ホームページを開設してから約4ヶ月、色々な方達から、釣り場に関する情報を頂いてきました。
その中でよく耳にしていた釣り場の一つが『くろや』
他のサイトの掲示板や、頂いたメールで
『50pオーバーがウジャウジャいる』とか
『ロッドを折られる可能性あり』とか
『ティペットは標準で4X』など、にわかには信じられない情報が飛び交ってたので、以前から機会があれば一度足を運んでみたいと思っていたのですが、友人(初心者)と釣りに行く約束をしていたので、『自分の目で確かめに行くべ』と今回の釣行となったわけです。
出発前夜、荷物を積み込みカーナビをセット。
表示された目的地(くろや)までの距離を見て、やれやれ・・・。
片道200km
高速道路が使えない貧乏人には、厳しい数字がはじき出されました(ーー;)
朝の4時30分。不覚にもドキドキしてほとんど眠れないまま自宅を出発。
岐阜の吉牛で朝飯を済ませ、一路くろやへ。
省略しますが、くろや周辺まで来て思いっきり迷いました(泣)
だって、目印のペンション見過ごしたうえに、看板倒れてるんだもん・・・
『本当にこんな所に釣り場があるの?』と
ドキドキしながら道を進む。
4時間のドライブの末、『くろや』に到着して最初の印象は、『少し狭いなぁ』。
お世辞を言っても仕方ないので、見たままの感想です。初心者だったらロングキャストの必要がないのでいいですが、キャストしたい人には物足りないかもしれません。
噂に聞く『デカイ』というのは本当だろうか。池に近づいて覗き込む。
・・・・・・。
お世辞を言っても仕方ないので、見たままの感想を言いますね。
鯉の池
実際、鯉も泳いでたのには笑えた
少し見難いかもしれませんが、黒い物体は全て魚。アベレージは軽く40pは超えてるでしょう。中には70pはある魚体がウロウロしていて、『デカイのばかり』という話は本当だった。
ツレのタックルもセットして(まだ一人でできない)いざ釣り開始。
ティペットは4xが標準という話だったが、朽木や大安トラウトレイクでは6xで十分大物をあげているので、自分は5x、友人は4xのティペットを結んだ。
土曜だというのに、客は自分達を入れて6〜7人。この人数ならのびのび釣れそうだ。
二つある池の、上の池の方で釣り開始。水深は深くて1mぐらいか?
しばらくして、友人が叫んだ
『きたっ!』
と、同時に魚が猛ダッシュ。響くリールの音が普通じゃない。
通常、リールの回転音なんて『ジーーッ』ってのが普通。デカイ魚が掛かって、ライン引き出される時でも『ジーッ! ジィィーーーッ!』ぐらいなもんです。
しかし、ここの魚の猛ダッシュによって発せられるリールの音は
りゃあああああああああぁぁ!!!
みたいな音がしてんの。『ギ』とか『ジ』で始まる音じゃないんですよ。
突然、異様に甲高い音が発せられるのには驚いた。てゆーか笑えた。普通のリールの音じゃなくなってるんんだもん。
友人の5番ロッドがフリーストーンみたいに曲がっている。
友人が叫んだ
『うわっ!無理! これは無理って! 代わって!!』
正直、絶対寄せれないだろうと思って見ていたが、あまりの諦めの早さに絶句。
写真見てもらったら分かるように、池の真ん中にでかい石が置いてあるため、魚がこの石を回り込んで走ると、ティペットどころかフライラインが切られる恐れがあるため、ロッドをチェンジ。
隣にいたおっさん(←オイ)に友人がネットを借り、ランディング体制に入る。
走る |
暴れる |
しかし、くろやのニジマスは、ここからが違った。
寄せてくる、ネットを構える。するとまた猛ダッシュ!
りゃあああああぁ!
石に回り込まれないように、自分もダッシュ
ダダダダダッ
寄せてくる、ネットをかまえる。『観念しろ!』
りゃあああああぁ!
・・・ダダダダダッ
走ってて思った
俺、釣りしてるんじゃなかったっけ?
どうにかネットですくい上げる。
このサイズでおそらく平気より少し大きいぐらい。 写真には映っていないが、ヒレが伸びた素晴らしいコンディションの魚体。 水温は夏だというのに驚くほど冷たい |
こんなに走り回って魚釣ったの初めてかもしれません。一匹釣るだけで疲れる。
5xのティペットを4xに交換する。人のアドバイスは素直に聞こう!(←お前がな)
『やれやれ、疲れた』と思っていたら
りゃあああああぁ!
