5/24 岐阜県
石徹白川C&R区間


 フライフィッシング辺境の地、三重県。そこに暮らす一人のフライフィッシャー、俊。

現在『Fly High Fisher』という怪しくて・下品で・下ネタばかりのサイトの管理人に、岐阜県石徹白川にキャッチアンドリリース区間が設定されたという情報が飛び込んできたのはいつの日だったか、記憶が曖昧だ。


各種法律や条例、地元住民の意見など、その制度が実施されるには、旗振り役の並々ならぬ努力が必要だと聞く。

いつしか石徹白川C&R区間は、一度は行ってみたいな、この川リスト(俺の頭の中に掲示中)の上位にランクされていた。


先々週、初めて行った岐阜県庄川でかなり良い思いをしたので、疲れた体に鞭打って再度出撃。車中一泊の釣行となった。
念のため彼女に行くかどうか聞いたら(多分来ないと思っていた)またもや両手いっぱい荷物を抱えてやる気満々。車の後部が荷物で埋まる。

この際ハッキリ言っておくが、お前の荷物が多すぎるから寝るスペースが少なくなるんだよ!(←小声で)

地図で確認する限り、庄川より近そうに思えたが、甘かった。
白鳥まで来て国道156から石徹白方面へしばらく進むと、峠道に突入し、そこからは延々と270度ターンの連続。

周囲は真っ暗闇で、神経を摩り減らしながら恐々運転。隣ではのん気にクークー寝ている彼女(起きろよ) 釣りする前に死ぬかと思った。



しばらく行くと、ライトに照らされて看板が現れた。

は〜る ばる〜きたぜ〜石徹白川っ♪(←無理がある)
田舎者フライフィッシャーの技術がどこまで通用するか、やる気が沸々とわいてくる。

スキー場の駐車場をお借りして、車で一泊。目覚ましを6時にセットして就寝。


+++



朝、目が覚めて初めて目にした石徹白川は・・・・すごく普通の里川だった。
イメージと全く違ってしばし唖然。もっと水量の多い所だと思っていた。本当に、普通の川。三重県雲出川に印象が似ていて、遠くまで来た実感が沸かない。

車でポイントを探すが、人の多さにまたもや唖然。50m間隔か、それ以上の割合でフライフィッシャーがロッドを振っている。

『管理釣り場かココは・・・』率直にそう思った。

スキー場よりやや上流の流れ

人を避けて、少し上流に入る。50m程釣り上がるが魚が少ない。ライズを1度見たのみ。釣る前に抱いていた石徹白川のイメージ、完全に崩壊。


至る所にこの看板がある

人が多い所は、魚も多いのでは?いつもとは逆パターンの考えで、スキー場のすぐ上の田んぼ付近から川へ入る。流れの中をよく見ると、岩魚の姿がチラチラ見える。

ドライを数回流すが、全く無視だったので#14のビーズヘッドピューパ(黒)を鼻っ面に流したら、インジケーターがスッと沈んだ。


とりあえず1匹

これだけ人がいて釣れるって事は、魚影は濃いのだと思う。前の人に追いつくまで50mほど釣るが、チビ岩魚が1匹のみ。

スキー場の駐車場で朝食を済ませ、真下の小さなプールでライズしている魚を狙う。しかし、釣り上がっていく人達が何度も狙っているので、ドライへの反応はかなり悪い。


ココには何匹も魚がいた

しかし、再度ミッジピューパを沈めるとあっさりヒット。サイズの割には弱々しい手ごたえ。上がってきたのは26pの放流直後っぽいアマゴだった。


ヒレが丸いですねー

1匹釣れても、全く動じないで魚が数匹残っていたので、フライを魚のいる層まで送り込んで、目の前でスッと動かすと、慌てたように追い食い。


でかいシラメ?

C&R区間なので、放流はほとんどされていないのかと思っていたら、かなり成魚放流がされているようだ。

うーむ、と考え込んでいたら彼女もヒット。もう放っておいても一人で釣ってる。


15cmぐらいの岩魚




まさかこんなフライで釣れるとは・・・

もしかしたらと思い、管理釣り場で使うようなチャートリュースのリーチを沈めると、沈んでいく途中でこれまたあっさりヒット。

『マジで管理釣り場かココは・・・』ドライで狙う人がかなり多いのだろう。沈めるフライにはかなり無防備だった。


しばらく同じ場所で粘っていると、色々な種類の虫がハッチし始めた。ガガンボの数が多い気がしたので、フライをガガンボ・ラーバに変更して沈める。

かなりしつこく流すと、流れの中をウロウロしていたアマゴがヒット。

 ところで、この魚が問題。実は4枚上の写真のアマゴと、同じ魚なんですよ。家に帰って『ん?』と思い、よく見比べると朱点や黒点の位置が全く同じ。

1回目が釣れた時間が午前9:05。そして2回目が10:18。釣られても逃がしてくれるって分かってんのかな??


