2007 6/9 三重県
服部川  安濃川


『気象庁は9日、寒気を伴った低気圧の接近により、西日本から北日本の広い範囲で10日にかけて局地的な雷雨や大雨が予想されるとして、土砂災害や河川の増水、落雷に注意するよう呼び掛けた』



うるせぇ。


渓流釣りの最盛期に2週間の間を空けたのは本当に辛かった。
6/6には、無謀にも仕事終わってからそのまま川へ突撃したが、川に着いた頃には既に真っ暗(当たり前)

今日は1日中釣ったる!・・・そんな矢先に、冒頭の予報である。もう、まいっちんぐである。
本当は岐阜か長野へ遠征したかったが、高速代・ガソリン代を投資してロッドを振れない事態は避けたい(雨はある程度我慢できるが、雷だけは勘弁)


 翌朝、8時ごろに目が覚めると、意外にも雨は降っていない。しかし遠征するには遅すぎる。そこで、久々に学生時代に数回だけ行った事がある服部川へ決定。
服部川の渓相は、安濃川と雲出川の中間と言った感じで、位置的にも安濃川へ40分、雲出川(坂本川)へ1時間30分としたら、この川は1時間ほどで行ける場所である。

 安濃川沿いの道路は最上流部まで登ると、途中からかなりグネグネ道になる(伊賀越え街道)。山の反対側へ下りていくと、国道163号線に合流するのだが、その辺りが服部川上流部となる。

「とにかく上流へ行けば釣れる」
と信じていた学生時代、その誤った信念により山を乗り越え発見したこの川。訪れるのは実に10年ぶりぐらいか。

久々に見た服部川の流れ・・・と言うか、殆ど覚えていないのだが、うん、確かにこんな微妙な流れだったよ。なんか浅くなった気もする。前日は少し雨が降ったので、若干濁りが入っている。

シンプルかつ大胆に、一般行楽客にプレッシャーを掛ける川。
記憶が非常に曖昧なのだが、確か服部川の年券は¥2000〜¥3000。分水嶺を隔てた安濃川も、当時年券3000円、日券¥300円(後に日券は廃止)だったと思う。

それ故、宮川や雲出川の日券1000円、年券4000〜5000円の価格設定は、当時の自分にはかなり違和感があった。


さて、ここからが苦難の始まり。正直、游漁証を買うのにこれほど苦労する事になるとは思わなかった・・・。




近くの雑貨店に游漁証を買いに入るが、「なにそれ?」との回答。

車を走らせ、別の食料品店に入ると「ここでは扱ってないよ」との回答。「もう少し行った食堂で売ってるよ」と教えてもらう。

食堂まで車を走らせると「え?釣りの券?ちょっと知らんけど・・・」との回答。「この人に電話してみたら分かるかも。釣りの事は全部この人が知ってるみたい」との事で、携帯の番号ゲット。発信・・→「電波の届かない・・・」

この川の漁協、やる気あんのか・・・?券買える店ぐらいもう少し確保してくれ。


ならば本丸を攻めてみようと、途中出合った人に「漁協の事務所ってどこにありますか?」と聞くと、すぐ近くにあるとの事。車を走らせる。

が、土曜日の10時過ぎにもかかわらず、事務所には鍵がかかってる。今事務所閉めていつ券売るんだよ。

ふと、事務所の窓に張ってあった張り紙に目が留まる。そして、打ち捨てられた「遊漁のご案内」の看板。この荒廃っぷりは一体何?テロでもあったのか。


・・・。

日券 ¥2000   年券 ¥4000

で・でたー!滋賀県、奈良県が積極的に採用する「よそ者も、とりあえず年券買えや」作戦!櫛田川漁協もこの詐欺商法に堕ちたので、もしかしたら・・とは思っていたが、ここもかよ。

看板をよく見ると、役場の電話番号が書いてあったので、そこに電話をしてみる(市外局番が分からず苦労した)
何ヶ所か券を売ってる場所を教えてもらったが、聞いたこと無い地名ばかりでよく分からない。「さるびの温泉でも売ってますよ」

そこなら場所がわかる。かなり戻らなければならないが、券無しで釣るわけにはいかないので車を走らせる。


さるびの温泉にようやく到着し、温泉の職員らしきおっちゃんに「アメゴ(アマゴ)釣るための券売ってますか?」と聞く。

「え?売ってないやろ。そんなの」

_| ̄|○ マタカヨ・・

「えぇ!?マジっすか??役場に電話したらここで売ってる言ってましたよ?」

すると、近くにいたもう一人の職員らしき人が、「ちょっと待っとり。あったかもしれんぞ。聞いてきたるわ」との事。
程なくその人が戻ってきて「温泉の売店で売っとるらしい」


やっと釣りできる・・。


フロントへ行き、「年券下さい」と言う。「はいどうぞ」・・・・・となると思っていた。いや、誰だって普通、そうなると思うでしょ?

