劇場版
仮面ライダー×仮面ライダー
フォーゼ&OOO
MOVIE大戦MEGA MAX

□伝説の七人ライダー

 いきなり一号からストロンガーまでの七人が登場しますが、映画に歴代ライダーを登場させるのがずっと続いているので食傷気味です。でも考えたら昔のライダー映画も毎回先輩ライダーが登場していましたなぁ。そういう風に考えると元に戻ったと言えますね。ただ登場させるのなら昭和ライダーの前に平成ライダーではないでしょうか。
 それから声を演じているのは本人ではないのですね。ストロンガーとか格好良いのですがあからさまに別人ですし、アマゾンは関さんでもない何か変な声でした。
 そしてストロンガーまででスーパー1が出ていないのですが、フォーゼと共演するのならスーパー1を出さなくてどうするのでしょうか。
 あと一号や二号にワイヤーアクションは似合いませんね。

□伊達明/仮面ライダープロトバース

 火急の事態に駆けつけた明がプロトバースに変身するのですが、未だプロトタイプのまま残っていたのですか。本編終了から具体的にどれほどの時間が経過しているのかは理解りませんが、プロトバースを残しておくくらいならバースを量産するなり二号機を作るなりするべきではないでしょうか。ただバースに赤いラインが入ったプロトバースは、バースと並ぶと宛ら一号と二号の様でダブルバースの光景は好きです。

□後藤慎太郎/仮面ライダーバース

 警察に戻っていた慎太郎も緊急事態で一時的にバースとして復帰しますが、明共共仮面ライダーポセイドンの前に敗退。その後は目立った出番がありませんでした。後半では勇ましくジェットスキーで明と共に救援に現れますが何の活躍もありません。

□アンク

 本編で消滅したアンクが再登場するのですが登場出来た理由、そして映司との距離感が絶妙でした。決して多くを語りませんがお互いに通じ合っている姿がとても良かったです。ただ戦闘ではグリードとしての姿で戦って欲しかったなぁ、と思いました。

□仮面ライダーポセイドン

 オーズと同じく三枚のメダルで変身しますが、三分割の仕方がオーズとは違った形になっているデザインが興味深いです。地続きの技術でありながら未来のライダーであると言うのが感じられますね。
 ライダーとの戦いを求める戦闘狂と言うだけで印象強いとは言い難いのですが、動くと撃つと警告されたのに対して「好きにしろ。但し命乞いをするな、時間の無駄だ」と返したのは格好良かったです。例え相手が命乞いをしても容赦せずに殺すと言う性格が表現されている台詞でした。
 ところでオーズ本編では仮面ライダーと言う呼称が使われていなかったので、ポセイドンが連呼し、また映司がそれに返しているのが少し不自然でした。

□湊ミハル/仮面ライダーアクア

 垂れ目や水と言う大自然の力で変身するのが本来の仮面ライダーと言う感じがして好印象でした。デザインもオーズの延長線上にあるポセイドンよりも未来的な感じがします。
 またミハルが映司との出会いで勇気を得て立派なヒーローとなる流れが良いですね。そのまま次回作の主人公になって欲しいと思ったくらいです。例えばテレビシリーズでは最初から強いヒーローとして活躍しますが、その前日譚として前作ヒーローと共演して一人前になると言うのは面白いのではないでしょうか。そういった理由でオーズの後番組がアクアであれば良いのにと思いました。
 ただ専用マシンのアクアミライダーは市販のジェットスキーにしか見えませんでした。デザインが変えられないにしても、もっと演出で特別なマシンであることを表現して欲しかったです。

□仮面ライダーW

 本作はオーズとフォーゼが共演するのみならず更にダブルも登場します。しかし喜びよりも未だ特別扱いをするのかと言う思いが勝ってしまいました。これで来年はオーズが同じ立場で登場するのであれば文句はありませんが、恐らくはそんな事は無いでしょう。だから素直に喜べず複雑な気分でした。

□仮面ライダーなでしこ

 女性ライダーと言う事で個性的なアクションに目を奪われます。面白かったです。

□「お前が泣くくらいの時間は、僕達で稼いでみせる!」

 失恋した弦太朗に賢吾が放ったこの台詞がとても良かったです。友達思いである事が表れていますね。

□カタル/サドンダス

 ドラゴンの様な怪人に変身し、仮面ライダーでこんなストレートなドラゴンは珍しいと思っていたのですが、何とサドンダスだったのですか。大幅にアレンジされており言われなければ絶対に理解りませんでした。
 ところでカタルと同じミュータットのソラリスがミュータットとしての姿を見せず、ユニコーン・ゾディアーツに変身したのが残念でした。

□戦闘員との激戦

 大量の戦闘員を相手にダブル、オーズ、フォーゼと順番に見せ場が用意されます。ダブルの再登場に複雑な思いがありましたが主題歌を聞いているとやっぱり盛り上がってきました。そしてオーズです。連続コンボチェンジは見応えがあり、そして何よりオーズの主題歌は格好良いです。改めてそう強く感じました。

□レム・カンナギ/超銀河王

 コアメダルとアストロスイッチの力で変身した最後の敵と言うのが、オーズとフォーゼが力を結集して戦う相手に相応しいですね。ただサドンダス同様に銀河王の面影がありません。これほどアレンジするのなら銀河王ではなく全く新しい怪人で良いのではないでしょうか。それにがしがし格闘を繰り広げるので貫禄がありません。ちゃんとアクションで強さを表現するのはとても良いのですが、それとは別に動かずに強さを表現するのも手でしょう。銀河王は後者の方が似合います。

□仮面ライダーオーズスーパータトバコンボ

 未来のスーパータカ、スーパートラ、スーパーバッタメダルを使用して変身した新たなコンボです。最後の最後でタトバに、トラメダルに素晴らしい見せ場が用意されました。超銀河王との高速戦闘では互角以上に戦って見せ、一人で勝てるのではないかと思わせるほどの強さを見せてくれました。この戦いが格好良くてかなり嬉しかったです。

□総評

 年年各作品とムービー大戦パートの一体化が進められていまして、今回も順当にその傾向が強まりました。前面までは飽く迄も二本立ての映画で最後にその二本から繋がる決着と言う感じでしたが、今回は一本の中でオーズパートとフォーゼパートがある感じでした。それだけに共演に唐突さは無く物語に連続性があります。ただその分、オーズパートもフォーゼパートも独立性が薄く大きな物語の一部になっている感があり、好みの問題ですが私は前年程度の繋がりの方が望ましいです。またその割にオーズパートはレム・カンナギ一派との関連が薄く、映司に弦太朗ほど因縁がありません。これだけ一体感を強調しておきながらオーズパートが浮いてしまっているのは手抜かりではないでしょうか。
 ただ全体を通してはアクションも満載で面白く楽しめる映画でした。

(11.12.16)

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