3/28 三重県
雲出川
※更新が一週間遅れました


 3月28日、雲出川支流坂本川が解禁したので、早速釣りに出かけた。

雲出川水系は、支流により解禁日がバラバラで、3月21日太郎生川・3月28日坂本川・4月11日丹生俣川・4月18日藤川と、3月末から順次日曜日に解禁していく。

一番放流量が多い坂本川でも成魚300kg・稚魚7kgと、岐阜の川などと比べれば遥かに少ない。

しかし、津から高速道路を使わなくても(場所的に使えないけど・・)1時間少々というのは、大きな魅力である。


釣り場に9時ごろ到着し、年券を購入。最初のメジャーなポイントである、赤い橋の下には、3人の餌釣り師が入っていた。


釣り上がるため、用意をしてから河原へ下りる。
橋の真下では釣った魚を酒の肴にしているのか、明らかに地元のオッサン達が宴会をしていた。

ポツポツライズがあり、既に餌ではほとんど釣れなくなったようで、ビールを飲みながら暇になると釣りをしているようだった。
最初3人ぐらい釣っていたが、酒を飲むためか二人は釣り場から離れ、女性の方が一人で釣っていた。


目の前のポイントが空いたので、2〜3投してみようかとフライを結ぶと、不意にこんな言葉が聞こえてきた。



「おい!邪魔やでそこでは釣るな!」


最初誰に言ったか分からなかったので、無視してポイントに近づき、ライズを観察していると、

「そこで釣るな!聞こえやんのか!?」


なんじゃこいつら。
今まで3人で釣ってたポイントで、2人は釣りを止めて酒飲んでるから、俺の目の前には十分なスペースがある。
なぜこんな事を言われにゃならんのだ?


「ほっとけ、どうせ釣れずにすぐ上にいくやろ!」
「それもそうや」
「おいおい、お前ら、アホな事言うたるな。穏便に済ませよ」


約一名、紳士的な人もいたが、ここまで言われて黙って引き下がるほど俺は人間できていない。
とっとと釣り上がるつもりだったが、俺はついに実力行使に出た。(トラブル避けるためには、黙って移動するのが望ましいのはわかってる)




釣らずにじっと待つ

 本当なら「遊漁証を持っていないあなた方に、そんな事を言う資格があるのか」と言ってやりたかったが、(※雲出川の遊漁証は、安全ピンつきのケースが付く)酔っ払い相手に何を言っても無駄と考え、女性の釣り師が釣りをやめるのをひたすら待ってみた。


