9/18 三重県 宮川


おそらく、今年最後の宮川釣行。


ここ2週間ほど、三重は雨が降ったり止んだりしているので、渇水の心配は無いだろうと思いながら宮川のダム上の谷を目指した。


ダムを超えてしばらく行った所にある食堂で券を購入。(宮川は年5〜6回しか行かないので年券は買っていない)



『今年も、もう終わりですねー』

『そうですね』


無論、年が終わるわけではない。あと2週間足らずで渓流釣りは禁漁期に入る。
管理釣り場のおかげで、禁漁期でもフライを楽しめるが、やはり自然渓流との半年の別れは寂しいものがある。

誰かが言っていた。

『禁漁期があるから、解禁日のあの喜びがある』

なるほど、確かにそうだ。
そんな事をぼんやり考えながら、上流を目指す。


しかし、秋雨前線の影響か、宮川村地域一帯では、ここしばらく断続的に雨が降っていたのだろう。至る所で小規模な落石、土砂の流出が見られる。

 今回目指していたのは、父ケ谷(今回は谷の名前も全て公開)だったが、道中はRV車でも辛い悪路。晴れていても危険な道だが、雨が降った後はもっと最悪になる。
轍は小さな川のようになり、落石の危険も高い。


『釣りは安全に楽しむ』がモットーの自分、少しでも危険がある場合は無理はしない。
目的地を入溪しやすい桑木谷に変更する。


水量、水質共に申し分ない。ビールを石で固定して流れに沈めてから釣り開始。

このサイズがポンポン飛び出してくる。しかし、気になる事が一つ。

『どう見ても最近放流された魚だよなぁ・・・』

宮川の放流がいつ行われるのかは詳しく知らないが、ヒレの丸まった稚魚が釣れてくる。とりあえず、そのポイントは無視して上流を目指した。




しかし、反応が無い。


水量も多めで、濁りも無い。シーズン終盤の宮川、しかも入川しやすい支流なんてこんなものかと思って遡行を続けた。

しかし、大岩を迂回する時、ここを踏まなければ向こうに渡れないというような場所の砂地で、真新しい足跡を発見。
ダム上の道路が濡れていた事から、昨日雨が降ったのは確か。しかし、砂地についた足跡は綺麗に残っている。


『早朝に先行者が入ったか・・・』


まぁ無理もない。
まだ日中は30度近くまで気温が上がる時もある。早朝が勝負なのに10時過ぎに釣ってる自分が悪い。

やっぱり釣れてくるのはこのサイズ。でも釣れたらやっぱりうれしい。

車を停めた場所まで引き返して、冷やしておいたビールを取り出す。
適当な木陰に腰を下ろして、ビールを喉に流し込む。


風がめちゃくちゃ気持ちいい。

しばらく座りこんでボーっとしていた。


汗が乾いた頃に車に乗り込んで移動。ダム下の大熊谷を目指す。
この谷はダム下ではかなりメジャーなポイントだ。
入川しやすく、何より水質が抜群に良い。

いつもなら少し上流から入るが、思い切ってかなり下流から入った。他の釣り師と同じような釣り方では、釣果が望めないと考えたからだ。


フライを流す。ポツポツと反応がある。しかし、時間が悪かったのか、太陽の位置の関係でフライが見えにくい。
悪戦苦闘しながら、流れが細く集まったポイントにフライを流した。
1秒・・2秒・・・フライがナチュラルドリフトし、飛沫が上がった。

即座に軽くロッドを立てる。絵に描いたようなフッキングが決まった。



ようやく、宮川らしいアマゴに出会えた。

この魚を釣ったら、急にやる気が無くなった。
いや、違う。『満たされた』と言うべきだろう。初めから大物を釣りに来た訳でも、爆釣を求めてこの川に来た訳でもない。

『半年の別れを告げにきた』

この表現が一番近い気がするなぁ。

ふと、自分の目の前の光景を写真に収めた。






どうして、こんな場所をひたすら登っているんだろう? 片手にロッドを握り締め、水の中を息を切らして歩きながら。
冷静に考えると、おかしな事をしてますよね。魚を釣るだけのに、なんでこんな苦労してるんでしょう?


ま・答えは分かってるんですけどけどね。




『それだけの価値がある』楽をして釣っても、意味が無いのだと。



川から上がり、帰路につく。

気が付けば、もうこんな季節。とりあえず、渓流と半年間のお別れだ。




ま・今回はギャグ無しって事で


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