海賊戦隊ゴーカイジャー
VS
宇宙刑事ギャバン
THE MOVIE

□艦隊戦

 冒頭にてゴーカイガレオンとドルギランが夜の都市を舞台に戦闘を繰り広げますが、こういうのは本編でももっとやって欲しかったですなぁ。海賊と言うモティーフで立派な船まであるのですから、操舵士、砲撃手など役割を持たせた戦闘が見たかったです。話はずれてしまいますがゴーカイジャーの一号ロボは合体ロボではなくガレオン単体の変形ロボにした方がすっきりしましたよね。居住区として毎回登場し、そして前述の艦隊戦を入れてくれればメカ戦闘も描けるし、合体一辺倒ではなくそういった柔軟性を見せて欲しかったです。
 ところで分かっていましたがドルはCGでしたね。ドルは東映を代表する渾身のミニチュア特撮ですから、今の技術で見せられても凄いと思えないです。

□一条寺烈/ギャバン

 今作の目玉であろうギャバンの登場ですが、思い入れも無いので感慨はありませんでした。「よろしく勇気」と主題歌のフレーズを引用し宛ら彼を代表する台詞の様に扱われていますが、違和感がありましたなぁ。しかも蒸着の場面はギャバンのナレーターではなくゴーカイジャーのナレーターがナレーションを担当しています。これでは画竜点睛を欠いているでしょう。隣に座っていた変なのが「やっぱこれだよなぁ!」と莫迦みたいに煩く喧しく興奮していましたが、これでは不完全でしょう。

□曙四郎/バトルケニア、青梅大五郎/デンジブルー

 烈がコスプレしているだけにしか見えませんでした(苦笑)。昔は変身前の顔など区別が付きませんでしたが、流石に同一作品で共演していると変ですなぁ。そしてこの二人は活躍がありません。戦闘員が相手でも良いので変身して戦って欲しかったです。

□ギャバンブートレグ

 宇宙警察とザンギャックの技術を合わせて作り上げた最強の戦士だそうですが、それならシャイダーブートレグにするべきではないでしょうか? いあ、実際にそうなっていたら絶対に「何でギャバンと戦うのにギャバンの海賊版ではなくシャイダーなのさ!?」と文句を言っていたでしょうが(ぉ

□アシュラーダ

 迫力のあるデザインで強そうでした。大柄な体躯に伸びる腕が映画の怪人に相応しい豪華さで、歩くと垂れ下がった鎖が引き摺られるのが印象的です。戦隊怪人のデザインでこれほど格好良いと思ったのは久し振りでした。思わぬ僥倖です(思う僥倖では意味としておかしいのでそりゃ僥倖は思わぬなのでしょうが)

□ドン・ホラー

 ドン・ホラー? 誰ですかそれは?(マクーのボスだってば) ハカセことドン・ドッゴイヤーの親戚ですか? そんな事を考えていたのですが劇中でも名前をネタにされていましたね(鎧やアイムからの信頼が厚い様子が良かったです)。脚本家によれば没ネタとしてハカセがドン・ホラーの孫と言う設定もあったそうですが、それは没にせず採用して欲しかったかしら。いあ、でも、他作品の血族と言うのも微妙でしょうか。
 しかしハカセは今回も良い味を出していましたなぁ。気弱そうでいてさり気無くゴーカイイエローを巻き込んだり、そのまま「行くよっ、ルカ!」と命令をしているのが面白かったです。

□魔空監獄の囚人

 過去の戦隊から様様な悪役が収監されており賑やかな様相を呈しています。ただ最近の作品に偏っているのでもう少し昔の作品からも満遍無く出して欲しかったですなぁ。それと呪いを連呼するバンキュリアは完全にオリジナルと別人でしたなぁ。何で一人だけこんな扱いなのでしょう?

□特命戦隊ゴーバスターズ

 VSシリーズで次回作がゲスト出演するのが恒例化していたのですが、完全に失念していたので予測しておらず登場を新鮮に驚けました。バスコを相手にした戦い振りがとても格好良くて放送開始が楽しみになりましたわ。これだけで判断する事ではありませんがゴーバスターズは面白そうですね。あと各人のコードネームがレッドバスター、ブルーバスター、イエローバスターだったのですが、物凄く久し振りに『(戦隊名)+(色名)』と安直なパターンから抜けてくれたのが嬉しいです。メガレンジャーから延延とずっとこれが続いておりずっとずっと不満に思っていましたのでやっとやっと念願が叶いました。
 それにしてもあのバスコと渡り合うとは、アクマロ、十臓、薄皮太夫を撃退したゴセイジャー同様の大活躍ですね。これに比べるとゴーカイジャーの相手はシタリで微妙でしたね(笑)。

□「ド派手に脱獄だぜ!」

 これは気持ちが良かったです。実に爽快な場面でした。

□総評

 正直、複雑でした。199ヒーロー大決戦が実質ゴーカイジャーVSゴセイジャーでしたから別の作品が作られるだろうとは思っていましたが、それならギャバンと共演させる前にガオレンジャーやボウケンジャーの様にVSスーパー戦隊にして欲しかったです。ゴーカイジャーに登場していない歴代戦隊もあるのですからそれを出すのが先ではないでしょうか。
 本編に関しては可も無く不可も無くですね。ザンギャックの幹部が誰も前線に出なかったのが物足りないものの、他は短い時間に凝縮されていて面白かったです。ジェラシット、エルダーの再登場などゴーカイジャーの怪人も出す部分は、ちゃんと世界観が生きているのを感じさせてくれました。

 

(12.1.21)

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