2/2 岐阜県
長良川


思えば今回の釣行は、一番最初からケチがつきまくりだった。

年末から新年1月の間、地道に土曜出勤や残業をコツコツ続け、堂々と有給休暇所得を宣言できたのが1月末。
解禁の喜びと平日に釣りに行ける事を楽しみにしながら、これまたコツコツとフライを巻き貯めて、いよいよ解禁1週間をきった頃から、雲行きはおかしくなっていた。


最低気温が-4℃だとか冬将軍が到来だとか、今年の冬一番の寒気とか、ケーブルTVの天気予報専門番組では冬将軍が団体でやってくるなど、笑えない情報がてんこ盛り。
次の日に同じ番組を見たら、冬将軍が団体で城ごとやってくる、とか言ってて、生まれて初めて天気予報で笑わしてもらいました。ZTVの天気予報専門番組のおねーさん、例えかたの表現がぶっ飛んでて大好きです。

そんなマイナス情報に屈しないのが皆のアイドル、当サイトの管理人です。
川へ行けば釣りになると信じ、前日2/1の夜には準備は万端整っていた。
ウェーダーの撥水処理終了。ロッド異常なし。ラインドレッシング完了。ホッカイロ準備完了。フライ装填数120%。デジカメ作動問題なし。偏光サングラス視界良好。奥さんの機嫌まぁまぁ良好(←最重要チェックポイント)
システム・オールグリーン・どうぞ!

「Fly High Fisher管理人・俊、行きまぁーす!」って感じでしたね。実際朝の6時前には、北へ向けて飛び立ちましたよ。ええ、勢いよく出撃しましたよ。空の彼方へキラリって感じでした。



四日市行くまでに、3時間かかりましたけど(泣) 通常、5時台早朝に出発すれば、40分の距離です。


鈴鹿超えた辺りからうんともすんとも動かなくなり、途中であきらめてUターン。
その時は「今年の解禁は終わった・・」と半ばあきらめムードでしたが、昼過ぎに道路情報を眺めていると、徐々にではありましたが渋滞は緩和。
もう一度気を取り直して、岐阜へ向かい、なんとか7時前に関観光ホテル前に到着しました。

途中のコンビニでビールと日本酒を買い込み、ポイントのどまん前で一泊を決める。
当サイトの掲示板にポチポチ書き込みをしつつ、スルメと雪に埋めて冷やした酒で一人乾杯。寂しくなんかないやい!

天候は大騒ぎするほどの積雪でもなく、少し安心。
9時前には眠りについたが、深夜1時頃、ふと目を覚ますとかなりの降雪。掲示板の書き込みにあった猿右衛門さんの『俊さんの車が雪に埋もれないか心配です。』という言葉を思い出し、あわてて車を移動 「三重から仕事をサボって釣りに来た男性、雪に埋もれた車の中で一酸化炭素中毒死」とか翌日のニュースに流れるのは御免なので道端で一夜を明かす。

さ・・寂しくなんかないやい!

翌朝6時に起床して、いよいよ2005年の戦闘開始。冷戦はこの時から始まった。

以下、ダイジェストでお伝えします。(←オイ)

何となく浅くなったホテル前のポイント。夜の積雪は3センチほどだった。


ポチッとライズもあった

早朝のライズは期待できそうになかったので、他のポイントを見て回る。

美濃橋のポイントは完全に沈黙。

続いて板取川。右の写真の堰堤の上流には、50匹ぐらいの大群がいたが、餌釣りの人が仕掛けを投げたらブワーっと大移動。近くにいたフライフィッシャーが近づくとまた大群で逃げていく。
これは無理と判断し、場所を移動。

ものすごい省略の仕方をしますが、結局、ライズ探しだけで午前中は潰れました(汗)

再び関観光ホテル前に戻ると、ごく一部で集中的なライズ。

当然、その前に陣取るフライフィッシャーが数名。上の写真で4名が立ってる所から20〜30mの距離では、ボコボコライズあり。板取川と同じく、魚が高密度の群れで移動しているらしい。
たまに近くまで寄ってくるのを狙ってるようでしたが、キャスティング技術がかなりハイレベルないと、ライズへフライを送り込むのは難しいように見えた。

