仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼

□題名

 細かい事ではありますが、題名の『7人の』は漢字表記で『七人の』の方が良かったですなぁ。

□オープニング

 七人の戦鬼が全員で太鼓を叩いていると言うOPが最高です。今年は戦隊のEDよりも圧倒的に楽しめました。

□冒頭

 暴れる魔化魍の前に現れた二人組みは、てっきり威吹鬼さんとあきらだと思っていました。しかし実は響鬼さんと明日夢であると言う事に驚きました。何故明日夢が一緒なのでしょうか? 響鬼さんが明日夢を魔化魍退治につれて来るとは考え難いので、冒頭からいきなり違和感が付き纏います。また響鬼さんの明日夢に対する呼び名も、本編の『少年』とは違って名前で呼んでいるのですよね。これにも違和感を感じるのですが、もしかして二十九之巻『輝く少年』、三十之巻『鍛える予感』の辺りに挿入されるのではなく、もっと先の方に位置する話なのでしょうか? それならば合点は行きますが、本編では明日夢が響鬼さんに弟子入りする展開になってしまうのか、と新たな不安に苛まれます。

□オロチ

 エラスモテリウムオルフェノク、14とライダーの劇場版ではCGの敵が続いていた事に加え、魔化魍は本編でもCGで表現されているのでCGに対する抵抗は少ないです。しかしオロチに対する印象は良くありません。ぶっちゃけ格好良くありません。折角の劇場版なのですから、ヤマタノオロチの様な大物が見たかったですなぁ。

□戦国時代

 明日夢が過去の文献を調べると言う形で、舞台は過去の時代へと移ります。鈴があきらだと言う事には気付きましたが、明日夢の母親やみどりについては全く気付きませんでした。また今年は昨年の、つまり剣の役者が出演する事も無いのですね。何故か河野さんがまた出ていましたが(尤もこれにも気付きはしませんでしたが)。

□仮面ライダー歌舞鬼

 村人が殺されているのに悠長に現れた事で第一印象は悪かったのですが、その後の遣り取りを見ていて印象が良くなりました。火焔大将との戦闘も見応えがあり楽しめました。ただ変身したらオヤクシャボーマばりに、歌舞伎調で名乗りを上げてくれると思っていたので、それが無かったのは大いに不満です。名乗って欲しかったなァ。
 歌舞鬼を『ご当地ライダー激闘ファイル』で見た時は、中国風の意匠が気に入らなかったのですが、その魅力ある振る舞いにそんな事は気にならなくなりました。既に記憶が薄れつつあるのですが、変身エフェクトは桜でしたっけ? 主に『鳴刀 音叉剣』を駆使した戦闘を繰り広げますが、剣を必要以上に強調しない、それこそ己の手足が如く武器として使いこなしている姿が最高に格好良いです。己の肉体か音撃を武器とする鬼が剣を使う事に抵抗もありますが、後に登場する“あれ”に比べたら問題無いも同然です。パンフレットを見てから気付いたのですが歌舞鬼は撥が専門なのですね(弦が好きなので弦の方が良かったですなぁ)。唯一音撃を披露する事が無かったのが歌舞鬼好きとしてはとても残念です。『音撃棒烈翠』から繰り出す『音撃打豪火絢爛』は名前も凄そうですから是非見たかったですね。
 これまでに変身前の姿を触れる事はありませんでしたが、歌舞鬼は変身前も格好良いですね。格好良いと言うより“綺麗”とか“美しい”でしょうか。惚れ惚れしますよ。ムック(劇場版仮面ライダー響鬼と7人の戦闘鬼完全攻略ガイド)で初めて知ったのですが、演者は『555』にも出演していたのですね。調べてみたのですがアルマジロオルフェノク、森下義正役ですね。そして外見だけでなく内面が魅力的なのも歌舞鬼です。魔化魍退治の報酬である芋を気前良く子供にあげる姿は素敵です。己の実力を過信せずオロチには敵わない事を素直に認め、しかし困っている人間を助ける為に立ち上がる、こんなに格好良い事はありません。昨年もグレイブが好きでしたし、絶対悪ではなく、独特な善悪の線引きが存在する敵が好きなのですね。
 この映画が余り楽しみではなかった理由の一つに、劇場版に登場する所謂ご当地ライダーに魅力を感じなかった事が挙げられます。しかし歌舞鬼の魅力でその点は一瞬の内に解決しましたよ(笑)。

