仮面ライダーW&ディケイド
MOVIE大戦2010

□冒頭

 マンモスメカと交戦するディケイドと、ダミーを追うダブルがリンクし、一つの作品へ繋がります。画面を左右で二つに分け、同時に展開し、各各の台詞が巧い具合に噛み合う描写は特筆に値するでしょう。非常に盛り上がりました。

□キャッスルドラン

 大乱戦の中で一瞬ですが、スーパークライス要塞と戦うキャッスルドランの姿が確認出来ました。キャッスルドランが大好きなので嬉しかったです。

□ハードマンモシャー

 マンモスメカにハードタービュラーをドッキングさせて、強制的にダブルの戦力にしてしまいました。どうせならキャッスルドランと合体して欲しかったですなぁ。

□アルティメットD

 ダミーにネオ生命体が取り付いてアルティメットDになりました。最後は等身大怪人との戦闘で決めてくれるのと、ちゃんと映画オリジナルの新しい怪人を出してくれたのは嬉しいです。しかし戦闘は適度にダブルとディケイドが殴られた後に必殺技で逆転と言う安直な流れで落胆しました。否、流れそのものは良いのですが、もっと戦闘の質と量を高めて欲しいです。ぼこぼこと殴り合うばかりでは見応えがありません。スカイライダー、スーパー1、カブトを瞬く間に撃破したディケイドの方が余程強く見えました。強力な敵なのですからああいう風に描写して欲しいです。見比べると同じ作品とは思えないほど戦闘の質に落差があります。

□「何処の誰だか知らないが、帽子似合ってるな」

 最後に登場した別の世界の壮吉が翔太郎にかけた言葉です。翔太郎は感極まって泣いてしまいます見ていて此方も感動しましたよ。自分の未熟さが原因で師匠を死なせてしまった翔太郎が、やっと心から救われた瞬間でしょう。最高の台詞でした。

□「風都の仮面ライダーは一人じゃない」「アクセル」

 綺麗に終わっていたのに最後の最後に、謎の男が現れて新たな仮面ライダーが登場する事を示唆します。恐らくと言うか十中八九『W』に新しく登場する仮面ライダーなのでしょうが、それをこの場面で挿入する意図は何なのでしょうか。しかも変身するわけでも無くこれだけ言われても反応に困ってしまいます。変身したら変身したで登場するだけで戦わないのかと言う別の不満が出ましたが、名前だけ出されても期待のしようがありませんでしょう。これ以上無い完全な蛇足です。

□総評

 二つの作品を一つに繋げたのは見事でした。上記の様に冒頭のテンションは素晴らしいです。単なる併映に留まらない興味深い試みだったと思います。しかしこれを評価する一方で、単品だと其其終わり方が中途半端になってしまったのが不満です。どちらも等身大怪人との派手な決着が無い上に、中途半端なところで終了してしまっています。両立は難しいかも知れませんが単品でも綺麗に終わらせた上でこれに繋げるのが理想でしょう。

(09.12.13)

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