飛んでいた虫をキャッチ。サイズは#22ぐらい。濃いこげ茶色・・黒色と言ったほうが近いかもしれません。

なぜか雪の上で丸まっていたネコ軍団。写真で見るとそうでもないが、実際は人相が悪くて憎たらしい顔をしている。

しばらくライズを待ってみたが、上記4人の前以外では全くと言ってよいほどライズが無い。ぷらぷらやや上流へ移動してみると・・・


ぽつ・・・ぽつ・・・・。

み・・・・見つけた・・! 皆さん4人組の前のライズに気をとられて、全く気がついてない。
悟られえはダメだ。慎重に、確実にこのライズをものにしなくては!

5Xのリーダーに7.5X、9Xのティペットをつなぎ、フライは#20フローティングピューパの黒。ターンオーバー性能と視認性を最重視。
9X、#20のサイズは少々苦しいかも・・とは思ったが、皆さんご承知のとおり人生の一大イベントを終えたばかりで、今年の禁漁中はあまり釣りに行ってない。10X、#30のフライは無用なトラブルを招きこそすれ、とても扱えないと思ったためだ。

過去の釣行記見てもらえばわかると思いますが、自分はいきなり大本命の釣り方から始めます。徐々にティペットを細くするとか、フライのサイズを徐々に落とすような事はしません。
つまり、今回はこれが自分の限界スペック。

しばらく待っていると、ライズが10mぐらいの距離まで近づいてきた。

慎重にフライをキャスト・・・・ここで問題発生。
















ものスゲー下手くそになっとる(汗)

やべぇ!ループが乱れる、ラインが失速する、リーダーから先端がうまくターンしない、フライがどこに落ちたか分からない!

これ本当に自分の腕か?イメージどおりのキャスティングが全く出来ない。風は微々たるものなので、原因は100%自分。マジ泣けてくる。

そんな苦闘をよそに、近寄ってくるライズ。しばらく様子を見て、ライズの2m上流にキャストしてしばらく待つ。
不意に、パシャッとフライを中心にライズが広がった。と思った瞬間、我が右腕はとんでもない大あわせ。

確かな『コン』という手応えを残して、フライは宙を舞った。しばし放心状態。

食ったのを確認してから、ワンテンポ遅らせてあわせるのと、食ったのを見て、慌ててワンテンポ遅れてあわせるのは全く意味が異なる。
その差は1秒以内の世界の話だろうが、前者はいつでもフッキング動作を行えるのをグッと我慢している状態。
後者は、例えるなら熱いヤカンに触ってしまい、反射神経が手を動かしてるような感覚。力の入れ具合が調整できない=大あわせになり、すっぽ抜けたりラインブレイクになってしまう。

この時の自分はまさに後者。大安トラウトレイクでドライフライフィッシングの練習をしておけばよかったと後悔。

そんな事をしていると、隣の人が見事1匹ゲット。素直に言います。クヤシーーーー!!!

幸運にも、射程距離内で散発ながらライズがある。フライを新品に交換し(水質が良くないのだろうか、浮力が持続しない)15mほどキャスト、着水して2秒後、再び「パシャッ」

しかし、手応えさえなく虚しく宙を舞うライン。無くなってるフライ。放心状態の男が一人。

快晴・無風だった天気も徐々に悪化し、少し風が出てきた。ロッドを振ってる人なし。例年のごとく我慢大会開始

雪の上にポツポツ黒い点。先に紹介したミッジとは違い、コチラは#30クラス。ボディーがかなり細い。

その後ライズが無くなったので、再び美濃橋付近まで様子を見に行くが、ライズなし。
掲示板を見ると超エキスパートさん、kさんのお二人から武儀川の情報について書き込みがあり、黙ってつっ立ってるのも虚しいので移動。

初めて武儀川へ足を延ばしましたが、川幅が長良川本流よりやや狭く、フライに絶好のポイントがいくつもありました。今度また行ってみたい。
勢い余って美山漁協管内まで車走らせてました(汗)

