ゴジラ FINAL WARS

□ポスターイラスト

 映画本編とは関係ありませんが本作のポスターイラストは好きではありません。歴代作品のイラストはどれもが格好良かったのです(G×MG、GMMGは好みでありませんでしたが)が、今回に関しては余り良いとは思えませんでした。記念碑的作品となるのですから歴代で一番格好良いと思えるイラストが良かったです。ゴジラ単独のイラストはゴジラが本編以上に格好良いと思いますが、他の怪獣が映っていてそれぐらい格好良いのが見たかったです。

□冒頭

 これまでのゴジラの映像がインサートされますが、それはつまりこの作品は昭和シリーズもVSシリーズもミレニアムシリーズも、全て存在した世界と言う事なのでしょうか。そうだとすれば凄く嬉しく思います。ゲゾラとかも映りましたね。東京SOSにはカメーバが出演しましたから、これで残るはガニメだけですな。

□マンダVS新・轟天号

 マンダのデザインは格好良くなりましたがCGでくねくね動いていて萎えます。しかしいきなりのこの戦闘で一気に画面に引き込まれました。マンダが呆気無くやられてしまったのは残念です。宿敵との再戦が叶った形となりましたが、ここで終わらず高速道路に巻き付いて欲しかったです。今作のマンダは単なる締め上げに『バインディング・ブリーカー』と大層な名前がついておりますな。

□ゴードン大佐

 この人が非常に格好良いです。マンダとの戦闘も良いですし、その後もとにかく格好良い。「尾崎、お前中中用意が良いじゃないか」は笑えました。日本刀を武器にした戦闘が少なめなのは意外でしたが、かなり格好良かったです。二人の親衛隊員との戦闘を終えて、数十人のX星人と戦った仲間に向かって「先に行けと言ったろう」と何事も無く言い放つ姿も良いです。時に、音無杏奈と何時の間に恋仲になったのでしょうか。それとも以前からの知り合い?

□ミュータントとM機関

 ミュータントの設定は嫌いではありませんが、それだけで一本作品が作れるだけのものです(X−メンとかがそれですな)ので余計な気がしました。しかし見ている内にそんな事は気にならなくなりました。

□風間勝範

 ケイン・コスギの日本語はたどたどしいですな。日本で有名になってからそれなりに時が経過しているのですから、もっと流暢に喋ると思っていました。考えてみればカクレンジャーから丁度十年なのですなぁ。後半風間は、X星人母船に張り巡らされているバリアを突破する為、ドッグファイターで特攻します。正直これを見た時は安直な手に逃げてしまったなぁ、と感じました。別に文句はありませんが。

□モスラ

 ミレニアムシリーズでは唯一二度登場し、平成三部作という単独シリーズも存在と言う非常に恵まれているモスラですが、今作でも登場します。今回のモスラはGMMGに登場したモスラをそのまま利用しているそうですが、同作のモスラは気に入っていましたので嬉しいです。翼長が216mと言うのは初代の次に巨大ですかね? 主要武器は火の鳥状態攻撃(鳥じゃないぢゃん)『ファイヤー・ヒート・アタック』に、翼ラリアット攻撃『ボンバー・ラリアット』です。単なる翼チョップに立派な名がと思いましたが、考えてみれば旧作でもダイナマイト・キッス攻撃だの疾風砂塵攻撃だの名前がありましたな。
 一万二千年前にX星人の尖兵として出現われたガイガン、阻止せんと戦うもモスラは敗れ、ガイガンは破壊の限りを尽くしました。その記録が壁画として残っていますが、それはモスラとバトラの壁画にそっくりです。モスラは忙しいですね。

□ラドン

 新しいデザインを見た時は凄く判断に困りました。格好良いとも悪いとも思えないのです。昭和ラドンの格好良さも平成ラドンの格好良さも持ち合わせていませんが、格好悪いと言うわけでもありません。しかし見慣れてくると何がと言う訳でもありませんが好印象へと変化しました。それに中に人間が入る着ぐるみに戻っただけでも嬉しいですよね。しかしファイヤーラドンのアイデンティティでもある赤い体色は使って欲しく無かったです。主要武器の『超音速衝撃粉砕破』はこれまでで言えば単なる衝撃波(ソニックブーム)ですな。余談ながらパンフレットの紹介文では、『キアラク星人』と『卵をを』と誤植が二箇所あります。
 飛行する場面の多くがCGなのが嫌ですが、月を背景に摩天楼に降り立つ場面は格好良かったですね。火龍とはアンギラスではなくラドンが戦うべきだと思うのですが如何でしょうか。私の中でラドンはゴジラの仲間と言う印象ですので、最後には洗脳から解き放たれ最終決戦に参加して欲しかったと思います。

