仮面ライダー
ビヨンド・ジェネレーションズ


□百瀬龍之介

 家族を捨てたのなら息子から憎まれるのも当然ですが、実はショッカーの科学者だったとか想像以上の極悪人ではありませんか。しかも脅されて協力していたのではなく、自分から誘いにホイホイ乗った訳ですからね。息子から憎まれるとかそういう次元ではありませんよ。

□本郷猛/仮面ライダー1号

 ショッカーの改造人間と戦っていた様子が再現されていますが、今風の戦い方です。もっと動きとか効果音とかオリジナルに寄せて欲しかったですなぁ。

□クローンライダーVSデビルライダー

 歴代ライダーが取り敢えず戦うのが実に平成ライダーらしいです。画面が暗くてよく見えなかったのが惜しいですなぁ。折角なのに勿体無いです。

□バイス

 未来で不利になったらあっさり裏切ろうとしたのに幻滅しました。何らかの作戦があってその為のお芝居なのかと思ったのですが、飛羽真と倫太郎に説得されて翻意しているので本当だったのですよね。最近のバイスはそんな簡単に裏切らないと思っていました。

□神山飛羽真/仮面ライダーセイバー

 ライダーの人数が多いのでどうしても一人ひとりの扱いが軽くなるのは止むを得ないのですが、セイバーが前作の主人公なのにドラマに絡まないのは気になりました。参戦理由からして倫太郎が声をかけただけで、剣士を辞めていたのが戦いの場に戻るのに葛藤がありません。最終決戦への参加も前作主人公だからと言う以上の理由が無いです。

□父と子

 近年、平成ライダーの映画は父と子の関係をフィーチャーする事が多いです。ゴーストの映画、仮面ライダー15、ゼロワンの映画などなど、今作も該当しますがかなり変則的ですね。親子の外見年齢が逆転していますし、子もかなり薹が立っています。その辺が原因なのか、今回はそんなに泣かされませんでしたね(過去はボロ泣きする事も少なくなかった)。

□最終決戦

 リバイ、バイス、セイバー、センチュリーが揃っての戦闘ですが、最後はセンチュリー一人に決めて欲しかったですなぁ。

□消える龍之介

 最後に息子の秀夫、負い目のある本郷猛、お世話になった一輝に言葉をかけるのですが、ちょっと諄いですなぁ。秀夫だけで良いのに他は蛇足です。

□総評

 全体的にドラマ性が薄かったです。百瀬親子を中心とした物語は勿論あったのですが、尺は主に戦闘に割かれていました。仮面ライダーの映画に何を求めているのかを考えればそれは決して悪くないのですが、敵の悪魔も多数居るライダーと戦わせる為だけに出しました印象が拭い切れません。そして戦闘が妙に間延びしてダラダラしているのです。区切りが無く延延と戦っています。「お、此処で決着か?」と言うポイントからずらされているので気持ち良くないのですよね。
 味方を出しました、敵を出しました、敵の幹部にも出番があります、全員ちゃんと戦います、主人公はボスと戦います、と言うのが子供向け作品のテンプレート通りと言う印象です。それが悪いのではありません。ただ其処から脱却は出来ていませんなぁ。
 何となく連想されたのがワンピースです。カタルシスの波長が合わないところとかワンピースみたいだなぁ、と思いました。自分の中ではワンピースみたいな映画と言うのが一番しっくり来る表現です。

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(21.12.18)