自分をじっくり見つめよう


みなさん、自分の釣ってる姿見たことありますか?


他人が釣ってる姿はよく見ます。でも自分が釣ってる姿ってのは、自分の手や腕など限られた部分、つまり一部しか見えてないんですよね。
一番近くにいて、一番長い時間見ているはずの自身の釣りをしている姿。

極論すれば『釣りしてる時、自分は一体どんな顔して釣ってるのか』・・・・すごく知りたくないですか?




そんな俺に頼もしい相方が現れた。その名をカメラマン

といっても、プロな訳ありません。まだ自然の川でフライをやったことの無い友人に、キャストやポイントを教える代わりに『お前釣ってない時に撮ってくれや』と

まぁ・ただそれだけのことなんだけどね






これはいわばギブアンドテイクってやつです。
教える代わりに俺の言うこと聞けよ・と。
越後屋と悪代官みたいなもんですわ(←違うだろ)



とりあえず釣り開始。この友人、昔テレビ局でバイトしてたんで、実は密かに期待してたんです。頼むぜ! バッチリ撮ってくれや!!



ジー・・・(←撮ってます)





ジー・・・・・・(←撮ってます)






(汗)






ジー・・・・・・(←撮ってます)






(汗)(汗)






ジー・・・・・・・・

 

 

 

すげープレッシャー


いやもう、岩井溪○一郎の気持ちが少し分かったよ!

だって


  1. 釣らなければならない
  2. 引っ掛けてはならない
  3. 綺麗にキャストしなければならない
  4. 真面目な顔をしなければならない
  5. くしゃみできない
  6. 鼻くそほじれないetc…


かっこよく映ろうとする見栄と、初心者の友人のお手本。この二つを同時にこなすのは今の俺には至難の業。『撮られている』ってのがこんなに緊張するとは思いませんでした。橋の上から見られている緊張×10って感じ。そんな心理状態で釣ってるもんだから、やはり後ろの木に引っ掛けてしまいました。




チックショー・・・ザバザバ。    フライを回収に向かう。

ん??





ジー・・・






『おいおい撮らなくっていいって!』  




ジー・・・  



??聞こえねーのかな? 『テープもったいないから止めろって!』   ザバザバ。友人に近づく。







「……」  ん?    何か言ってる。   さらに近づく。







『なにやら引っ掛けた模様です』













 実況レポートはしなくていいから!!(泣)



 その後ロッドを友人に渡し、レクチャー開始。一回でも初心者に教えた事がある人なら分かると思いますが、フライは特に教えるのが難しいんですよね。

この友人も何回か管理釣り場に連れて行ったことはあるんで、キャストは出来るはずなんですが、6番ロッドと3番ロッドのギャップに加え、ここは自然渓流。そう簡単にはいきません。




『ロッド倒しすぎだって! 後ろの草に引っ掛かるぞ!』

『ロッドをきちんと止めないからループが乱れるんだって!』

『そんな所にフライ落としたら岩に引っ掛かるって!』

『もっと手首を固定して、脇しめろって!』




『カワムツ釣れたぐらいで
『ケ○・フィッシュオン!!』
て叫んじゃダメだって!!(泣)』


まぁ色々苦労します。教えるのにあれこれ言い過ぎるのは良くないのは分かってるんですが、中途半端にできるもんだからつい口を挟んでしまうんですよね。

ちなみに、初心者にキャスト教える時に一番手っ取り早い方法は、故・西山氏の提唱していた『サイドキャストから始めてだんだん上に上げていく』という方法だと思います。
クロック・メソッドなんかに比べりゃ教えやすさ、上達の早さが段違いです。


 西山さんはC&Rについても『また釣りたいから今は逃がす』って、初心者も上級者にもわかりやすい持論を唱えていたんで、非常に好感の持てる釣り師でした。
あれほど初心者の気持ちを理解していたエキスパートは、そうはいないと思います。この場を借りてご冥福をお祈りします。




そんなこんなで何とか一匹釣り上げて撮影会終了。


ただ言えた事は『疲れた』。この一言。
デジカメ首から下げて釣りするのでさえ疲労がたまるのに、ビデオ持って川歩くってのは想像以上に疲れます。



もちろん落としたら最悪なんで、精神的にもかなり疲れるんでしょう。

 

 半日の釣行だったんですが、帰ってから肩と腕が久々に筋肉痛になりました。





 家に帰って早速試写会。   AV見るようなドキドキ感で再生ボタンをポチッとな。



動いてるよ!  俺が動いてるよ!   釣ってるよ!(あたりめーだろ)


3秒見て思った。




岩○溪一郎や沢○教祖様が釣ってるビデオの100倍面白い!(←買って見た事ねーけどな) 
しかもためになる!




一番笑えたのは上の画像のアマゴ釣った瞬間。
友人バッチリ撮ってくれてました。自分が釣った瞬間を第三者の目線で見たの生まれて初めてです。
そこに映っていたのは・・・

 

 

 

 

すげーうれしそうな自分の顔


あの子のあんな嬉しそうな顔、初めて見たわん。ってマダムのセリフはよく耳にするが、



自分のこんなうれしそうな顔見たの生まれて初めてでした。



 見ての通り、釣れたアマゴは20cmもない小物なんで、尺上なんか釣ったら世界で一番幸せそうな顔する自信があります。

ところで気になったのは、たしか自分が言ってたセリフの


>『ロッド倒しすぎだって! 後ろの草に引っ掛かるぞ!』

>『ロッドをきちんと止めないからループが乱れるんだって!』

>『そんな所にフライ落としたら岩に引っ掛かるって!』

>『もっと手首を固定して、脇しめろって!』

・・・・。



自分が釣ってるシーンを見る


じっと見る



・・・・・。





・・・・・・・・・・・・。








俺もできてねー(泣)



もう本当に、ビックリしました。自分の中では『俺のキャスティングは10段階で7か8のレベルはあるな。ふふん♪』て勝手に思ってたんですが、現実は厳しい。
他の人が釣ってるの見て『まぁそれなりに上手いんじゃないの?』なんて余裕かましてたのに、自分自身がそれなりのレベルでした(T_T)


この心境は例えるなら、中小企業の社長さんが『我が社は中小企業の分類で言えば、間違いなく中規模にあてはまるな。フフン♪』なんて言ってたら『イヤ・バリバリの零細企業です』って突っ込まれた感覚だ(←なんだよそれ)

これからは反省して自分の腕は『5から6に訂正します』


あぁ・・やっぱり自信過剰






真面目な話、ビデオカメラ持ってる人はできれば自分の釣ってる姿を撮影してもらうべきです。本とか市販のビデオなんかじゃ気付かないことが、山ほど見つかるはずです。
特にフライを他人に教えることが出来るぐらいのレベルの方、絶対新しい発見があります。




P・S  目に向かって飛んでくる小さい虫、正式にはショウジョウバエ科のメマトイって虫なんですが、なぜかカメラのレンズにわんさか集まってきます。てことは、レンズに似たような物を腰とかにたくさんぶら下げてたら、目に向かってくるのを逸らす事が出来るかもしれません。

誰か行動力のある人、試してみてメールください(笑)


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