待つと同時に、周囲に散乱した餌釣り師のゴミを、徹底的に回収。
ベストのポケットに次々とつっこむ。

その時間約30分。オッサン連中も気付いたのか、野次は飛んでこなくなった。


女性釣り師が上流へ移動したので、大声でオッサン連中に聞いてみた。

「スイマセン。目の前のスペースがかなり空いてるんですけど、ここで釣っても良いですかね!!?」


・・・。


返答なし。人の家の庭で釣るわけでもなし、ダメと言われるわけが無い。

やや上流に移動した女性にも声を掛ける。

「今からこっち側で釣らせてもらって、良いですか?」
「どうぞどうぞ!・・・すいません、お騒がせして。嫌な思いさせて・・」


いえいえ、ありがとうございます!」

で、ようやく釣り開始。


+++


周囲では既に大量のミッジ、メイフライがハッチしていて、解禁日ながら既にシーズン最盛期。

#18のパラシュートをキャスト・・・見に来るがくわえない。
数投して、様子を見る。

「なんやあれ?」
「疑似餌やろ。毛鉤とちゃうか?」
「釣れるんか?あれで?」
「投げ釣りみたいやな」


フライフィッシングが珍しいのか、ものすごい注目を浴びる。フライを#16のCDCソラックスダンに変更してキャスト。

バシャッとフライが消えたが、フッキングせず。

2〜3回掛け損ねたが、ようやく1匹ゲット。

「お、釣れとるやないか」
「釣れるんやな。あれ」











( ̄▽ ̄;)なんかやりにくい・・・。

このサイズは、大量にライズしていた。写真を撮って、リリース。

「あれ?ばれたんか?」
「写真撮って逃がしたんやろ」
「逃がすんか?考えられへん」



ソラックスダンは、マッチ・ザ・ハッチにピッタリ合っていたのか、すこぶる反応がいい。

何度も食ってくる中で、2匹ほど更に追加。

女性が釣るのをやめたので、上流へキャストすると、25センチぐらいの良型があっさりヒット。水面にかなり興味があるようだ。

「また釣れとるで!」
「あれ、デカイんちゃうか?」



離れて見ていたオッサンの一人が近づいてきてこう聞いてきた。
「兄ちゃん、せっかく釣ったのに、逃がしたるんか?」

「そうですね。逃がしたら大きくなって、また釣れるはずですから、是非釣ってください」

「逃がすならくれ」と言われそうな雰囲気がプンプン匂ってきたので、写真は撮らずに即リリース。

「それはフライっちゅーやつやろ?投げるだけでも練習がいるんやろ?」
「うーん。簡単ではないかもしれませんけど、面白いですよ」


下流から一人釣りあがってきて、ポイントをじっと眺めていたので、「僕は今から上流へ行きますんで、ここどうぞ」と場所を譲った。

移動しようとすると、最初野次を飛ばしてきたオッサン連中の一人から
「ここの少し下流の淵に、ようけおるぞ。餌では釣れんだけど、水面でバシャバシャやってたで、毛鉤やったら釣れるんちやうか?行ってみ」
と情報を頂く。

「そうなんですか?ありがとうございます。後で是非行って見ます」とお礼を言って、釣り上がり開始。

釣り好きの人に、悪い人はいないってのは本当かも知れないな、と、ちょっと思った。
酔っ払い相手にムキになった自分をちょっと反省☆

水量は例年どおりで、申し分なし。河原を歩くと、足元からブワっとメイフライが舞い上がってくる。

淵に溜まった放流魚とは違い、昨年の稚魚放流の魚が流れの筋や岩の周りからポンポン飛び出してくる。
サイズは小さいが、ヒレは綺麗で肌艶もよく、このまま大きくなって欲しいと切に願う。

写真上が赤い橋の下、放流魚が多数いた淵のポイント。この100mぐらいで5匹ほど簡単に釣れた。


一旦赤い橋まで戻ると、先程に増してライズが多数。
オッサン達もいなくなってたので、再度釣ってみる。


一番大きそうなライズを狙って、ソラックスダンを投げると、一発でフライに出た。

なかなか強い引きで、慎重に寄せてきた魚は28センチほど。

その後、ライズが大量にあったという下流へ移動すると、20匹ぐらいの群れが盛んにライズを繰り返していた。
おっさん有難う。釣らせていただきます。

・・・しかし、やはりそんなに甘くは無かった。
メチャクチャすれてる。見た感じ、水面をヨットのように流れてくるダンにはかなり神経質になっていて、水面直下の何かを捕食していた。もしかするとミッジかもしれない。

しつこくフライを流すと、反射食いのような感じで一匹。多分こいつらはチョットやそっとじゃ釣られず、秋まで残ってくれると思う。


車で1kmほど上流へ移動して、更に釣り上がる。

コンスタントに魚は釣れるが、綺麗な魚は全て小型。賢く育った大型は、梅雨明け以降に釣れ始めると思う(人が少なくなるから)

去年は、上の写真の砂防堰堤などの工事の影響で、イマイチ釣れなかったが、今年は稚魚も順調に育ち、放流も広範囲に満遍なく行われているので、どこのポイントでも安定して釣れた。

なだらかな流れが多く、初心者でも釣りやすい。繊細なマッチザハッチを楽しみたいなら淵で放流魚を狙い、綺麗な魚を狙うなら釣り上がって小場所を狙う。

今の雲出川は、二通りの釣りが楽しめる。

このサイズのメイフライが本当に大量にハッチしていた。今日ほどソラックスダンが釣れると思った日は無かった。

最初は嫌な思いもしたが、終わってみたら軽く20匹オーバー。今年の雲出川は楽しめそうだ。


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