オーズ・電王・オールライダー
レッツゴーオールライダー

□モールイマジン

 モールイマジンと戦った電王が攻撃してもメダルが出なかった事を訝しみましたが、まるでヤミーが叩くとメダルが出る人みたいですな。

□野上幸太郎/仮面ライダーNEW電王

 NEW電王が登場する作品は未見なのでNEW電王の活躍を見るのは初めてです。何も知らないので思い入れに欠けますが正義感に燃えヒーローとして活躍する姿や同じ電王組であるモモタロスとのやり取りが良かったです。

□テディ

 NEW電王と同じく見るのは初めてでしたがナオキを助ける為にデンライナーから飛び出そうとする幸太郎を制し自分が過去に残る姿が格好良かったです。その後も少年ライダー隊を守る為に死ぬまで戦い続け、そして四十年越しの手紙がある場所に死しても聳え立ち続けた姿も印象的でした。幸太郎もテディも紛う事無きヒーローでした。

□ショッカー

 『オールライダー対大ショッカー』でも使ったのにまたショッカーかとげんなりしてしまいました。ショッカーショッカー何時までもショッカーに完全に飽きてしまいます。他の組織の名前を使うか、或いは今後も長く使い続けられる様な新しい組織名にして欲しかったです。
 組織の名前にこそ文句がありましたがショッカー首領、ブラック将軍を筆頭にアポロガイスト、キングダーク、十面鬼ユム・キミル、ジェネラルシャドウ、大神官ダロム、ジャーク将軍、ン・ガミオ・ゼダ、水のエル、ケルベロスアンデッド、アルビノレオイマジン、テラー・ドーパントと言う錚錚たる顔触れの幹部が壮観でした。こういう作品を代表する強豪の競合は嬉しいですな。ただ扱いには差がありまして大好きなジャーク将軍が活躍も無いままに地割れに飲み込まれて終わってしまったのは残念です。其其が関連の深いライダーと戦って散って欲しかったですなぁ。

□ミツルとナオキ

 最初は子供達が憎たらしくてアンクに叩きのめされれば良いと見ていましたが、熱中して見ている内に後半ではそれを忘れ四十年越しの手紙が読まれる場面ではうるうるしてしまいました。
 そして最後の最後で驚かされたのが実は四十年前に飛び降りたナオキが、ミツルの父親だったと明かされた事です。群集が映司にオーズドライバーを渡す場面でいやに目立つ人だとは思いましたがまさかこんな展開になるとは想像出来ませんでした。しかしちょっと疑問だったのですがナオキは子供に、親友の名前を付けてそれが何処で親友本人だと気付いたのかと言う事です。成長する内に外見が似ていって気付いたと言うのでしょうか。何かおかしい点があるわけではないのですが腑に落ちません。

□仮面ライダー1号と2号

 初代ばかりをあり難がる風潮は好ましくありませんがそれでもやっぱりこの二人の登場は盛り上がりました。自分達が敗れると言うのを知りながらショッカグリードに戦いを挑む姿はとても格好良いヒーローのそれです。ライダーダブルキックまで決めてくれて嬉しかったのですがその際には「一文字!」「行くぞ本郷!」の掛け声が欲しかったですなぁ。登場してからずっと本郷、一文字と呼び合うのを待っていたのですが一度も無くて残念でした。
 この二人の声は当時と同じ本人が演じています。一号は違和感が少なかったのですが二号はちょっと声が枯れているのが気になりました。てっきり敵が喋ったのかと思った場面もあったほどです。

□ブラック将軍/ヒルカメレオン

死神博士、地獄大使、ゾル大佐と来て今作ではブラック将軍が登場です。映画の内容も含めて軽かった前三者よりも真面目で良かったです。しかも演者がこれまでに無く渋いですな。因みにヒルカメレオンを斃したのはオーズのタトバコンボでしたが、タカヘッド、バッタレッグ、トラアームと三つの能力を存分に発揮していました。まさかあのトラクローが幹部を斃すなんてと感慨深い気持ちになったのは私だけではないでしょう。

□ショッカーグリード

 ショッカーメダルから誕生したグリードで一号と二号を斃してしまったと言う映画に相応しい強豪怪人です。ショッカーを象徴する鷲や蛇をモティーフにした外見も格好良かったのですが、最後はあっさりと一号と二号に敗れ去ったのが残念でした。最終的にそうなるのは構わないのですがいきなりそれまでの強さが嘘の様にあっと言う間に死んでしまったのですよね。もう少し過程に工夫が見たかったです。