再び関観光ホテル前に戻ると、ライズ待ちの人が多数。最後のチャンスはイブニングライズしかない。ホッカイロを2個追加し、その時を待つ。

30分ぐらい待っただろうか、一番下流(鮎の瀬橋よりやや上流)に入っていた人がヒット。歓声が上がる。
『ライズしてます!多分そっちの方へも行くと思いまーす!』

なんかスゲー親切な人だ。遠くからでも15〜20mぐらいの距離でライズしているのがぼんやり見える。

それを眺めてるとまたまたヒット!次の瞬間、驚愕のセリフがその人の口から飛び出した。


『皆さーんこっちへ移動してきたらどうですか?僕達だけ楽しむのは気が引けるんで』


神様ですか?長良川にフライフィッシングの神が光臨したのですか?俺だったら口が裂けてもそんなセリフ言えない。(←むしろ全力で隠匿する←最低だね←うん、そう思う)

しかし、一般的にプライドの高いフライフィッシャー。誰一人移動しようとしない(自分を含む)

この時の俺はアホだった。本当にアホだった。
真っ先に仔犬のようにシッポふって、「ワンワン!隣に入らせてもらうワン!」とか言ってりゃ良かったんです。人の親切は素直に聞けば良かったんです。


ジッと我慢していた数人が、「仕方ない、ちょっと移動するか」と言ったのを合図に、民族大移動in長良川。後ろで様子を見ていた人達も続々それに続く。

遅れながら自分も移動。

そこには別世界が広がっていた。10個ぐらいのライズが定期的に、同時に起こっている。どうやら2〜3の大群がクルージングしているようで、ライズの塊がゆっくり移動してくる感じ。

下流側では、ヒットが続出。指をくわえて待っていると、ようやく自分の目の前まで団体さんがやってきてくれた。
間髪いれずにフライをキャスト、自分のフライを中心に、ポコポコポコ・・とライズ。ジッと我慢・・・パシャッ!

スパッとあわせる・・・・って。だからスパッとあわせるなよ俺の右腕!と思った瞬間、またも「コン」という感触を残して最悪なあわせ切れ(泣)

長時間待っていたため、手が凍えて#20のアイにティペットがなかなか通らない。ライズは自分の少し上流まで移動し、また下流へ移動。再び遠くで歓声が上がる。

またしばらく待っていると、ライズが移動開始。あらかじめ回遊コースにフライを浮かべておくが、今度は完璧に無視。辺りは薄暗くなってきて、ティペットを10Xまで細くする余裕も、フライのサイズをダウンする余裕も無い。

さらに太陽が沈み、5m先のフライが殆ど見えない頃には、川岸から3〜4mの距離でもライズが始まった。

必死でキャストを繰り返すが、ことごとく無視。途中違和感を感じたので、チェックするとティペットが少し絡んでいる。ティペットを切り、ドライは諦めてソフトハックルを取り出す。暗闇の中で四苦八苦しながら何とか結び、ゆっくりリトリーブするが反応なし。

この文章書いてる今でも悔しい。今日は本当に何も出来なかった。

フライが大きすぎたのか、ティペットが太かったのか、場所が悪かったのか、流し方が悪かったのか、運が無かったのか・・・。
がっくりと肩を落とし、雪の積もる川原をトボトボ引き返す。


コノママデハオワラセナイ。


で、土曜日リベンジに出撃するはずが、嫁さんが39度近い高熱でダウン。そんな訳で看病がてら土曜の昼間に更新してるわけです(泣)


唯一の収穫。岐阜の上州屋ってスゲー!
欲しい物が沢山あり、4000円ぐらい買い物してしまいました。


最後に、リアルタイムに掲示板に書き込んで頂いたトムさん、sys@sulさん、okirakuさん、超エキスパートさん、猿右衛門さん、kさん、木村さん、ひろさん、komuさん、ありがとうございました。

携帯電話で顔も知らない人と情報交換しながらの釣りは、かなり面白かったです。また平日に釣りに行く事があったら、同じような企画をやるかもしれません。

その時は携帯用の画像掲示板を臨時で設置するとか、もう少し楽しめる内容に出来たら良いなと思っています。


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