DYNA-KING
シュープリーム・バイス
今更お薦めとか言うまでも無く、世界的に高い評価を得ているダイナキング。 バイスの王様、最高峰と言うよりは、バイスのグローバルスタンダードと言うべきか。 『フライタイイング用のバイスとは、このような物を言う』って感じで、当たり前の機能が、何の問題もなくスムーズに動作する。フックを挟む、回す。 文字にしてしまえばたったコレだけの機能。安物のバイスでも、簡単に実現できる機能である。 しかし、何百本・何千本とフライを巻くうちに、#30のフライを巻く時に、その差は決定的に表れるだろう。 |
8年間、安物を使い続けてきた管理人が、このバイスを初めて触った時、まずその精度の高さに驚いた。安物のバイスがペンチに毛が生えたような物だとしたら、ダイナキングは鋭利な刃物といった印象。
『当たり前の事が、当たり前に出来る』釣りでもそうだが、これが一番難しい。
動作はスムーズという表現よりも、あえて『鋭い』と言いたい。多くのフライフィッシャーが賞賛するのは、当然の事だと思った。
・・・
『じゃあワザワザこんな3流サイトが紹介するなよ』とか『お前に言われんでもわかっとるわアホ!』とか『こんなサイトで紹介すると、かえって逆効果』などと言われそうですが(汗)、このバイスを入手する前に調べた限りでは、詳細レポートというか、細部まで説明してくれているサイトがほとんど無かったわけです。
で、ダイナキングをこれから購入する方々のために、少しでもお役に立てればと思い、このコンテンツをアップしました。
別に彼女からのクリスマスプレゼントだから(まぁ、その後めでたく配偶者に昇進?しましたが)ではありませんので、御了承をお願いします。
真面目な書き出しで始まりましたが、やっぱりこういうノリのほうがFly High
Fisherには似合ってますね(泣)。
では、どうでもいいような細かい部分までレビュー開始!
バイスの命・ジョー。(立つんだ! jy・・略) ダイナキングバイスのジョー先端は、ギザギザの溝が付いてます。ジョーの中央付近にある凹みは、大型のフックを固定する時に使用するそうですが、ソルトでもやらない限り、あまり使うことは無いかも。
ダイナキングの特徴として、フックを挟むテンションは、この先端部を回して調整します。絞めこめば当然、強く挟む力が働きます。
レバーを上に上げた状態で回すと調整し易い。
そして、先端部をどんどん緩めていくと、スコッと外れて、ジョー部分を引き抜く事が出来ます。 誰にでも簡単にジョーの交換が可能。 当サイトの閲覧者の方も言っていますが、別売りのミッジジョーの方が、日本で使うフライには向いていると思います。 |
フック・サイズ22から8/0に対応。・・・って、8/0?!。ティムコのカタログに載ってるソルトウォーター用フック4/0でも、泳いでる人間が釣れそうなデカさがあるぞ!?
ちょっと日本ではオーバースペック。マグロでも釣るんでしょうか? しかし、#22以下のフックが固定できないのかと言えば、そんな心配は全く無用。
TMC2488の#30
余裕。指で弾いてもピンピン音します。因みに海外のフライ用品通販のサイトでは、10/0以下なら全てカバーできるみたいな事が書いてあります。
今まで使っていたグレインのクソバイスは、#20以下のフックを固定しようと思うと、ミシミシミシ!って音がするぐらい力を込めても、スレッドを巻いた瞬間、『カクン』ってずれるか、ジョーからフックが弾け飛びましたので、それと比べりゃ月とミドリガメ。
しかしまぁ、良く出来てますわ。
英語の勉強の時間です
説明書に度々登場する”Notch-Lock”というダイナキング登録商標にもなってる構造。
レバーのカム部分(CAM=回転運動を往復運動に変える装置)、つまり
→の部分に、浅い溝が掘られているため、手の力加減ではなく、ジョーに力を伝える部分は常に一定のポジションに保つ事が出来る。
説明書にも書かれていますが、同じサイズのフックでタイイングを続けるなら、何の調整も無く、次から次へフライを巻くことが可能。
カム部分。Notch-Lock(英訳:切り目による固定?)この溝がポイントらしい。
ダイナキング入手前に、自分が一番気になった部分。奥のつまみ(→)は、ロータリー機能のテンションを調節する物だと想像できたが、手前のネジ(→)は何に使うんだ?と、ずっと気になってました。シュープリーム以外の機種にも大抵付いてましたので。
→は予想通り、ロータリーのテンションを調整するもので、正式名称は”ロータリー・ロック・スクリュー”と言い、タイイング中でも簡単に調整でき、きつく締めれば、ロータリー機能をロックできます。
→は付属の六角レンチで回すのですが、コレを締めてもロータリー機能を調整できてしまう。しかし、→と違う点は、ロックのテンションが掛かる箇所が1箇所である事。
つまり、このネジを少し締めてジョーを回すと、バイスを正面から見て12時の角度でのみ、テンションがかかり、他の部分では滑らかに回転する。
・・・文字にすると説明が難しいな。
あんまり使わない機能だと思うので無視しましょう。(イイのか?)