□怪人軍団

 些かショッカー怪人に偏り気味ですが様様な作品から多くの怪人が登場しています。その中で割と目立つ役柄でザンジオーが出ていたのは何だか納得出来ました。ザンジオーは人気がありますからね。またイカデビルの声を関さんが演じていますが非常に愉快な喋りで、本当に楽しそうに演じている様な感じでした。
 ところで四十年前でカメバズーカがデンライナーを砲撃しましたがあの時点でデストロン怪人のカメバズーカが登場するのは変ではないでしょうか。他は(ゲルショッカーと一緒くたにされながらも)ショッカー怪人で統一されていたのにこれだけ例外だったのが解せません。

□仮面ライダーの復活

 ショッカーに捕まり処刑されそうになる映司、アンク、幸太郎の三人が救出され変身するまでの流れが最高でした。大勢の群集が映司にオーズドライバーを渡そうと尽力し、ヒーローの登場を待望し、歓喜するのです。まさにこれがヒーロー、これがヒーロー作品だと叫びたくなりましたよ。こういう誰もが待ち望むヒーローが見たかったのですよ。

□オールライダー

 人人の想いがオールライダーを登場させます。話だけを見れば蛇足でゲスト出演は一号、二号だけに留めた方がすっきりしますし、安易にオールライダーを登場させる事に抵抗もありますが、それでも弥が上にも盛り上がってしまいます。一人ずつ順番に現れて名前を呼ばれるのが最高でした。慾を言えば単に戦っているだけではなく各人の必殺技も見たかったところです。それと翔太郎とフィリップまで登場したダブルなのに、「さぁ、お前の罪を数えろ」の決め台詞が無かったのは片手落ちでしょう。言うタイミングを今か今かと待ち構えていたので拍子抜けしてしまいました。
 ところでオールライダーが戦う相手はきちんと縁の深い怪人が選ばれていましたがスーパー1の相手がよりによってコマサンダーなのはどうかと思いました(笑)。それにZXがタイガーロイドと戦っていましたが親友ではないのですか。また、ブラックが何故かメタルゲラスと戦っていましたが、まさかサイ怪人の代わりなのでしょうか?

□キカイダー、キカイダー01、イナズマン、怪傑ズバット

 立ち上がったヒーローは仮面ライダーだけではないとばかりに登場しジェネラルシャドウを四人が連続して技を叩き込んで斃します。しかしこんな一瞬だけならば出す必要があったのか疑問です。キカイダーはこんな簡単に扱って良いものではないのですよ。出すのなら出すでもっと相応しい登場があるでしょう。それにズバットには「チッチッチ・・・だが、日本じゃあ二番目だ」を言わせてこそでしょう。
 ところでこの人選ですと仲間外れにされたロボット刑事が不憫になりました。同じ石ノ森ヒーローなのに何で彼だけ外すのでしょう。

□ショッカー首領

 数の差を物ともせず強力な攻撃でオールライダーを苦しめており、自爆して終わったオリジナルとは別物の強さでした。ショッカー首領に単体では強い印象がありませんでしたから意外でしたわ。頭部に絡みつく蛇を伸ばした状態はサタンスネークを彷彿とさせます。

□仮面ライダーオーズタマシーコンボ

 タカ、イマジン、ショッカーのメダルで変身するこの映画だけのコンボです。しかし仮面ライダーの魂を強調するのなら必殺技はライダーキックにするべきではないでしょうか。その点が不満です。

□岩石大首領

 この岩石大首領が登場する際の特撮が圧巻でした。当方に比して注目される事の少ない東映特撮ですが、これは大迫力で素晴らしかったです。巨大なキングダークを出した後にもっと巨大な岩石大首領を出すと言う見せ方も良かったですね。これからキングダークと戦うのだろうと見ていたので、その後に出てくるものは全く予想が付きませんでした。圧倒的な存在感でとにかく強いのだと言うのが見て取れます。この映画で最も気に入った場面を挙げろと言われれば迷わずに選びますよ。微動だにせず突っ立ったままでオールライダーの攻撃を受けて死んでしまったのは不満ですが、下手に動いて陳腐になっても困りますからね。仕方がありません。

□総評

 過去のオールライダー映画が酷かったので大して期待していなかったのですがそれを完全に覆されました。とても面白くて最高の映画です。細かい不満が幾つかありますがそれでもライダー映画ではトップクラスに気に入った傑作です。ヒーロー映画を見たと心の底から満足しました。

(11.04.02)

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