ハッチに伴い、ライズも増えてきた。
そろそろドライで釣りたかったので、パラシュートを結ぶ→無視  

フローティングピューパを結ぶ→無視

CDCダンを結ぶ→無視


ソラックスダン→ で・・・・。

ようやくヒット。これだよ。こういう釣りがしたかったのだよ私は!(←何者?)


ライズしている魚がまだいたので狙ってみる。おそらく岩魚。上に書いたようなフライは全て無視。かなり手ごわい。

こそこそフライを換えても太刀打ちできそうになかったので、フライを一気に#30までダウン。ティペットは10X。メチャクチャ本気です。俺。

一発勝負で魚の50センチ上流へキャスト。数秒流れたミッジがライズの中に消える。
すかさず合わせて掛けたが、カメラを出すのにもたついてバレる。今回一番悔しかった瞬間だった。


岩魚

岩を突付いている上のような魚は、何をどうしようとも無反応だった。

少しだけ上流に移動し、流れの中で定位している魚影を確認。ドライを投げると反応はするが食ってこない。
周囲にカディスの姿が多くなってきたので、エルクヘアカディス#14に変更。こんなメジャーすぎるフライでまさか・・・と思っていたら、数投目でヒット!

引きがかなり強く、岩の下に潜られたが、何とか引っ張り出したのは岩魚だった。サイズはそれほどでもないが、引きはかなり強かった。


20cmぐらい

その後、手の平サイズの岩魚を1匹追加したが、同じ場所で釣ってても面白くないので場所を移動。名前は分からないが、神社の近くの川は水量・水質とも極上だった・・・が、別荘地にするらしく急ピッチで工事が行われていて、トラックが引っ切り無しに走り回っていた。


良い感じの流れだったが・・

再度スキー場の上流から川へ入る。何人もの人が川の中を遡行しているはずなのに、魚影は確認できる。
しかし、見える魚は釣れないとよく言うように、近づいても逃げる素振りさえ見せない魚は、フライを完全に見切っている。

それなら見えない魚を釣ろうと、速い流れの向こう側など、人が釣り難そうなところにフライを叩き込んで、せわしくメンディングを繰り返す。


メンディングを繰り返してる時って、小学生の時の長縄跳びを回してる時が思い出されるのは俺だけか?(←お前だけだよ)


かなりがんばってフライを一箇所に留めていたら、フライがスポッと消えた。

アマゴは成魚放流っぽい魚が多かったが、岩魚は比較的綺麗な個体が多かった。引きも強い。

それと、今回から使用している3Mのウルトラ4フライライン。かなりいい感じです。新品なので浮力は良いのは当然ですが、メンディングがかなりしやすい。もう少し使ってから紹介します。


綺麗な岩魚

岩すれすれを流したら、岩に乗り上げるようにしてフライをくわえた岩魚。小型ながら素晴らしいプロポーション。


イブニングを狙えないのが遠征組の悲しいところ。5時前に帰路に着いた。


初めて体験したC&R区間。最も驚いたのは魚の数でも大きさでもなく、人の多さだった。決して交通の便が良いとはいえない山奥に、県外各地から人が集まっている。

石徹白川はC&R区間の可能性と、釣り人からの支持、問題点など色々な事を教えてくれる川だと思う。

今の段階では川の規模のわりに人が多すぎるが、区間の延長が実現すれば、さらに良いフィールドに成長するだろうと思った。


がんばれ石徹白川!

p.s 帰り道、長良川本流の相戸堰堤上流に立ち寄ると、ちょうどイブニングの時間だった事もあり、ライズの嵐! 10個ぐらいのライズが同時に起きている。
20分ほど凝視していたが、アマゴかどうかは不明。オイカワかカワムツのライズだと思うが、もしかしたら・・・・。
知ってる方、教えてください。気になって眠れません!


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