□仮面ライダー威吹鬼

 オロチを退治する為に仲間を集める歌舞鬼ですが、響鬼に断られて次に向かったのが威吹鬼です。戦で手柄を立てて大名までのし上がったと言う威吹鬼は、殿様姿で現れて驚きを誘いました。歌舞鬼の誘いに応じ共に暴れ出す姿は爽快ですね。武器や技は現代のと同様で、『音撃射 疾風一閃』を必殺技とします。安直な考えですが、この威吹鬼の子孫が、現代の威吹鬼さんと考えても良いのですよね?

□仮面ライダー凍鬼

 斬鬼さんと同じ方が演じていると言う事で注目の鬼です。雪、凍気を連想させる白と、北海道に生息する熊がモティーフです。変身エフェクトも凍気が包み込む形です。響鬼や歌舞鬼と同じく撥の戦士かなと思ったのですが、音撃武器の名は『音撃棍棒烈凍』と、差別化がなされているので別の分類と考えるのでしょうか(或いは派生でしょうか)。烈凍を振り回して殴る様は、まさに昔話に出て来る鬼で、そのままでも強そうです。必殺技は『音撃殴一撃怒涛』で、大きな銅鑼を叩く要領で音撃を炸裂されます。その様はとにかく豪快ですが、烈凍で直接どついた方がずっと痛そうだと言うのは禁句でしょうか(笑)。また鬼幻術(?)として、頭部にある熊の面から凍気を発して攻撃します。
 凍鬼さんそのものは斬鬼さん程の魅力は感じなかったのですが、飽く迄別の役ですからね。仏の道を歩み鬼となったと言う事ですが、身勝手な人間に対して怒る場面もあり未だ完熟していない印象です。鬼としての系統こそ違いますが斬鬼さんの先祖に当たるのでしょうか。

□歌舞鬼&威吹鬼&凍鬼対怪童子&妖姫&オロチ

 鬼が三人集まったと言う事で血狂魔党に挑むのですが、オロチは手強く敗走する事となります。負けはしましたが三人が変身して歩む姿は格好良かったです。

□仮面ライダー煌鬼

 敗北の末に村から追い出された三人の前に、凧に乗って現れると言う派手な登場を果たしました。歌舞鬼が仲間を捜していると聞いて名護屋からやって来たそうで、何とも仲間思いではありませんか。金の鯱が頭に乗っていると言う大胆なデザインです。水中戦が得意と言うのも個性的ですね。音撃武器は『音撃震張(シンバル)烈盤』、放たれる『音撃拍軽佻訃爆』は大きな音が響いていると言うのが一目瞭然で、音を武器にすると言う意味で強そうです。烈火は投擲武器としても効果を発揮します。
 小生の主観ではありますが、煌鬼は最も影が薄くなってしまった感があります。戦闘面はともかくとして、彼個人の性格が余り伝わって来ませんでした。一体どういう人間だったのか、正直思い出せません。パンフやムックにはムードメーカー的な存在と書かれていますので、絶えず騒ぎ立て盛り上げる役でしょうか。

□仮面ライダー西鬼

 煌鬼に奮い立たされ再び仲間を集める事とした一行。そんな彼らが目をつけたのが、泥棒として名を馳せていた西鬼でした。蕎麦を手繰っていた時に処刑されると言う知らせを見た時の慌てた様子が面白かったです。大阪と言う事で虎をモティーフにしており、戦闘でも虎の様に四足で地を駆けます。ガオレンジャーやギンガマンを思い出しますな。普段は三節棍として使える『音撃三角(トライアングル)烈節』が音撃武器で、必殺技は只管にそれを響かせる『音撃響偉羅射威』。その名前を知って唖然としました。確かに思い返してみれば、技を放った時に西鬼が「いらっしゃ〜い、いらっしゃ〜い、いらっしゃ〜い!」と連呼していた気がします。この笑いを誘う名前が、大阪人のユーモラスな気風を表現していますね(?)。
 泥棒として盗みを重ねていた西鬼ですが、彼の様な人が居るから鬼と人間の溝が埋まらないのだと思います(笑)。村人殺害に烈節が使われた時の、盗まれた事を笑う姿が愉快でした。