さて、この他に気になる部分。
高さを調整するためのリング(?) 六角レンチで固定する。 台座部分のロックスクリューで十分じゃないかと思ってしまうが、クランプ型に変更する時に必要になる部品かもしれない(スゲー適当) コレがあるとデザインに重厚感が出るので、まぁいいか。 |
右の写真、このビスの存在理由がわからない。シュープリームはヘッド部分がナットで固定されているので、ネジ側の脱落防止か? 緩めても外しても、特に何も起こらないのが余計気になる。お前、一体何者? その下に少し写っているビスは、緩めるとヘッド部分が回転する。 これも台座部分のロック・スクリューの調整で十分だと思うが・・・。 |
さり気なく、色々な部分が回るように作られている。説明書にも載っていないので謎は深まるばかり。
日本語の説明書は無いのかね?(←何様?)もしくは有識者が訳したものとか。
欠点らしい欠点が見当たらない、本当に良く出来た工芸品。
レンゼッティ・バイスのように、フライを水平軸に回転できないのは、仕様だから欠点だとは思っていません(仕様だからしょうがない・・・ぷっ!)。
バラクーダーシリーズもありますから、そっちを買えばいいだけの話です。
価格は安いとは言えませんが、ダイナキングを買っておけば、数十年はバイス買い換える必要は無いかもしれません。ジョーは消耗品だと思うので、使っていれば磨耗していきますが、その他で壊れそうな箇所が見当たらない。ついでに言っておくと、10年以上使ってますが、何の不具合もなく、ジョーも交換していません。先端がへたっても、裏返せばジョーはまた使えるので、最低20年以上は使える計算。心底凄いと思う。
初心者の方には、最近発売されたキングフィッシャーというロープライス・モデルがあります。実際触ってみましたが機能的には十分だと思いました。
ヘッドの高さと角度は固定ですが、これからフライタイイングを始める方には、お薦めです。
あっ! あったぞ!! これだけは残念っていうポイント! ちょっと皆さん、見てくださいよ。これは納得できませんって!
シリアルナンバー
もうチョットで"3456"のゾロ目だったのにっ・・・!
ダイナキングホームページ
ダイナキングバイスの購入はこちらから
上記画像、管理人の使用モデルは”シュープリーム”です。
p.s ダイナキングと共に、フライフィッシャーから高い支持を得るもう一つの”至高のバイス”その名はレンゼッティ。
『ダイナキングか、レンゼッティか』
そう迷ってこのサイトを訪れた人も多いだろう。管理人は一度だけレンゼッティを触った事があるが、完成度の高さ、美しさ、こちらを買っても失敗したと思う事は無かったと思う。
自分がダイナキングを選んだのは、水平回転機能が特に必要なかった事と、フックを挟みやすかったから(レンゼッティは、構造上どうしてもレバーがアームの下になるため)
つまり、ダイナキングの方がノッチロックシステムと相まって『大量生産』に向いていると感じたからだ。
一方、レンゼッティは回転軸とフックのシャフトが水平のため、ロータリー機能でフライを水平に保ったまま回転させる事が出来る。
1本のフライをじっくり巻きたい人は、レンゼッティが向いていると思う。