FOX Fire
クイックジップU ウェーディングシューズ





買うんじゃなかった・・・。







 いきなり身も蓋もない事を言っちゃってます。

 しかも、今更2009年モデルのレビューとか書くあたり、このサイトがいかに空気の読めないサイトか、よくお分かりになるかと思います。


 もはや店には置いておらず、買おうとしてもオークションで中古を探すしか方法はないかと思いますが、買った当初からレビューを書こうと思い続けていた品でもありますので、誰も期待していないレポートを書きなぐりたいと思います。


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 購入したのは2009年の2月。今年(2012年)で、3年目のお付き合いでございます。

 購入の決め手は、いちいち説明するまでもなくジッパーを使った着脱の容易さ。
 当時、世間のクイック・ジップTの評価も踏まえて、これ以外に選択の理由はありませんでした。せっかちな管理人、ウェーダーとウェーディングシューズを穿いたり脱いだりする動作は、フライフィッシングの中で1・2を争うイライラする瞬間でもあり、一度はブーツフットに手を出しましたが、やはりグリップ力や歩きやすさは、ストッキングタイプのウェーダー+シューズが遥かに上。ブーツフットタイプを使ったのは、後にも先にもその1回だけになるでしょう。

購入を急いだ理由は、夏の釣りではウェーダーではなく、ゲーターと速乾パンツという組み合わせへ全面的に変更する事にしていたため、2009年当時は「着脱しやすいシューズ」が、シーズン初期から喉から手が出るほど欲しかったわけです。

念願かなって購入したクイックジップU ウェーディングシューズ。
着脱の容易さ。これは確かにその通りでした。
それまで使った中で、最も穿きやすく、この点に関しては、従来のシューズより多少は快適だったことは否定しません。














自動的に開いてきたけどな




これは不良品じゃないかと思った時もありましたが、毎回勝手に開くわけではなく、釣行1〜2回に1回の割合で発生(←ほぼ毎回じゃねーか)したため、「これは仕様なんだ」と開き直って使ってた時もありました。

ジッパーをしっかり上まで閉じていなかったのでは?

そう思ってグッと力を込めて閉めても、やっぱり勝手に開いてくるジッパー。ずるずる落ちてくるジッパー。最終的には、釣りが終わって手でジッパー下げなくてもシューズが脱げる、「オート・オープナー機能」だと自分を言い聞かせて使ってましたよ。ええ。

2万出して買った新品シューズ。「失 敗 だ っ た・・・」と思いたくはない。これがレビューが遅れまくった理由の一つです。




加えて、5回程度使った時点で「ん??」と思った現象。










生地の糸が凄くほつれる

「どんなシューズでも、多少のほつれはあるよ」と言われそうですが、このシューズのほつれ方は半端じゃありません。

ソーメンか!と言いたくなるほど、はらはら解ける白い糸。何が恐ろしいって、購入当初から3年経っても、まだ上の写真のようにほつれるのが止まらない事。
しかも、この糸がジッパーに巻き込まれてしまい、ジッパーの上げ下げが固くなることもしばしば。なんのためのジッパーだ。


男性諸氏なら中学・高校生位で経験した事があるかと思いますが、その惨状は、×××の皮に巻き込まれる●ン毛かと見間違うほど。なんかとんでもない事を書いてる気がしますが、大丈夫んなんでしょうか(←お前の頭がな)

あ!今も巻き込まれるって人は、早く病院へいt(略)

毟り取ってやろうかと思った時もありましたが、それをやるとシューズ自体が分解しそうだったので、クリッパーでチマチマ切ってました。
ただ、怒りより先に、ある疑問を抱いたと言うのが正直なところで、それは、「メーカーはなぜ、こんな事に気付かないのか」という事。


 実際の川で使い、その都度乾かして、それを10回も繰り返せば、この程度の欠陥はすぐに分かるはずです。2週間のフィールドテストで十分です。ジッパーが自然と開いてしまうなんてのは、2〜3回使えば気付きます。

FOX Fireと言えば、言わずと知れた日本のフライフィッシング界のドン、ティムコが展開するブランド。
試着はできても、実際に水の中で使ってみることが出来ないウェーディングシューズ。見た目とサイズ以外は、そのメーカーを信じるしかありません。

