仮面ライダー×仮面ライダー
ウィザード&フォーゼ
MOVIE大戦アルティメイタム

□如月弦太朗/仮面ライダーフォーゼ

 本編の五年後を描いた作品と言う事で弦太朗は天の川高校の教師になっているのですが、別に弦の字と教師の絆みたいなのが描写されていた訳ではないので感慨がありませんなぁ。

□朔田流星/仮面ライダーメテオ

 ライジェネ2ではメテオをよく使っていましたから流星の怪鳥音が馴染み深くて聞くと落ち着きます。

□「俺は如月弦太朗、この学校の全員と友達になる教師だ!」

 教師が生徒と友達感覚では困ります!

□風太三郎/サナギマン/イナズマン

 美代子に化け物呼ばわりされて傷付いている様子でしたが、先に超能力を使って攻撃したのは三郎ではありませんか。過去はさて置きこの場面だけを見たら、迫害されていたと言われても自業自得としか言えません。
 サナギマンに、そしてイナズマンに変身します。ただイナズマンの顔が妙に人間に近いので生生しく、また全身像もパンツ一枚に見えて格好悪いです。昔のイナズマンもこんな顔だったかなぁ、と漠然と思いましたがパンフレットで見比べたら全然違いました。昔のイナズマンの方がちゃんとヒーローらしい外見で格好良いです。原作版に近いデザインだそうですが大半の人間がイナズマンと聞いて連想するのは特撮版ではないでしょうか?
 昔のヒーローが登場と言うのではキョーダインの許し難い悪夢が思い浮かびますが、イナズマンはそれに比べたらずっと厚遇でした。何より悪役ではありませんでしたからね。ただキョーダインの時の様な強烈な不快感こそ無いものの、抑抑 昔のヒーローをゲストで出す必然性については疑問が残ります。
 ところで三郎を演じたのはハリケンジャーでギリギリガイ師の回に登場した方ですよね。戦隊でレッドを演じるのが夢と語っていましたが、形は違えど変身ヒーローにはなったのですね。パンフレットではゲキレンジャーに出演と書かれていて記憶違いか或いは誤植を疑ったのですが、調べてみたらゲキレンジャーにも出演されていたのですね。記憶を辿ってみましたが確かバスケの回だったでしょうか。それにしても昔は可愛かったのですが、年月の経過を弥が上に感じますね。

□怪人同盟

 三郎を筆頭に超能力者が集った集団ですが、同じクラスの仲間がルビー、コング、ネズミと酷い名前ですね(ぉ しかもコングはうほうほ唸るだけで日本語を喋りませんし、超能力者であろうと無かろうと人間離れしていました。

□フォーゼVSサナギマン

 友達になると宣言した自分の生徒相手に変身して本気で攻撃する弦太朗はどうなのでしょうか。好意的に考えればそれまでの接触で、その程度の攻撃なら問題ではないと判断したのかも知れませんが、それよりも友達と言う言葉が昔からの言動や行動と相俟って上っ面だけだと言う印象の方が上回ります。

□番場影人/ヘラクレス・ゾディアーツ

 絶対に最後に登場するゾディアーツは蛇遣い座のサーペント・ゾディアーツだと思ったのですがねぇ。何らかの理由で存在を抹消された十三番目のホロスコープスが出るかと思っていたのですが、メインがイナズマンなのでゾディアーツは重要な存在ではありませんでしたね。

□雑魚掃除に定評のあるメテオストームパニッシャー

 相変わらずダスタードが相手だと画面映えがして格好良いです。

□フォーゼドライバーを捨てる弦太朗

 戦闘中から意味ありげに溶鉱炉が映っていたので何かに使うだろうとは思っていましたが、まさかフォーゼドライバーを其処へ投げ捨てるとは予想外でした。三郎の為に敢えて力を捨てた格好良い場面なのでしょうが、相変わらず考えも無しにその場その場の思い付きだけで動いている様にしか見えません。

□操真晴人/仮面ライダーウィザード

 晴人は結婚式の時とかポワトリンの名乗りとか、一一 突っ込んでくれるのが良いですね。少し間の抜けた「あ?」も好きです。

□大門凛子

 この監督の誰でも生身のアクションを入れると言うのは本来は戦えないのに戦えてしまう点は好ましくありませんが、逆に凛子の様に本来は戦えるのに活躍が少ない場合は嬉しいですね。本編でもこれくらいの活躍を見せて欲しいと言うか、凛子には滝ポジションを期待しているので不満がありました。だからこういうのが見たかったと言う気持ちです。でももたもたもたもた弾丸の装填をしている姿は格好悪かったです(ぉ

□上村優/美少女仮面ポワトリン

 少し老け顔ですね。美少女と言うには薹が立っている様に見えます。
 優はアンダーワールドに引き篭もり現実から逃げ自分が活躍出来る偽りの世界で生きています。まぁ、あたしでも辛い現実と幸せな偽りなら後者を選びますね(ぉ しかし可哀相なのは巻き込まれた他の子供達でして、最後には助かっているとは言え毎日毎日あんな目に合っては心に傷を負ってしまうでしょう。
 ポワトリンをこの映画に出すと言うのも意味が理解りませんなぁ。