□仮面ライダー羽撃鬼

 羽撃鬼は短時間ながら空中を飛行する事が可能な、鷹をモティーフとした鬼です。肩の羽が際立たせるフォルムと『音撃吹道(フルート)烈空』を優雅に揮う姿が華麗です。そしてそれは、音撃技の『音撃奏旋風一閃』にも表れています。落ち着いた佇まいで横笛を奏でる様は素晴らしいですね。
 後の仲間割れでも人間を守ろうとした羽撃鬼ですが、矢張り結婚している事を考えると自然に思えますね。

□仮面ライダー轟鬼

 TVシリーズでバケガニと戦っている姿を頻繁に目にする轟鬼ですが、この劇場版でも初登場はそんな場面でした。思わず心の中で、「またバケガニか!」叫んでしまいましたよ。威吹鬼同様に現代の轟鬼と同じ術を使います。勿論決め技は必殺の『音撃斬 雷電激震』です。
 彼の使う烈雷が現代の斬鬼に、そして子孫である現代の轟鬼に受け継がれたであろう事を思うと感慨深いですね。

□鬼の仲間割れ

 ひとえを捜していた村人の死を契機に、とうとう鬼と村人の確執が表面化します。寄り合い所に火を放った村人に対して、「仏の顔も三度までじゃあ!!」と怒りを爆発させる凍鬼、西鬼、煌鬼。鬼が攻勢に出た途端に逃げ腰になる村人が情けなくて良いですね。ぷぷーっ!
歌舞鬼「人間を傷付ける奴は、許さねェ!!!」
 この歌舞鬼の叫びが格好良いです。歌舞鬼は本当に、どんな仕打ちを受けようとも、鬼として人間を守ろうとしているのだな、そう思わせてくれます。威吹鬼、轟鬼、羽撃鬼も歌舞鬼に同調します。あわや本格的な激突かと言うその時に響鬼が現れ、その場は取り敢えず収まりました。

□歌舞鬼の裏切り

 これはもう本当に衝撃的でした。響鬼のテレビシリーズでは鬼同士の対立が無い事と、まさかあの歌舞鬼が裏切るとは思わなかった、その二つの要素が重なり非常に驚愕させられました。でも、例えば「人間を傷付ける奴は〜」とか、「どんな人間でも守るのが〜」と言う台詞は明らかに演技だったのでしょうが、子供に芋を分け与えた姿は紛れも無く心底本音だったと思いたいです。いえ、そうに決まっています(断言)。この作品内で殺めた人間もひとえを捜していた、言わば間接的にひとえを殺そうとしていた人間です。インタビュー等でも触れられていますが、身勝手な大人を嫌っているだけで、子供の事は今でも変わらず大切に思い続けている事が理解ります。

□響鬼対火焔大将、歌舞鬼

 火焔大将との戦闘は決め技となった鬼火の使い方が巧いですね。
 明日夢から弟子であった猛士の剣を受け取り、明日夢に促され、変身を決意した響鬼と歌舞鬼の対決です。番傘で切っ先を隠し音叉剣で攻撃する歌舞鬼が格好良かったです。歌舞伎調の名乗りこそありませんでしたが、番傘の使い方は“歌舞伎”の名に相応しいです。
 しかし此処で気になったのは、死後の歌舞鬼に何のフォローも無かった事です。歌舞鬼の想いは多くの鬼に思い当たるものがある事で、行動にこそ移さずとも同じ事を考えた鬼は多かった筈です。その事に誰か触れて欲しかったですね。或いは死んでいなかった歌舞鬼が改心して助太刀に現れると言う展開でも良かったかも知れません。現代に歌舞鬼の幽体が現れるとかでも面白いでしょう。今後のTVシリーズで登場すると嬉しいですね。

