に向けてダッシュしたため、テンションが軽くなる。ラインを一気に手繰り寄せた瞬間、水中で反転した魚はそのまま逃げ去った。

鈍くギラリと輝いた魚体は、推定50cm。「鯉が掛かった」というのが、最も率直な感想だった。



魚はどうやら底付近にいるらしい。
15m程キャストし、足元までゆっくり引いてくること1時間。

またもインジケーターが、ぶれる様な動きをした。かるく誘いを入れてみて、そのまま放置。次の瞬間、インジケーターがゆっくり沈んだ。

ロッドを立て・・・立たん!(汗)

ラインがシャーっと引き出されるが、ラインに手でテンションを掛けると火傷しそうな勢い。余分なラインをリールに巻き取り、リールのドラグを少し締める。
魚が猛ダッシュした時は、リールのドラグで対応する事にした。

3〜4分は引っ張り合いをしただろうか、ようやく魚が浮いてきた。水面まで引き上げると、完全にスタミナが尽きたようにネットイン。


ネットに入りきらなかったけど(汗)

45cmぐらいか。
最後に少し暴れた際、手に水がかかったのだが、急に引きが弱くなった理由がわかった。

「水がぬるい」

冷たくないのである。むしろ温かいぐらい。赤外線型温度計で簡単に水温を計測すると、21.5度を示した。ニジマスだから死にはしないだろうけど、まだ7〜8度は高い状態ですな。


この魚とやり取りしてる間に、オーナーが声を掛けてきた。

「デカイですねー」

「う〜ん、これでアベレージか・・・いや、少し小さいぐらいじゃないかな」

「ど・どんな魚入れてるんですか??」


最近の状況を聞いてみると、やはり水温が高くてあまり芳しくは無いらしい。また、この夏に池を干したので、オオユスリカのハッチは期待できないとの事だ。

ただ、水が入れ替わったので透明度がかなり良くなっており、見てのとおりのサイズだから鵜に食われる心配も少ない。放流数も増えれば、11月ぐらいからかなり面白くなるのではないかと思う。

オーナーから一言。
「あの桟橋の下に、無茶苦茶群れてるんですよね」

左が事務所前の桟橋。写真右に少し写ってる雑木林沿いに浮いている桟橋の事だが、池が満水になるまで仮で固定しているようだ。

あまり反応も無いので、見に行ってみる事にした。

3〜4匹の影が見えるだろうか。桟橋上の子供の手と比較したら分かるが、どれも40〜50クラス。
50m程の桟橋の下全てに魚がついていたので、ここだけでも100匹ぐらいいるんじゃなかろうか。

放流直後の魚のようだが、今日みたいな渋い状況を解決するには、まずこの桟橋の下へ棒切れを突っ込んで、魚を散らす事から始めるべきかも。

オーナーと話しながらもう一匹ヒットしたが、ロッドを立てる間もなく逃亡。
今日は1ヒット2バラシの結果に終わったが、昼からの3時間券にしてはそれなりに良かったのかもしれない。

インジケーターの変な動きは、食う前にフライの周りを旋回しているのではないかと思っている。

今の時期狙うなら、水温が上昇する前、早朝が断然有利かと思う。夕暮れのイブニングは、ハッチが少なく水温も高いため、あと2週間ぐらいしないと厳しいように感じた。


とりあえず、大安トラウトレイクは普通の管理釣り場とは少し違った路線を目指す事になったらしい。
大量放流しても、鵜に殆ど食べられ、結局どんどん放流しなくては釣れない。ならば鵜に食べられない大きさだけを放流し、中々釣れなくても1匹釣れたらデカイ。

正直、今日は1匹しか釣れなかったが、このサイズで3匹も釣れれば一旦休憩したくなるだろう。
遠投の練習、大型魚とのやり取り、大型魚のランディング・・・これらを実践できる釣り場は、結構少ない気がする。


オーナーには大変失礼だが、サンクチュアリが1日券¥3500を¥3000に、半日券を¥2000にしてきたら、ここは潰れると思っていた(本当に凄い失礼だな)

しかし、サンクチュアリは1日券を¥3900に値上げし、関東・関西の都市部周辺の釣り場のように、大量放流を維持し、「誰でも釣れる管理釣り場」を定着させる方針のようだ。

料金が高い・沢山釣れる のサンクチュアリに対して、
料金が安い・あまり釣れない だった大安トラウトレイク。
これが
料金が安い・あまり釣れない+だけど釣れたらやたらデカイ これは釣りファンにとって、選択肢が増えて喜ばしいことだと思う。

うまい具合に棲み分けが出来て、三重県の管理釣り場が活性化する事を願いたい。


トップメニュー釣行記>10/13 三重県 大安トラウトレイク