忍風戦隊ハリケンジャー
シュシュッと
THE MOVIE

□冒頭

 謎の未確認飛行物体(=トライコンドル)を追う天空神シノビマシンモード。撃墜される。
 うぅ、シュリいきなりこんな役ですか。哀しいです(涙)
 それを助けに向かうハリケンの面々。ギンガマンだ、ギンガマン!馬に乗って駆けつけます。やっぱりギンガマンだ、ギンガマン!レッドのみ白馬です。

□ライーナ&ナックル

 今回の物語の鍵を握る人物。ライーナはアストラム第四惑星のプリンセスで、その身には焼いて食すると不死になる能力がある。その能力の為、周囲から人間としては見られておらず、その反動か我侭である。
 ナックルはライーナに付き従う従者ロボット。普段は星型のブレスレットになっている。
 登場シーン。ミオさんは外見からして風雷丸の様な声を想像したものの、出てきた声はまるで正反対。なんと、みやむーであった。これは予想外の出来事である。

□ヒザール&ブリザール アシュラザール

 宇宙からライーナを追って来たザール一族。宇宙忍猿。ジャカンジャに雇われる振りをして騙した。
 ブリザールは妙な鳴き声を発するのみで喋らない為、ヒザールが兄貴分であると思われる。ブリザールのその様は、まるでラー(byスペクトルマン)の様。名前の通り、ヒザールが炎を操り、ブリザールが氷を操る。宇宙忍法“猿回し”で他の生物を操る。また、協力してヒブリザール砲を放つ。
 二人が合体、巨大化する事により誕生するのがアシュラザールである。
 余談ではあるが、宣伝を見た当時小生は、便宜的に金閣、銀閣と呼んでいた(笑)。実際は全然違いましたね。また宣伝では、「あいつらはジャカンジャよりも強いのか」などと言われていたが、予想通り大した戦闘力は持っていなかった。その割にはジャカンジャの幹部連中を操っていたけど(苦笑)。劇中でも度々サルと呼ばれていて、威厳も何も無いと感じた。

□ジャカンジャ

 今回、ジャカンジャの見せ場は非常に少ない。煽てられたサタラクラが様々な事を喋ってしまい、用無しとばかりに宇宙忍猿に凍らされてしまった。その後操られてしまう。しかし、最初の登場シーンは非常に格好良いと思う。タウ・ザント様を中心とし、幹部五人が並ぶその様は、威厳と迫力に満ち溢れた、正真正銘の悪の軍団だった。
 操られたマンマルバ、フラビー、ウェンディーはゴウライジャーと戦った。“炎の牙”を駆るマンマルバと“バリサンダー”を駆るカブトライジャーの戦いは非常に見応えのある素晴らしい物だった。ウェンディー、フラビーコンビはクワガライジャーに敗れ去る。
 サーガイン、サタラクラはシュリと戦うことに。サタラクラの術で五匹の中忍が蘇る。何故かその中にクッツク法師が居た。何でクッツク法師はこう何度も復活するのだろうか、どうせすぐに死んでしまうと言うのに。サタラクラは直接攻撃できず、サーガインは行動すら起こす事無くシュリの前に敗れ去った。
 総じて、今回ジャカンジャの扱いは悪かったと思う。但し最初の方の会話で、矢張りサーガインはマンマルバと共にシリアスキャラであり、頭脳派だと言う事が読み取れてよかった。それに反しサタラクラは何と言う体たらくであろうか。魂食いの儀を行う場所をペラペラと喋ってしまう。タウ・ザントが注意するものの時既に遅しであった。しかし、ジャカンジャはあんな猿どもに簡単に手玉にされてしまう様な集団だったのか。がっくりである。

