特命戦隊ゴーバスターズ
VS
海賊戦隊ゴーカイジャー
THE MOVIE

□宇宙海賊ゴーカイジャー

 アクドス・ギルの甥であるバッカス・ギルが率いて再興したザンギャックに、エンターとゴーカイジャーが同行しています。何か考えがあっての行動なのでしょうが黒いゴーカイガレオンの砲撃で大きな被害が出ています。例え大きな目的の為だとしてもこの時点で許せません。やっぱりゴーカイジャーは所詮は宇宙海賊で、戦隊とは認められませんな。
 それはそうと効果音が良いですね。劇場の大音量と相俟ってガレオンの砲撃音が迫力満点でした。

□時空移動

 集まった伝説のレンジャーキーの力が暴走してゴーバスターズやゴーカイジャーを時間も場所もばらばらに移動させてしまいます。しかしこれが然程盛り上がりもせず、態態時間移動を絡める必要があったのかと疑問が残りました。別に同じ時間軸の世界各地で充分なレベルです。

□江戸時代

 また江戸時代なのかと出た瞬間に心から幻滅しました。東映特撮で江戸時代は使用禁止にして欲しいくらいです。しかし悪い事ばかりではなく、江戸の町をレッドバスターが乗ったニックが疾走する異質な組み合わせは凄く格好良かったです。またバスターエースとメガゾードυ戦い夜の町が炎に包まれる光景も見物でした。江戸時代も許せると思えた瞬間です。

□「見えますか。この亜空間の広がりを」

 少し不自然な言い回しに思えました。「見えますか。この亜空間の広がりが」か「見てください。この亜空間の広がりを」が適当な日本語ではないでしょうか。

□「お前達はスーパー戦隊として未だ半人前だ」

 ゴーバスターズにマーベラスが言い放った言葉ですが、ゴーカイジャーに言われたくありません。ゴーカイジャーなんて半人前どころかスーパー戦隊を名乗る資格すらありません。

□ワレドナイヤー

 嘗て登場したザンギャック親衛隊長のデラツエイガーに酷似した外見の怪人です。しかしデラツエイガーは確かに魅力的でミオさんも好きでしたが、だからと言ってそのそっくりさんを出されても嬉しい訳ではありません。それにJとの絡みが無いので何の為に出したのかさっぱりピーマンでした。

□名乗り

 ゴーバスターズとゴーカイジャーが変身して名乗り口上を述べるのですが、此処でゴーカイジャーの「さぁ、派手に行こうぜ!」が欲しかったです。変身する直前にマーベラスが啖呵を切っていたので其処を何時もの「さぁ、派手に行こうぜ!」で締めると気持ちが良かったのですがねぇ。

□充電戦隊キョウリュウジャー

 恒例である上に最近は隠さないどころか堂堂と宣伝までしている新しい戦隊の顔見世です。キョウリュウジャーのマスクやスーツのデザインは非常に格好良かったのですが、ヒーローらしからぬ性格や態度に激しく幻滅させられました。変則的な戦隊が続いているのでオーソドックスな頼れるヒーローの戦隊らしい戦隊が見たかったですなぁ。デザインが良いだけに余計に残念です。
 キョウリュウジャーへの不満は別にして、毎年思っているのですがやっぱりこの時点で次回作の戦隊を出すのは不要に思えてなりません。

□アバター

 エンターが生み出したアバターとしてエスケイプ、バスコ、ダマラスが登場しました。バスコが出て嬉しかったのですがオリジナルの脅威は感じられない扱いでしたなぁ。エスケイプも同様で彼女は映画への登場はこれが初めてだったのに冷遇されていますね。

□メガゾードタイプΩ

 バッカス・ギルにワレドナイヤーと怪人がザンギャックばかりで、エンターこそ出るもののヴァグラス側が少なくて不満だったのですがそのポジションがこのメガゾードだったのですね。υ以来のエンターが操縦するタイプですが物物しく迫力に満ちていました。顔のデザインも印象的で気に入っています。

□ロボのゴーカイチェンジ

 ゴーカイジャーやゴーバスターズのロボが歴代の戦隊ロボにゴーカイチェンジしました。まさにこれはロボに拘るゴーバスターズとゴーカイジャーの組み合わせならではでしょう。これは嬉しいです。その人選ならぬロボ選も、チーター繋がりでバスターエースがゲキトージャ、元ネタと言う事で豪獣神が大獣神といった具合に関連性のあるものが選ばれていました。就中演者繋がりでバスタービートがマジキングにチェンジしたのは見もので、ビートバスターが漏らした「何かしっくりくるなぁ、これ」には映画館からも笑いが聞こえました。それにしても大獣神もそうでしたがフラッシュキングとかスーツが残っていたのでしょうか。これには驚かされましたわ。

□総評

 劇場映画になってからのVSシリーズは脂が乗った出来なので安心して見られるのですが、取り分けゴセイジャーVSシンケンジャーが素晴らしい完成度だったのが記憶に新しいです。今回はその時と同じ脚本家と言う事で期待しておりましたが、流石にゴセイジャーVSシンケンジャーには劣るものの満足のいく内容でした。今作はゴーバスターズとゴーカイジャーの絡みが薄味で、VSシリーズと言うよりもゴーバスターズにゴーカイジャーがゲスト出演したといった趣です。ゴーバスターズが好きなのでこれに何の文句も無く素直に楽しめました。
 ゴーバスターズらしく巨大戦闘への拘りがあり充実しているのは見所でしょう。まさに映画館で堪能出来て良かったと思える素晴らしいクオリティです。ゴーバスターズが銀幕に登場したのはこれで三度目となりますが巨大戦闘の質はこれが最高と感じました。
 大きく不満があったのはゴーカイチェンジでターボレンジャーに変身してくれなかった事でした。複数の戦隊にチェンジしていましたからロボも含めて何らかの形で歴代の全戦隊にゴーカイチェンジしてくれるのかと思ったのですが、そうはなりませんでした。其処は何とか全戦隊を網羅して欲しかったと思います。そして常から不遇なターボレンジャーは、当然の様にチェンジされない側でした。とても哀しかったです。或いはムービー大戦メガマックス、アルティメイタムの監督であれば、見事なゴーカイチェンジの乱舞を見せてくれたのかも、と詮無き事を考えてしまうのでした。

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(13.01.30)