□「ここからは機械的にいこうか」
意味が理解りません。やっている事も変身前後で一緒です。
□ジロー/キカイダー
昔の特撮版キカイダーは布にしか見えないスーツで、メタルヒーローの様な硬質なスーツのキカイダーが見たいとは思っていました。しかし今回のデザインは頬が扱けていて今一格好良くありませんなぁ。悪くはありませんが一目で凄く格好良いと唸らせられるほどではありませんでした。
ジローの姿を立体映像にしたのは今風で面白かったです。
□光明寺ミツコ
助けて貰っておきながらジローに厳しく当たったり胸糞悪い女です。
□服部半平
まさかハンペンも出るとは思っていませんでした。昔のハンペンとは別物ながら何となく一目でハンペンだと分かってしまうのが妙技ですな。でもやっぱりハンペンは昔の演者でこそと言う感じがしますね。
□マリ
ギルに生み出されながら椿谷を主人と認識する、それ故のギルに対する対応が興味深かったです。「敵を誤らないでくださいね」とか絶妙でした。
ミツコを守るキカイダーとの戦闘で何時ビジンダーに変身するのかとワクワクしながら見ていましたが、中中
変身しないのでもしかしたら変身しないのかと不安になりました。・・・・・・そして結果的にその通りでした。考えたらキカイダーやハカイダーと違ってビジンダーの新しいデザインなんて公開されていませんでしたなぁ。しかしそれならマリを出す意味なんて無いではありませんか。この映画にビジンダーが必要かは別として変身しないマリなんて求めていません。それに人間の女性にしか見えない相手と本気で戦ったり負けたりするキカイダーは格好悪いです。
最終的にマリを攻撃出来なくなったキカイダーですが、見た目が人間と言うだけで良心回路は人間と判断するのですか。それではハカイダーの敢えて脳を晒しているデザインが滑稽になります。
□ギルバート神崎(プロフェッサーギル)/ハカイダー
ギルの嫉妬と行動理念は分かり易くてこの映画を引っ張る魅力を持った人物です。
キカイダーと同様に若干の不満が残るデザインです。『人造人間ハカイダー』の方が好きでした。それと頭部に収められた脳が如何にも作り物に見えてしまいチープな印象を受けました(本物の脳を見た事が無いので本物と比してどうなのかは理解りませんが)。ホルスターがシルエットを崩しているのも気になります。
ギルの脳が入って人格もギルと言うのは原作版に近いですね。『鎧武』にゲスト出演した時も凌馬の人格で動いていましたし、今回はハカイダー固有の自我と人格が存在しないのですね。
キカイダーを一方的に痛め付けましたが本作のキカイダーはマリにも惨敗していますし、人間より強いと言うだけなのですよね。だからそんなキカイダーを圧倒したハカイダーも強く見えませんし、最終的には逆転されているので弱く見えます。
高周波パルスを発してキカイダーを苦しめましたがこれは実際にギルの笛を吹いて欲しかったですなぁ。
□椿谷
余りにもギルを怒らせる様な事を言うので、てっきりギルの命を受けたマリに殺されるのかと思いましたわ。しかし最後までマリは椿谷に従順で生き残りましたね。
国防を第一と考えその為なら犠牲も鑑みませんが、光明寺博士を高く評価し、ギルが及ばないと見抜く深い人物でした。「結局
君は、光明寺博士が見えていたものが見えなかった」と言う台詞が印象的です。
□総評
単なるアクション映画になったと言うのが第一印象です。ヒーロー映画とは思えません。そして率直に言って面白く無かったです。改めて小生は子供向けの作品ではないと楽しめないと認識しました。もしも似た作品が今後あっても見ないでしょう。それが分かっただけでも収穫と言えます。
好みを別にしても狙われるマサルを守る話なのかと思ったら、あっさりと捕まって解放されたり何ともカタルシスに欠けます。光明寺博士が何時の間にか死んでいて、最後までその場面が描写されなかったのも巧く言えませんが芯が通らないです。
EDの後に主題歌をバックに旧作が映像が流れたのですが此処が一番テンションが高くなりました(笑)。しかしこの映画のトーンとはミスマッチではないでしょうか。
(14.05.24)