2015年11月3日 三重県
安濃川発眼卵放流
2005年から始めた発眼卵放流も今回で10年目。
豪雨災害で放流できなかった年もあるので10回目の放流ではないが、この手の活動は10年単位で続けてこそ意味がある。
募金箱の設置や有志団体(NPO等)を立ち上げたはいいが、3年ぐらいで休眠するケースはジャンルを問わず非常に多い。管理人が原則として一人で放流できることを最低限の目標としているのは、大きな組織になると動きづらくなるデメリットを避けるためと、活動を末永く続けるためだ。
今回の放流、ここ数年続いている事だが、とにかく「暖かい」のが気になる。紅葉も遅い。
放流場所へ移動する際見かけたアマゴ。悠々とライズしています。禁漁から2か月たってるけど、余裕で釣れそうな?
途中、通行止めになっているので放流場所へは徒歩で移動。1万粒程度の放流であれば、荷物は一人で運べる量です(※今回の放流は5000粒)。
支流との合流点。
いつもは水温が低く、雨が降っても濁りが出にくい支流(画像右下の流れ)に放流するのだが、昨年、上流でとんでもない規模の工事をやってくれましてね、卵が土砂に埋もれかけた苦い経験があるので、慎重に放流場所は決めなければならない。。
その前の年は、本流のかなり上流部で大工事があり、川全体が泥濁り。
安濃川での発眼卵放流成功のカギは、 どこで工事があるか を見極めることが9割を占める(汗)
今回も死卵の混じっていない良質な発眼卵を入手できました。
放流ボックスをカゴに入れ、石で囲んで流失防止用のロープを張って終了。我ながら慣れたもんです。
2016年2月21日、ボックス回収。
定期的に様子を見に行っていたが、気温も11月〜12月中ごろまでは本当に暖かい日が続き、ボックスの下部でゴニョゴニョ動いている稚魚が非常に気になった。
これだけ暖かいと稚魚の成長が早まるし動き回る。卵のうの栄養分をすぐ使い果たすので、成長が早すぎると1月とか変な時期にボックスから出てしまう。
嫌な予感は的中し、回収したボックス内は死卵しか残っていなかった。
心配なのは、1月後半はそれなりに寒い日が続き、そのような状況でボックスの外へ出てしまって大丈夫なのか、餌はあるのかという事。
暖冬の影響で餌となる虫も育っていれば良いが、こればかりは仕方ない。
稚魚が無事生き残ったかは、6月ごろに判明するだろう(フライに出るようになる)。
これは、発眼卵放流に限った事ではなく、日本中の渓魚に言えるとこと。
遅くに産卵する個体の子孫が増えてくると、アマゴや岩魚の生態自体が変わってくる可能性がある。10年後にはどうなってんだか・・・。悪意を含む表現