なんか大きい封筒を取り出した女性スタッフ。もう一人の女性スタッフとなにやらコソコソ話している。

「えーーっと・・。」

固まる女性スタッフ2名。


「鮎・・・ですか?」

「あのー・・、鮎はまだ解禁してないんじゃないですかね。多分7月からじゃ?」

「あ!じゃあアメゴですね。」

「年券お願いします。たしか4000円ですよね」

「年券ですね。・・鮎と共通です」

”なに!? ・・・それで游漁証が高くなったのか。”

「鮎の釣り券も一緒なんですか。知りませんでした」

「ええ。ここに書いてありますから」 見せてもらった封筒には、確かに「鮎と共通」と書いてある。
4000円差し出すと、またもや固まる女性スタッフ。

「えーと、年券ですから今日から1年間・・・ですよね?」

「え!?この川そうなんですか?岐阜では確かに買った日から1年有効の川はありますけど」

「ここに承認期間ってありますので」


そんな訳で、来年6月まで有効の年券をゲット。売ってる所が言うんだから間違い無いと思うが、多分なんか間違ってるんじゃないだろうか。

ついでに、【魚種 アメゴ】っておもいっきり書いてあるんですけど(汗) 鮎釣ったら怒られるな。


 券買うのに要した時間、なんと2時間。
持ってないと罰則まである公の証明書なんだぜ?売る気なくてチェックする組合員もいないなら、無料にして募金制度にでも変えてくれ。
漁協事務所前に寄付金箱置いてあったら、500円ぐらい入れてやる。

アホな事で時間を取られ、あわてて入渓ポイントを探す。しかし、時既に遅し。ポツポツと雨が落ちてくる。

支流の馬野川に入り、上流へ。しばらく進むと、おいしそうなポイントが連続してきたのでようやく川へ。
50m程釣り上がり、数匹のカワムツを掛けた後にようやくヒット。

森に囲まれた場所なので、夜撮った写真みたいになってしまった。さぁこれからだ! と思っていたら、雨がかなり本降り状態に。ついでに雷の音が近付いてきた。

仕方なく車に撤収し、雨が収まるのを待つ。
10分ほど待ってみたが、止むどころか雨は土砂降りの大雨に。川も一気に増水してきたので、潔く諦める。

帰り道の長野峠は凄まじい事になった。
カーナビから「ご注意下さい。滝の中を走行しています」とかアナウンスが聞こえてきそうな集中豪雨。川は既にまっ茶っ茶。ワイパーは全く役に立たず、5m先が見えない状態。

なんとか津市まで戻った頃には、雨は小康状態(ただし、23号線は所々冠水してた)。ラーメン屋に入って遅めの昼食。

「フー食った食った」
店を出る。


晴れている(汗)


「どうせまた雨降ってくるんでしょ」と車を走らせると、閉店した津の上州屋の跡地が、フィッシング遊になっていた。今日が開店だったのか、交通整理までいる、
ただし、「餌釣り ルアー アウトドア 中古品」と看板に書かれていて「フライ」の文字が見当たらない。やはり三重県はフライショップ不毛の地のままだ。

そのまま家に帰ろうかと思ったが、どうも天気がおかしい。どんどん晴れてくる。

時刻は午後4時、しかし、これならいける。
ハンドルを再度川の方角へ切り、車を飛ばす。4時半過ぎに安濃川上流に到着するも、川はかなり濁っている。

さらに上流まで進むと、釣りができそうなぐらいの濁りに落ち着いてきた。そそくさとロッドをセットし、パラシュートを結んで川へ。


同じような大きさ、色艶のアマゴが6匹ほど相手をしてくれた。



服部川から足が遠のいた理由、なんとなく思い出した。昔の安濃川はかなり釣れたので、わざわざ少し遠くに行く必要が無かったのだろう。

しかし、日券2000円か。游漁証はサービスの対価と言うより、漁で生計を立てる漁師への「迷惑料」みたいな側面があるので一概には言えんけど、例えばスキー場で

@買うのに2時間さまよい歩き

A買っても誰にも見せる必要が無い

B滑る場所が殆ど無いゲレンデ

Cしかも突然倍の値段になる

こんなスキー場のリフト券、誰も買わんでしょ。游漁料金の徴収、游漁証の販売は、もう少しサービス業の精神が欲しいところだ。


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