□シュリ

 シュリは冒頭で撃破された後、ハリケンの前に立ちはだかったサーガイン、サタラクラと対峙する。サタラクラが中忍を蘇らせると、すぐにファイヤーモードへとチェンジし、瞬く間に撃破した。
 時間の関係上とは言え、あまりにもあっさりしすぎた戦いであった。これでは、シュリを引き立てると言うより、サーガインとサタラクラが雑魚の様に見えてしまう。また、モードチェンジがあまりにも早く、シュリが非常に短気に見える。某ニンジャマン以上ではなかろうか。これに宇宙忍者統一流を任せられるのか甚だ疑問である。

□その他の戦闘シーン

 ライーナを救い出したハリケンの面々は、ヒザール、ブリザールコンビと戦う。レッド、ブルーがヒザールと戦った。巧く戦ってはいたが、特筆すべき点はあまり無い。一方イエローは、ブリザールと対峙する事に。この時、イエローは舞獅子で八人に分身する。合成ではなく実際に八人居るのは面白さ抜群、その後、レッド、ブルーと並ぶ時まで八人居たのは最高であった。普段影が薄い事の多いイエローであるが、今回の戦闘シーンは非常に良かったと思う。

□ハム館長

 疾風の里へ来たライーナは、ハム館長を見るなり可愛いとキスをする。すると何故か、ハム館長は人間の姿へと戻った。これも、ライーナの不思議な能力の一端であろう。残念ながら、最後にまたハムスターの姿へと戻ってしまう。
 ハムスターがキスされていたが、西田健は嬉しくもなんともなかろうなぁ、とか思っていたら急に登場したのでかなり驚愕した。意外にも、西田健と高田聖子がハリケンジャーで共演したのは初との事である。いつもは声だけの登場ですからねぇ。

□巨大ロボ戦

 アシュラザールの登場に対し、ハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーもシノビマシンを呼ぶ。六大シノビマシンが一同に介し走り来る様は格好良い、の一言。このシーンの為に歩くギミック付きのハリケンレオンも作られたとか。勢揃いしたシノビマシンは其々、旋風神、轟雷神、天空神へと変形・合体する。そのまま直ぐに三体が同時に究極奥義を放つも、アシュラザールには何の効果もなかった。だが、ライーナの持つトライコンドルもカラクリボールシステムを利用しており、合体することが可能であった。銀河超越・三神合体 天雷旋風神が誕生した。その戦闘力は圧倒的で、一瞬でアシュラザールを撃破する。
 時間の都合上とは言え、天雷旋風神誕生までの流れが速すぎた様に思える。尤も、全体のテンポが速い為、特別気になると言うほどでもなかったが。ところで、トライコンドルが去ってしまったと言う事は、天雷旋風神は二度と登場することが出来ないのであろうか。個人的にはこのようなシーンを希望。
吼太「あれ? 朧さん、何やってるんですか?」
朧「これな。前来たお姫さんのマシンの事を研究しとるんや。これが分かれば、天雷旋風神をもっかい作りり出す事も可能ってこっちゃ」
ハム館長「うむ・・・何故あれもカラクリボールシステムを・・・御前様は何か知っておるのだろうか」

□エンディング

 エンディングは、登場した面々と共にオープニングテーマを熱唱すると言う物だった(最初に、一緒に唄おう、という掛け声が入る)。昨年のガオレンジャーのオープニングと同じ形である。私以外殆ど唄っていないと言うのが寂しかった(お前は歌ったのか!?)。

□総評

 30分と言う時間の制約上、展開の早さは致し方ないとしても、ライーナと鷹介の絡みをメインに持って来たのは個人的にはイマイチであった。その分で、他のメンバーが殆ど目立たないのはいただけない。矢張りこういう場合は、特定のキャラを主役に据えるのではなく、昨年のガオレンジャーの様に皆に見せ場がある様な展開にして欲しい。
 と、まぁ、文句はあるものの、楽しく見れる作品ではあったと思う。小難しく考えずに楽しめる作品、子供向けとしてはこれが一番ではないであろうか。実に密度の濃い30分間であった。

(02.08.21)

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