□音式神カラクリ動物

 現代のディスクアニマルに相当するであろう存在で、茜鷹、消炭鴉、岩紅獅子、白練大猿の四種が登場しました(起動したものに限る)。ディスクアニマルとの最大の違いはその大きさで最初に起動した時は驚きました(特に凄いのは白練大猿で、オロチに匹敵するサイズで掴みかかります)。また白練大猿に特にその傾向が顕著なのですが、材質が異なり独特の質感を放っております。
 ディスクアニマルは起動後の形状がこの時と比べて大分小さくなっていますが、これは恐らく鬼がその姿を隠すようになった事に由来して、隠密性を高める為の意味もあるのでは、と思います(単純に技術的な問題もあるでしょうが)。鬼が認知されていた戦国時代と認知されていない現代、現代では鬼を受け入れることの可能な人間が極一部に居るだけであり、その実鬼と人間の溝は全然埋まっていないのですよねぇ。

□最終決戦

 戦闘員的存在として登場したのが、『魔化魍忍群』です。視聴中は気にも留めませんでしたが、紅狐と白狐の二種類が存在。響鬼の烈火弾で豪快に爆発を起こし吹き飛びました。その他の鬼と忍群が戦う中で、轟鬼が怪童子と、凍鬼が妖姫と戦闘、其其撃破しました。
 次なる相手はオロチの童子と姫が鬼を迎撃する為に迎え入れた魔化魍ヒトツミ。皆で取り囲み、一撃怒涛、旋風一閃、疾風一閃、軽佻訃爆、偉羅射威、雷電激震、そして最後に・・・最後に? 何の技で止めを刺しましたっけ?(爆) 単にどの技を使ったのか理解できなかったのか、技名の発声がされたのにその事を忘れたのか、そのどちらであるかすら覚えていません(死)。とにかく、怒涛の連続音撃でヒトツミを斃します。ヒーローの見せ場として盛り上がる場面ですね。
 戦国時代のオロチ戦は最後まで描かれずに終わりましたが、現代の展開があるのでこの流れは凄く好きです。

装甲(アームド)響鬼

 正直に言うと好きではありません。武者童子や鎧姫の先蹤があるので、鎧を纏ってパワーアップと言うのは自然です。しかし鎧を纏うにしても、もっと世界観に沿った違和感の無いデザインと言うのがあるのではないでしょうか。装甲響鬼のデザインは余りに場違いな感があります。また名前も『装甲(アームド)響鬼』と呼ばせず、そのまま『装甲(そうこう)響鬼』で良いのではなかろうか。理解に苦しみます。装甲響鬼が嫌いな要因の一つが、武器である『装甲声刃(アームドセイバー)』です。音撃を武器とする鬼が普通の武器を使う、これはアイデンティティを根底から覆しかねない事態です。烈火剣や音叉剣はぎりぎり許容出来ましたがこれはデザインも含めて辛いですなぁ。そのまま変化せずに、止めを猛士の作った剣で刺した方が良かったですわ。
 世界観とか難しい事を考えなければ、装甲響鬼は格好良いです。しかし世界観云云を別にしても頭部前面ゴーグルの下半分が塗り分けられ、マスク状にされているのは純粋に格好良くありません。それにあの能面の様な顔こそが、響鬼のデザイン的な個性だったのでそれを無くしてしまうのは惜しいです。

□ご当地ライダー

 最終決戦で並んで変身した時に思いましたが、ご当地ライダーはTVシリーズのラインから浮いています。派手な色合いが原因なのでしょうね。マジョーラカラーが使われなかったのも明らかに残念な点です。それと暗い色合いの時は気にならなかったのですが、明るいと腹筋がはっきりと見えて気持ちが悪いです(死)。
 但し、その統一感の無さを別にすれば、気に入っております。銅鑼、トライアングル、シンバル、フルートと多彩な音撃武器が見られて良いですね。現代では鼓、管、弦の三つだけですが、これはより効率的な方向へと進み、最低限魔化魍に対応出来る物に絞られて行ったのでしょうね。
 弊害としては五人もの人数が登場してしまった為に、一人ひとりに割かれる時間が少なく印象が薄くなりがちだと言う事でしょうか。前述しましたが特に煌鬼がそうだった様に思えます。