スキー用具やキャンプ用品等、アウトドア系のアイテム全てに共通する事ですが、実際にフィールドで使って確かめるしかない道具であるウェーディングシューズに関して、少なくともFOX Fireは、管理人のメーカーに対する信頼を完全に裏切ってくれました。

ついでに欠点をもう一つ。そろそろ書く気も失せてきたけど。

全然水が抜けない水抜き穴と、やたら吸水するシューズの生地。

スポンジで出来てるのかと思うほど水を吸いまくり、やたら重くなる生地。上記のほつれる問題に加え、なぜこの素材を採用したのか全く理解できない。
加えて、川から上がって林道を歩いていると、いつまで経ってもチャップンチャップン、水が抜けず足の裏で不快な感触が続く変態仕様の水抜き穴。
重い・不快・足の裏の水が温まってきて痒い、もう不快指数はMAX。
しょうがないので、シューズを脱いで水を出そうとすると、チン毛が絡まって下りないジッパー。(←さらっと言っちゃってるよ)

何これ?嫌がらせか何か?



もう怒った、レビューで酷評してやると思ってたらですね、2010年には「クイックジップV・ウェーディングシューズ〜上部をベルクロタブで押さえる新構造を採用〜」とか言ってんの。



気 付 く の が 1 年 遅 い わ!!





とか思ってたらですね、あららら、2011年には「クイックジップW・ウェーディングシューズ〜膨大な人数の日本人の足型を採取して作製したラスト(木型)を・・・〜」だと?

スマホじゃあるまいし、1年ごとにモデルチェンジすんな。それなら2年ぐらいテストしてから発売しろよ。
最低でも1年(1シーズン)は使わないと、フライフィッシング関係の道具の本質なんて分からないというのが信条の管理人だが、これだけコロコロマイナーチェンジされたら訳が分かりません。
新発売時のセールス記事を調べると、「フィールドで徹底的に使い込んで開発した・・」という記載が見られるが、絶対ウソです
むしろ、この程度のテストしか出来ないなら、フィールドテスターを交代させるすべきでしょ。


色々書きましたが、致命的だったのはやはり勝手に開くジッパーでしょうね。
太田切川の上流で、かなり大型の堰堤を巻く時(分かる人には分かるでしょう)、斜面で谷側(下側)で踏ん張ってた足のシューズが「ガボッ!」と脱げた時は、流石に死ぬかと思った。

VになろうがWになろうが]になろうが、残念ながらこのメーカーのウェーディングシューズを買う気にはもうなれません。
アクアシールと角切りフェルトを使って、ウェーディングシューズはどれも2〜3回はソールを張り替えてましたが、一度も張り替えずご引退頂くのはこのシューズが初めてです。


一応、良かった点も書いておくと、つま先とかかと部分に打ち込まれた金属スパイクのおかげで、フェルトの摩耗が少なかったこと。生地のほつれ以外は、全体的に耐久性が高かったこと、肝心のグリップ力については、特に滑りやすいとか硬すぎると言った不具合は無く、そつなく使えたことでしょうか。


〆の言葉として、「ジッパーが無い方が、良かったんじゃないの?」と書こうとしてたんだけど、出てるのね(汗)
現時点で最新版のWは、特に不評を見ないので、よろしいんじゃないでしょうか。



おまけ

 今回のシューズから先々代の愛用品。アングラーズハウスのクロロプレーンウェーディングシューズ。

 柔らかく、特に岩をよじ登る釣りには良かったが、吸水性があって重くなりやすいのと、素材(表生地)の耐久性が低いのが難点だった。しかし、マジックテープとプラスチックバックルで着脱する方式は、シンプルで足首の自由度が高く、管理人はソールを3回張り替えて愛用した。

 名品だったと思うが、当のアングーラーズハウスは倒産し(汗)、商標やロゴはちょっと怪しい別会社に引き継がれ、今は買う気が起きない。
違うメーカーから似たような商品は出てるが(多分、製造元の業者でしょう)、なんかね。

次何買おうかな・・・。

 


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