□「死ねぇ、死ねぇ!! この鈍間な亀め〜!」

 あー、ガメラ?(ぇ)

□アンギラス

 嗚呼、アンギラス。復活の待ち望まれたアンギラス。にせゴジラに顎を割かれて銀幕から姿を消したアンギラス。ラドンですら復活したのに復活できなかったアンギラス。モゲラすら復活したのに復活できなかったアンギラス。『ゴジラ2002 バラン・バラゴン・アンギラス大怪獣総攻撃』が実現しなかったアンギラス。黄金氷結怪獣になり損ねたアンギラス。ゴジラに殺された死体の役をカメーバに盗られたアンギラス。でもその役は盗られても良いやアンギラス。
 そんなアンギラスがとうとう復活する運びとなりました。こんなに嬉しい事はありません。新しいデザインはあまり格好良くありませんが、そんな事は些細な問題です。しかも噛み付きと背中の刺を利用した体当たりしか技の無かった彼に、『暴龍怪球烈弾(アンギラスボール)』なる必殺技が用意されました。
 先ずは上海に現れたアンギラスですが、上海の住人は香港と違いちゃんと怪獣から逃げていますね(笑) 暴龍に相応しい中中の暴れっぷりですが、多くの場面で球状になっていたのが残念です。悪くは無いのですがもう少しそのままの状態を見せて欲しかったと思います。それと一番残念だったのは、ラドンと同様にゴジラに敗退して終了してしまった事です。ゴジラとアンギラスのタッグがまた見れると思っていたので、それが無いのは本当に残念です。しかしアンギラスとゴジラの戦いはゴジラ対メカゴジラ、本物のゴジラとの戦いはゴジラの逆襲以来ですね。

□キングシーサー

 体当たり『タックルブレイク』と『フライングシーサー・アタック』を身につけ、沖縄の地を蹂躙するキングシーサー。沖縄の守り神の筈が沖縄を破壊していますが、脚本上では村人A「シーサー様、おやめくだされ」、村人B「いったいどうなされたんじゃ、シーサー様」と言う台詞が存在したそうです。それだけでもキングシーサーの設定を感じさせる事が出来ますので、カットされてしまったのがとても残念ですね。また個人的には、敵のビームを右目で受け左目から十倍で跳ね返す『プリズム眼』が無くなってしまったのも悔やまれます。防衛軍の戦闘機かX星人のUFO相手で良いので是非とも披露して欲しかったです。

□カマキラス

 右と左の鎌が一緒になってしまいましたが、右と左で異なるのがカマキラスの特徴の一つだっただけに、それが失われてしまったのは残念に思います。ご多分に漏れず、単なるカマ攻撃に『ハーケン・クラッシュ』と言う格好良い名前がつけられていますね。
 マンダやラドンほどではありませんが、カマキラスもCGが使用されていたのが哀しいです。カマキラスは操演でこそ輝くと言うものです。ですがパリの上空でエクレールに纏わりつき、そこにミサイルの直撃を受けても無事な姿は格好良かったです。

□クモンガ

 糸を網状に展開して対象を捕縛する『強縛デスクロス・ネット』なる新技を引っさげての登場です。本編を見ている時は無くなってしまったかと思った『毒針』も残っているようで安心しました。唯個人的には、モスラ幼虫が登場しておらず唯一の糸を吐く怪獣なのですから、従来通りの糸も吐いて欲しかったと思います。
 アリゾナで具体的にどんな活躍をしたのかは覚えていませんが、彼の地が良く似合っていましたね。

□ジラ

 ゴジラとして作った筈なのに改称されてしまいましたね。主要武器の『ハイジャンプキック』を利用したかはさておき、シドニーを蹂躙していました。

□ミニラ

 嘗て二代目ゴジラにも似ていないと思ったものですが、現在のゴジラとは益益似ていませんな。それでもゴジラの子供だそうです。
 人間大で登場したミニラですが、どうせなら『オール怪獣大進撃』のように日本語を話して欲しかったです。

□エビラ

 カマキラスと違い、エビラはちゃんと右と左の鋏が別になっているのが嬉しかったです。パンフレットを見るまで気付きませんでしたが(ぉ
 東海コンビナートで暴れるもミュータント部隊にやられ、「悪いな、蝦は嫌いなんだ」と言い捨てられてしまうエビラですが、迫力があって良かったです。しかしエビラには矢張り海が似合いますな。

□「力だけに頼った支配は、それより強い力に滅ぼされる事になる」

 至極尤もな理屈ですが、悪役の台詞ではありませんな。これを述べた司令官は参謀の裏切りにより殺されてしまいますが、それが意外に早くて驚きました。もう少し引っ張ると思っていました。