□エンディング

 率直に言って主題歌は作品に合っていないです。CFで聞いている時は何とも思いませんでしたが、劇場でこれが流れ出した時に強く感じました。それまでの雰囲気が崩されてしまいました。平成ライダーの劇場版で主題歌が合っていないと感じたのはプロジェクトG4以来ですね。TVシリーズのOPかEDを使って欲しかったと思います。またキャストクレジットに目を奪われていたので映像を見る余裕が余りありませんでした。その後が描写された様で勿体無かったです。
 逆にEDで良いと感じた部分もあります。歌舞鬼が子供に芋を上げる場面が映った時は非常に強く胸を打たれました。本作最大の名場面でしょう。同時にそれだけ歌舞鬼が好きだと言う事でもあります。本当に歌舞鬼は素晴らしい鬼でした。

□パンフレット、ムック

 パンフは例年に比して、ライダーと戦隊の位置が入れ替わっております。これまでが統一されていたので何で変えてしまったのだろう、と思ったのですが、和風の作品である響鬼を縦書きにする為の処置だったのですね。その心配りは評価に値しますが、それでもこれまでが統一されていたので残念です。
 角川のムックは毎年スタッフインタビューが充実していて読み応えがあります。その反面、発売時期の関係から結末が描かれていないのが残念です。でもその割に装甲響鬼は堂堂と掲載しているのですよね。そりゃ物語的に重要なのが歌舞鬼の裏切りである事は理解りますが、作品としては装甲響鬼の存在も負けず劣らず重要なのではないでしょうか。劇場版の新フォーム登場は毎年の事なので予測出来るとは言え、このやり方には疑問があります(装甲響鬼が掲載された事に、ではなく、歌舞鬼の裏切りについて書かれていないのに装甲響鬼が掲載されている事に、です)。個人的には発売時期をずらして結末まで完全に掲載して欲しいのですがね。

□総評

 基本的に平成ライダーの劇場版は毎年面白く、今年もその例に漏れません。歴代最高とは言い切れませんがとても面白かったです。見る前は然程楽しみではありませんでしたが、いざ見てみれば完璧に心を奪われました。特に、くどいようですが、歌舞鬼が良かったですね。もしも歌舞鬼が居なければ、ここまで絶賛はしなかったでしょう。前半は『歌舞鬼と愉快な仲間達の珍道中』と言う趣でしたね。
 しかし当然の事ながら不満も見受けられます。大きいものを挙げるとオロチが余り格好良くなかった事、明日夢が響鬼さんの魔化魍退治に付き添い響鬼さんから名前で呼ばれている事、そして装甲響鬼の件です。オロチに関してはそれほど重要視しませんが残りの二つは大きいです。本作で描かれた明日夢と響鬼さんの関係は違和感が禁じ得ません。尤も、TVシリーズで明日夢が弟子入りしてこの様な関係へと変化、それから暫しの時を経れば自然と慣れてしまう事でしょう。しかしながら明日夢には響鬼さんに弟子入りして欲しくないと思い続けていましたので、そうなってしまう事が嫌だと言う部分も含んで不満点です。装甲響鬼も同じく今後TVシリーズにも登場する事が残念に思います。もしも劇場版だけの存在であれば、それでも不満は言ったでしょうが割り切る事が出来ました。しかしTVシリーズに登場する事を思うと残念です。
 パンフ等では“時代劇”と強調されていますが、それには疑問があります。時代劇なんぞ見た事もありませんしその何たるかも知りませんが、時代設定が戦国時代なら時代劇と言うわけではないでしょう。この作品を時代劇と称するには些か無理があるのではないでしょうか。
 そんな不満を差し引いても面白いと言えますし、間違い無く好きな作品でもありました。TVシリーズは盛り上がりに欠ける感がありましたが流石は劇場版ですね。

(05.08.09)

 

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