□アクマイザー3

 名前も含めてオリジナルとは別人ですが、本作の悪役として相応の魅力を放っていました。
 ザタンはガーラの失態にしょうがないと言いながらも処罰せず助けますしイールの死に動揺するなど、親分肌の人物でしたね。だからこそイールとガーラからも慕われ、彼らが身を挺してでも守ろうとしたのでしょう。
 イールはゼーバー増幅装置が破壊される爆発に巻き込まれていたのが可笑しかったです。あれで死んだらどうしようかと思いましたわ。
 さてイナズマン、ポワトリンに続いてアクマイザー3も昔のヒーローが登場した訳ですが、確かに魅力的な性格に描かれているとは言え矢張りヒーローが悪役にされてしまうのは業腹です。アクマ族でありながら人の為に戦うと言うのがオリジナルの魅力なのに、それがそのまま人間の敵ではセンスがありません。これがアクマイザーではなく全く新しい敵であれば、寧ろとても素晴らしい敵であったと賞賛すらしたのに、惜しまれると言うか何とも言い様の無いもやもやとした気持ちにさせられます。

□火野映司/仮面ライダーオーズ

 前作のパンフレットで映司役の方が次回作にも出たいと語っていまして、でも実現しないだろうと思っていたので突然の登場に驚き喜びました。まさか出るとは思っていなかったので本当に嬉しいです。接触があったのはコヨミのみで変身も無いなど前作の翔太郎とフィリップに比べると不満の残る扱いですが、それでも出ないよりは良いでしょう。
 ところでコヨミに「ちょっとこれ持ってて」とパンツを渡すのはどうかと思います(ぉ 映画が終わった後、親子の会話で「面白かった?」「おもしろかった。パンツをわたすのが」と言うのがありまして子供にも印象的だったのですね。
 オーズはバースやダブルと言った他のライダーと共にアクマイザーの装甲車と戦ったのですが、その中では一番 扱いが悪く活躍が少なかったのが残念でした。ブラカワニコンボに変身したのは良かったのですが、その後は装甲車の外壁をがんがんがんがん殴っただけで終わりなのですよね。他が必殺技まで使っていたのと比べると余りにも残念でしょう。でも最後の一斉にライダーキックを放つ場面で、スーパータトバコンボに変身しセンターを陣取っていたので少し気が晴れました。

□「魔法使いってのは諦めが悪いんだよ!」

 絶望しなかったから魔法使いになったので凄く説得力のある台詞で、胸にすとんと落ちました。

□ザイダベック

 アクマイザー3を出すのにザイダベック号を出さないのは片手落ちだろうと思っていたら最後の最後に出して来ました。尤も、私の知っているザイダベックとは違いましたが(ぉ

□幼い怪人同盟

 捕われていた子供達がフォーゼ編に登場した怪人同盟ではないかとは薄薄 理解っていたので驚きはありません。三郎なんてよく似ていますね。

□「店長がポワトリンだったの!?」

 え・・・? あ、そ、そういうことか! アンダーワールドでは若い姿だった優が現実では既に年を取っていておばさんだったと言うだけの落ちかと思っていました。この台詞を聞いて初めて分かりましたわ。店長の顔なんて覚えていないから気付きませんでしたわ。しかしそれでは優の回想にあったOLとして活動している姿は何だったのか疑問が湧きますが、あれは店長は若い頃はOLとして働いていたと言う事で良いのでしょうか。しかしこれは落ちとしては面白いのかも知れませんが、つまりあんな楽しそうに見える店長が実は現実に絶望していると言う訳ですよね? これは嫌な情報を知ってしまったと言うか、今後も本編で店長を見ても胸の内にそんな暗い気持ちを抱えているのかと思うと素直に楽しめません。変に後味が悪いのではありませんか。それとも若い頃は絶望していたけれど一念発起してドーナツ屋を経営する様になってからは救われたと言う事で良いのでしょうか? そうでもないと暗い影を本編に落とす事になります。

□総評

 生身のアクションがやたらと長く、そしてやたらと多かったのが目に付きました。一回一回が長い上にそれが何度も挿入され、しかもフォーゼ篇からウィザード篇まで続けてみているから、またかとうんざりした気持ちになります。多少は変身しない生身のアクションも欲しいのですが、これだけ多いと嫌になります。仮面ライダーを見に来ているのであって別に生身の役者が活躍するアクション映画を見に来ている訳ではありません。この監督はアクションに力を入れているのは理解りますが例え凄いアクションだったとしてもこれだけ繰り返されると萎えるだけですわ。強烈な個性を持っているのにどの作品でも同じ事をやるのでワンパターンで引き出しが狭く見えます。
 そして公開前から分かっていましたが矢張り過去のヒーローをこんな風に出すのは快く思えませんなぁ。必ずしも過去のヒーローを出す事が受け入れられないとは言いませんが、脈絡がありません。また一人だけならともかく一本の映画にイナズマン、ポワトリン、アクマイザー3は詰め込みすぎでしょう。勿体無いです。
 決して飛び抜けてつまらないとは言いませんが好きだとも言い難い、不満の方が強く何度も見たいとは思えない作品です。

(12.12.16)

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