烈車戦隊トッキュウジャー
VS
キョウリュウジャー
THE MOVIE

□「ワォ、楽しい〜!」

 キョウリュウピンクの金切り声は聞いていると腹が立ちますなぁ。

□キョウリュウジャーが名乗る爆発に吹き飛ばされるトッキュウジャー

 だからッ! こういう風に茶化してヒーローを虚仮にするのは止めてくださいッ!! 真正面から堂堂と格好良いヒーローを作るのがそんなに難しいのですか? 山岡淳二が健在であればこんな事にはならなかったのでしょうなぁ。

□桐生ダイゴ/キョウリュウレッド

 髪を切っているので別人に見えます。ダイゴと言えばあの長髪でしたなぁ。

□空蝉丸/キョウリュウゴールド

 何か声が枯れていますね。台詞や性格も違う気がして違和感が拭えません。

□「やぁ、ザラムく〜ん。君は未だ死に場所を探しているのかい?」

 字面だけ見ると寂寥感のある凄く格好良い台詞です。言い方や言われている当人に落差がありますが(笑)。

□「武器も要らぬと言うのか。何たる侍魂!」

 違います(笑)。ザラムの一見シリアスな台詞や破天荒な行動を勝手に解釈するのが楽しいです。

□手裏剣戦隊ニンニンジャー

 定番である次回作戦隊の顔見世ですが、今回は随分と早いタイミングなのですね。例年だと中盤とクライマックスの間なのですが、今回は序盤にありました。しかもクロックシャドーには逃げられたので斃したのはクローズとクライナーだけです。前作でトッキュウジャーがメサイアを斃したのは嫌でしたが、だからと言ってこれはこれで極端でしょう。
 ニンニンジャーのレッドは掛け声に力強さが無く、ヒーローらしくありませんなぁ。これは致命的です。どうか本編ではもっと成長している様にと祈らずに居られません。
 声には不満がありましたがニンニンジャーの戦闘はまさに正統派忍者アクションと言うべきもので実に満足度が高いです。忍者を題材にするからにはこういうのをちゃんとやって欲しいですからね。

□子供トッキュウジャー

 トッキュウジャーが実は子供である点を踏まえると矢張りこれは一度はやるべきですよね。演じた子役は嬉しいでしょうなぁ。

□マイッキー

 まさかマイッキーが出るとは思わなんだ。本編で一度限りの存在をこうやって活かしてくれるのは嬉しいですね。またそれを呼び出したのが3号に変身する人が子供になっている状態と言うのが良いのですよ。

□クロックシャドー

 結局、自身はまともに戦わないまま必殺技に葬られてしまいましたなぁ。それならニンニンジャーに譲って欲しかったです。

□紅蓮神官サラマズ/巨大怪人

 過剰なまでに丁寧な物言いでしたがそれも演技だからこそですね。本性を表す瞬間が見事な変貌振りでした。
 しかし究極体と嘯いたのでどんなに凄い事になるのかと期待したら変な電車ごっこで拍子抜けでした。しかもトッキュウレインボーとギガントキョウリュウジンに合体したら即座に必殺技を放って終了で、巨大戦闘がつまらないなんてものではありません。ロボの扱いが酷いです。

□地球を守る決意

 見ていてどうも今回の映画は緩急の付け方が下手と言うか、だらだらと戦闘ばかりが連続していると思ったら、この為だったのですね。一気呵成に挑むも巨大な障害に挫折し心が折れそうになると。それで得心が行きました。それだけに良い場面になっていると思います。

□泉神楽/トッキュウ5号

 「私は○○、私は○○・・・〜ガール!」を使って欲しかったです。もう本編も含めて全然使われませんよね。こういう時くらい使ってくださいよ。

□「家に帰るまでが遠足だ! 生きて戻るのが戦いだ!」

 最初にダイゴにトッキュウジャーの戦いを遠足だと言わせておいて、それを受けてのこれは実に巧い返しですね。

□「生きて戻るのが戦いだってさ。なぁ?」

 おいザラム、聞いているか?

□キャンデリラ

 空蝉丸に続きキャンデリラも声や演技が変わっています。

□追加キョウリュウジャー

 ニンニンジャーの出番があまりにも早かったのでまた出て来たのかと期待したのですがキョウリュウジャーの追加戦士でした。キョウリュウシアンはブルーを「兄さん」と呼ぶまで誰だったのか失念しており、バイオレットの他に誰か女性が居たのか考え込んでしまいましたよ。

□シャドーライン

 サラマズにやられて終わりでは情けないところですが、その汚名を返上すべく颯爽と現れました。これは嬉しいです。そしてキョウリュウジャーに続けとばかりにネロが名乗るのですが、他の幹部は誰も追従しません(笑)。劇場でも一番 笑いが起こった場面です。やっぱりネロが愛おしいですなぁ。

□創造主デビウス

 サラマズがやられた後は内心では冷や冷やしていたでしょうね。手駒も無く、自身の完全復活もならず、そんな状態で敵対勢力が向かって来たら堪ったものではありません。接近するレッシャーへの妨害工作も必死だろうと思いながら見ていました。
 下半身が台座に固定された状態で二人のレッドを迎え撃ち戦う姿はラゴーン様の勇姿を彷彿とさせました。完全復活を果たしてからも二人のレッドを圧倒し中中の強さでしたが、強烈な一撃を見舞われ激昂し巨大化してからは頂けません。空中を飛び回っていたのに「羽根を狙うんだ!」の一言で簡単に撃墜される姿にあのデーボスを生み出したと言う創造主の凄さは感じられません。況やそのまま等身大の戦隊に敗れれば尚更でしょう。口調や性格には威厳があって良かったのですが、折角のキョウリュウジャーから残していた創造主と言う題材なのにこの弱さには落胆してしまいます。

□総評

 どうもダラダラとしていて間延びしている感があります。前半のそれはトッキュウジャーが決意を新たにする為だと頷けましたが、その後の最終決戦にしてもやたらと喋ってばかりで緊張感がありません。通常の本編に倍する時間を巧く使いこなせていない印象を受けました。
 巨大戦闘の扱いが悪かったのも不満な点です。最後のデビウスにはロボを使わないのであれば、サラマズとの戦いはもう少し見せ方があったでしょう。戦隊に於いて巨大ロボはおまけ程度かも知れませんが、だからと言って映画でもおまけでは困ります。
 人物の描写とかに大きな不満は無く決してつまらなかったのではありませんが、終わってみればニンニンジャーの活躍が一番の見所で面白かったです。高くは評価出来ませんなぁ。

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(15.01.17)