□キョウの家族
おぉ、キョウちゃんの妹が! 家族が健在だ!
□時間軸
学園生活を送る傍ら、キョウちゃんがセレブランとして活動しています。これはテレビシリーズよりも前の出来事なのですね。
□ソゴル・キョウ
テレビシリーズより前、キョウちゃんが記憶を失う前の出来事なのですが、キョウちゃんの性格が別に今と変わりませんね? シズノやルーシェンの話からもっと落ち着いた人柄を想像していたので少し落胆しました。
□カミナギ・リョーコ
最初から不可能と諦めていたので予想通りでしたが、リョーコが棒子ではありませんでした・・・。花澤某の最盛期は棒子でそれ以降は魅力が劣るので残念ですが、如何なプロフェッショナルでもデビュー当時の稚拙な演技を再現しろとは無理な相談ですよね。小見川千明みたいにずっと変化が無ければ可能でしょうが(コラ)。
□ハヤセ・トウヤ
ハヤセの声がテレビシリーズと全く違います。テレビシリーズではもっと低くて、こんなに神谷浩史神谷浩史していませんでしたよ。見た目と合っていなくて強烈な違和感があります。
□コクハラ・ナツミ
キョウちゃん沖縄にも女 作ってたんか(ぉ
□カノウ・トオル
名前だけあった映画研究部の部長が登場しました。気障で第一印象は悪かったのですが、世界の真実を知っていれば厭世的な気分にもなりますね。
□終わらない一学期
八月三十一日に水泳部で集まり泳いでいるのですが、無かった事になると分かり切っているので切ないですね。新記録が出そうなのもより虚しいばかりです。
□ルーパ
キョウちゃんに死んだ筈の家族を見せていたのはこのAIなのでしょうか?
□夏祭り
主要人物の浴衣姿が映され歌が流れた時にはこれがEDテーマソングでもう終わってしまったのかと狼狽しましたよ。
□「君を迎えに来たんだ」
世界が滅び行く中で宛ら天使の如く神神しく現れこんな風に言われたら惚れるのも宜なるかな。
□「辛い事や哀しい事、全部 背負う必要は無いんだよ!」
リョーコが未来の記憶を見てその中に出る台詞なのですが、別に要りませんよね。これが無いとこの映画に於けるリョーコの存在意義が薄くなるから無理に挿入した感が否めません。しかも予告編でこれが使われていますが、本編での使い方を考えると詐欺とまでは言いませんが釈然としないものがありますよ。
□キョウとシズノ
キョウちゃんとシズノの距離が徐徐に近くなるに連れ、最後に待っている運命を想い哀しくなります。そして訪れた別れの時は、理解っていた筈なのに涙がボロボロ流れましたわ。
あー、本当にこの二人の関係は大好きです。だからテレビシリーズで最終回の一話前には感激し、最終回に幻滅したのでした。キョウちゃんの性格が想像と違ったのは残念でしたが、見たかったキョウちゃんとシズノの出会いが見られて良かったです。
□総評
てっきり総集編だと思っていたらゼーガペインの作品構造を活かした、ある意味
完全新作と言える内容で予想外の収穫でした。しかもテレビシリーズの前日譚、嘗てのキョウちゃんが戦っていた頃の物語と言うのはテレビシリーズを見ていたら自然と興味が惹かれますからね。就中キョウちゃんとシズノが想いを寄せ合う描写が見られた事は満足でした。ただ以前のキョウちゃんと親友だったと言うルーシェンとの関係が掘り下げられなかったのは残念ですなぁ。キョウちゃんのデータを認めて信頼に値するとルーシェンが判断するところしか見所がありませんでした。
前半は繰り返す一学期が何度も描かれ、正直 稍 退屈になりましたが、後半からガラッと変わります。前半で日常、後半で盛り上げると言うのは定石ですね。前半があってこその後半ですし、退屈と言うのは的外れでした。強敵との激しい戦闘、そして勝利と言う終盤を締め括る場面も用意されていますし、ちゃんと綺麗な一本の映画に仕上がっています。
カノウ・トオルとコクハラ・ナツミ、二人の新しい登場人物が加わる事は、ポスターイラストなどにより見る前から明らかにされていました。慣れ親しんだ世界に異物が挿入される、そんな感触があり拒みがちだったのですが、実際に見てその気持ちは拭い去られました。抑抑カノウ・トオルの存在は以前から示されていましたからね。元から其処にあったけれど隠されていたものが、日の下に晒された感じなので世界には馴染んでいます。
(16.10.22)