トランスフォーマー

□フレンジー

 何だか可愛かったです。小さいのに一所懸命に頑張っている姿が目を惹きました。ある意味ではデストロンで一番印象に残ったかも知れません。
 CDラジカセからの変形でしたがそれならフレンジーではなくサウンドウェーブと言う名前でも良かった気がします。

□中古の車を破壊したバンブル

 酷いと思います(ぉ 店主は何もしていないのに大損害ではありませんか。

□「君が、アーチボルト・ウィットウィッキーの子孫、サム・ウィットウィッキーだな?」

 恐い恐い恐い、顔近い顔近い顔近い!!!! 顔が恐い上に近いよコンボイ! 映画版のコンボイは不気味で恐ろしい顔をしています。

□アイアンハイド

 武器のスペシャリストと言う事ですがとても物騒な性格をしていて、些細な事でモジョやサムの親を殺すと発言するのですからおっかないです。地球人を『原始的で暴力的な種族』と評していましたがそれは誰でもないアイアンハイドの事に他なりません。またコンボイがアイアンハイドの『原始的で〜』と言う言葉を受けて、「我我も嘗てはそうだった」と返していますが、コンボイにお伝えしたい。貴方の部下に約一名今でもそういうのが居られますよ、と! いえ、誰とは言いませんがね。でもデストロン連中と比べると個性が強く出ていて良いですよね。結果的にその性格を好むと好まざるとに関わらず、個性が発揮されるのは何よりも嬉しい点です。

□マイスター

 外見からはクールでスマート、真面目な性格が想起されますが、口を開くと存外に軽薄でちと落胆してしまいました。マイスターは好きなので勝手に期待をしていましたがそれが裏切られた感じです。しかしバンブルの救助を強く具申していて、誰よりも仲間想いの良い奴なのだと解しました。そんなマイスターは後半でメガトロンに躰を引き千切られると言う無残な最期が待ち受けています。しかし画面が見辛かった上にマイスターの死に誰一人として反応を示さなかったので、戦いの後にコンボイが言うまで気付きすらしませんでしたよ。マイスターが好きなので、マイスターが死んだと言う事と、それに気付かなかった事と、二重の意味でショックです。
 自信は無いのですが吹き替え版の声は楠大典でしょうか? いあ、スタッフロールで見掛けて思い当たったのがマイスターと言うだけで、根拠は皆無です。抑、マイスターの声を思い出せません(ぉ

□庭での一幕

 サイバトロン連中の勝手な振る舞いに笑いました。特に一人で喚いているコンボイが良いですね。全体的にシリアスな作品の中で一息吐ける場面です。

□メガトロン

 冷凍されていたメガトロンが復活して、開口一番、「俺様は、メガトロンだ!」。・・・格好悪いなぁ(苦笑)。

□スタースクリーム

 ビークルモードからロボットモードへ、ロボットモードからビークルモードへ、変形を繰り返しながら空を自在に舞い、次次にF−22ラプターを撃破する華麗な活躍が見事でした。いや、格好良い。また今作のデストロンでは、唯一最後まで無事が確認されています。先の展開が楽しみですね。

□ブラックアウト

 冒頭から活躍を見せますし登場時間で言えばデストロンでは恵まれた部類に入るでしょう。しかし活躍の度合いで言えば微妙ですし、ブラックアウト自身の個性と言うものが感じられませんでした。格好良い姿をしているだけに残念です。

□デストロン兵士の面面

 割と早い段階から登場していたサイバトロン戦士と違って、デストロンの面面は最終決戦の為だけに集まった印象を受けました。だからか各各の個性が感じられません。人格が無さそうなスコルポノックは別としても、ブラックアウト、フレンジー、バリケード、ボーンクラッシャー、デバスター、スタースクリーム、メガトロンと総計七人が登場しましたが、この中でどんな性格なのか理解出来たのは何人居るでしょうか? 大半は街中で暴れ猛威を振るった挙句に何時の間にか退治されて終わっていた気がします。デストロン好きとしてはこれが残念で、勿体無いです。

□最終決戦

 スリルもあって迫力満点な市街地での最終決戦ですが、最初から最後までスピーディに進むので忙しない印象を受けました。折角なのですから所所もっとじっくりと堪能したかったです。勿論一瞬の攻防にも魅力がありますが、もう少し“溜め”と“間”があった方が好みですね。例えばメガトロンがフュージョンカノンを放つ場面がありましたが、あれももっともったいぶって、それでいて放たれた一撃はコンボイを吹き飛ばしビルを破壊するほどの威力を見せるとか、そんな外連味が欲しいです。
 全体的に人間視点なので、巨大なロボットとロボットが戦っていると言う構図でしかありませんでした。個人的にはTF視点で、もっと会話を交えて見た目にも分かり易い戦闘を繰り広げて欲しかったです。

□「一対一で勝負だ」

 この台詞を聞いてコードギアスの第二十四話を連想し、言い出したコンボイが騙し討ちと言うのを想像していたのですが、本当にそうなりました。一対一の筈なのに(コンボイの意思ではありませんが)関係の無い人間がメガトロンを攻撃しましたよ。コンボイぃ! お前は、最後まで人を騙して! 裏切って!!

□「すまない、友よ・・・」

 コンボイが呟いた印象的な一言です。敵対していましたがそれでもコンボイにとってメガトロンは友であったのですね。ボーンクラッシャーを容赦無く粉砕していますので、コンボイが敵も含めた全ての生命を尊重していると言う線は無くなります。すると矢張りコンボイがメガトロンを特別視しているのが明らかでしょう。

□総評

 とにかくCGの出来が素晴らしい、それに尽きます。予め凄いだろうとは思っていましたので期待を上回ると言う訳ではありませんが、見事な質感は圧巻でした。そんな素晴らしいCGで描かれた巨大ロボットが、街中で派手にぶつかり合うのですから興奮しない訳がありません。凄いですね。
 物語の筋に関しては抑抑映画を見ない人間なので何とも言えません。退屈に思えたのが最初の方にあった人間パートだけですから悪くは無いのでしょう。いきなり死を覚悟した大尉が最後まで生き残ったのは救いでした。クライマックスでも気分が高揚せずある種心の中は淡淡としたままで見終えてしまいましたが、これは小生の嗜好が子供向け作品を好んでいるからだと自分では思います。単純に好みの問題ですな。
 不満点に関しては先述しましたが、デストロンの描写が不足している事や、TFとTFの戦いが淡白に終わってしまった事くらいです。飽く迄も人間が主役であったのが一因でしょうか。極論を言ってしまえば人間は完全に脇役に徹してくれた方が好みです。
 最後に余談になりますが、パンフレットの中身が異常に薄いです。読み応えが皆無と言っても過言ではありません。

(07.08.09)

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