向こうで釣っていた兄ちゃんが、こちら側に走ってくる。
・・・ここって、走って魚釣る所なのね。
邪魔にならないように、ラインを回収する。池がそれほど広くないので、一人がでかい魚を掛けて、走られた場合、他の釣り師はそれを傍観するしかない。
無視して釣りを続けたら、絡まるのは目に見えている。
釣り客全員が、チームプレーで魚を釣る。そんな感じの釣り場だと思った。
人が多い時なら、知らない人にランディング手伝ってもらったりするんじゃないでしょうか。一人だけで勝手な釣りはできない所だと思います。
このぐらいのサイズでも、簡単には寄ってきてくれません。 しかし、このヒレの回復具合はどうなんでしょう? 恐ろしく綺麗なプロポーションの魚ばかりです。 |
しばらく釣りを続けるが、アタリが少ない。水の透明度が高く、水深が浅いので、フライへの魚の反応が目に見える。
フライをあれこれ交換するが、今ひとつパッとしない。
ここへ来るきっかけとなった、TROUT・WINDOWさん(※東海地区のフライフィッシングサイトの大御所)にメールで教えていただいたフライを取り出す。
前日、時間が無くて1本しか巻けなかったのだが、正直、このフライにそれほど期待はしていなかった(T・Wさん、本当にごめんなさい)
と・言うのも、個人的に教えていただいたので、詳細は書けませんが、『釣れそう』とはどうしても思えないフライなのだ。
このようなフライがあるのは知っている。しかし、巻こうとは思えない。持っていたとしても気分転換ぐらいでしか使わないだろうという、そんなフライ。
しかし、T・Wさんは、以前ここで開かれた釣り大会で優勝している。ダメもとでフライをキャストすると、信じられない光景が・・・。
今までのフライだと、完璧に無視される(ひどい時は逃げる!)寄ってきても30p手間で反転されるのだが、なぜかこのフライだと、魚が数匹寄ってくる。
一度バラシ、もう一度手前に落とすと、いとも簡単にフライをくわえた。
と・思った瞬間、一気に猛ダッシュ! 4xのティペットをいとも簡単に引きちぎり、T・Wさんお薦めフライと共にさようなら。
こんなことなら、20本ぐらい大量生産してから来ればよかったと後悔するが、後の祭り
人が薦める、しかも腕の立つ人が使うフライは、やはり半端じゃない効果を発揮するようだ。次来るときはいっぱい持って来ようと思う。
他のフライでも時々釣れるが、流れ込み付近で釣っている二人組みに比べ、釣果は3分の1程度。
競争しているわけではないが、やはり悔しい。
昼までに二人合わせて5匹ぐらいだろうか? 腹も空いてきた。 それよりも日差しが強く、体力的にも辛い。釣れないという訳ではないが、向こうの二人組みと比べると、明らかに『釣れない』 左の写真の一匹を追加して、俺は決心した。 |
『アレをやるか・・・』
やろうとしている技は、フライフィッシャーの最終奥義
『釣れなくてもロッドを振ってるだけで楽しかった』
『どうせ逃がすんだから・・・』
『ライズが無くて』
これらに匹敵する大技だ。しかも、消費する精神力はこれらを上回る。
ふーーっ・・・気持ちを落ち着かせる。
おもむろに、二人組みに近づく。二人組みもこちらに気付く。どんどん近づく。
Fly High Fisher俊・切り札を発動
『スイマセーン!
どんなフライ使ってるんですかー☆』
・・・そう、別名『敗北宣言』
ポイントは笑顔と爽やかさ。ベッカム並みのオーラを放ちつつ、フレンドリーに話しかける。
ここまで釣果が違うということは、フライに差があるとしか思えない。
水深も浅く、タナが合っていないという事もあるまい。考えられるのは一つ。フライだ。
一体何を使っているんだ? エッグか? ウェットフライ? 意表を突いてミッジとか?
実はドライフライなんて事は無いよな?
返ってきた答えは
『いや・・・普通にマラブーですけど・・・』
ごふっ!俊は20ポイントのダメージ
ば・ばかな!そんな超ノーマルなフライで??
ハッ!さては色か?そうに違いない!白? 黒?
もしかしてピンクとか紫とか、普通は使いそうに無い色なのか??
『ま・マラブーですか?(←動揺を隠せない)
どんな色のを使ってるんですか?』
『う〜ん・・・』二人組み、顔を見合わせる。
やはり秘密はそこにあったか。一体何色なんだい兄さん達!
『これといって色は決まってないかなぁ。
いろんなカラーを使ってますよ』
げふっ!俊は180ポイントのダメージ
『それより、場所だと思うんですよねー。
水の流れ込みのポイント、下の池にも
数箇所あるんですが
そこ以外はあまり釣れないんですよね』
ぐはっ!!俊は1万ポイントの大ダメージ
お礼を言って、ひとまず昼飯を食いに車へ戻る。池が狭いからほとんど一箇所で粘っていたのがいけなかったようだ。ポイント選びをすっかり忘れていた。
青のニュービートルに乗っていたお兄さん達、アドバイスありがとう。この場を借りてお礼申し上げます。
くろやから車で10分ぐらい走った所に、道の駅のような場所がある。そこの『ぶっかけ冷やしうどん』
期待してなかったが、コレが意外とうまかった。
昼飯を終えて釣りを再開。
上の池の流れ込み付近は、場所が無いので(二人組みが釣ってるから)下の池に移動。フライを流すと今までとは明らかに反応が違う。
ネットは事務所で借りれますが、穴が開いているのが多い。 こんなサイズばかりすくうんだから、当然かもしれないが、一匹釣りあげるのに、本当に苦労する。 このサイズで50pぐらい |
ここの魚の面白い点は、掛かった時の反応。
掛けてから数秒はモタモタしたファイトで、意外とすぐ寄せる事ができるんですが、近くまで寄ってくると
『あ・・アレ? もしかして俺、釣られちゃってる??』と言ってるかどうかは知らんが
スイッチ・ON・本気モード みたいな感じで、一気に火が付いたみたいにダッシュするんですよね。面白いんですが、ラインが手首に絡んでたりしたら、火傷しそうな勢いで走ります。
これで60pぐらいだと思いますが、6番ロッドが完璧に根元から曲がります。虹鱒というより、スチールヘッドに近い顔つき(釣った事ないけど)
『くろや』、最初の印象では『少し狭い』だったんですが、とてつもない魅力を秘めた管理釣り場です。このサイズがポンポン釣れる場所は、そうそう無いです。
管理人の自宅からだと、やや遠いのですが、近くに住んでる方は是非一度足を運んでみてください。
料金も3500円、しかも一度行けば、前回の釣り券が500円割引券として使えるので、価格も良心的です。
最後に、貴重な情報を提供してくれたTROUT・WINDOWさん、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。