□X星人参謀/統制官

 とにかく最高です。怪獣がやられた時のオーバーなリアクションが爆笑物でしたね。本当に素晴らしい。しかしソフビも発売されているX星人の真の姿は、死んだ時のみの登場でした。仮の姿が気に入っていると言う参謀はともかく、他の星人は戦闘時に真の姿で戦っても良かったのでは、と思います。素朴な疑問なのですが何故X星人だったのでしょうね。初めて登場した宇宙人だからでしょうか? それとも鉱物とかゴキブリとか猿では格好がつかないからでしょうか。

□妖星ゴラス

 地球人を騙すためにX星人の作り出した立体映像(ホログラム)ですが、ゴラスの名を使ってくれた事ににやりとすべきか、本物でない事を残念に思うべきか、微妙な所です。モンスターXの隕石がまさにゴラスと言う事にしてくれれば嬉しかったのですがねぇ。

□ガイガン/ガイガンII

統制官「ガイガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!! 起動ォォォォォォォォ!!!!」
 何て燃える台詞でしょう。凄く格好良いです。
 格好いいけれどももう少しアレンジを抑え気味でも良かったのでは、と言う第一印象でしたが、映画を見る少し前から一変。とにかく格好良いその姿には痺れました。時に、強化された姿は何と言うのでしょうか。II、改造ガイガン、パワーアップ・バージョン等様様な表記を見かけました。腹部回転ノコ『ブラデッド・カッター』と両腕鉤爪『ブラッディ・トリガー』を震わせ、『拡散光線ギガリューム・クラスター』で全てを破壊します。改造後は両腕チェーンソー『ブラッディ・チェーンソー』が更に凶悪です。頭部を吹き飛ばされた怪獣が改造、強化されIIを名乗る、それならレーザー発射装置を第二の頭部として組み込んで欲しかったですな(笑)

□「つまりこういう事ですか。これから態態敵の中を南極まで行ってゴジラを起こして、連れて戻って怪獣たちと戦わせておいて、その間に我々は、方法はまだわからないがとにかくX星人を全滅させて、それからもう一回南極まで行ってまたゴジラを閉じ込めると?」

 この台詞は良いですな。方法はまだわからないがと言うところが如何に無茶かを物語っていますし、それを知ってついて行くと言う小室の発言が好きです。この後か前か忘れましたが、「この作戦を、オペレーションファイナルウォーズとする!」も好きです。それと新・轟天号が起動したのを見届けた熊坂の勝ち誇った態度も好きです。

□ゴジラ

 顔はハンサムです。今作では久方ぶりにサイズが100m級になったのですね。しかし同様のサイズである四代目に比して、体重が五千トンも軽くなっており、外見どおりスマートだと言う事が感じられます。主要武器では従来の『放射熱線』に加え、『ハイパースパイラル熱線』、『バーニングGスパーク熱線』があります。ハイパースパイラル熱線は何処が違うのか理解らなかったのです(四代目の『バーンスパイラル熱線』を連想させる名前です)が、バーニングGスパーク熱戦は赤いですね。止めの一撃が赤いと言うのはVSシリーズ世代としては嬉しいものがあります。パンフの紹介文では二代目が三、四代目と同一のものとも取れそうな点が気になりました。飽く迄映画に復活したと言う意味なのでしょうが、誤解を招きそうな感じです。

□ゴジラ×ガイガン

 南極で眠りについていたゴジラがミサイルを受け復活(南極基地の防衛軍兵士が可哀想でしたな)、ガイガンと対峙します。ガイガンのチェーンを簡単に引きちぎり、熱線の強烈な一撃で頭部を吹き飛ばす!
統制官「Noooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!! 何だあの怪獣はっ!?
 最高です。この台詞を聞いた時は実に爽快でした。てか、ここでも統制官の演技が光っています。またゴジラが轟天号との戦いの続きをやっている気分と言うのが生物らしくて良かったです。

□ゴジラ×ジラ

 ゴジラを倒すべくX星人の送り込んだ最初の刺客。突っ込んでいくも尻尾で呆気無く弾き飛ばされそこへ熱線を受け爆発四散。
統制官「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」
 爆笑。笑いました、笑ったのですよ。笑ったのですが、正直どうかと思いました。ぶっちゃけ大人気無いです。

□ゴジラ×クモンガ

 デスクロス・ネットで捕縛しようとするも糸を引きちぎられ、逆にジャイアントスウィングの要領で投げ飛ばされてしまうクモンガ。そのまま遥か彼方へ飛んでいってしまいます。

□ゴジラ×カマキラス

 もう殆ど覚えていませんが、カマキラスは鉄塔に突き刺さり死んでしまいました。怪獣があの程度でと思いますがカマキラスは単に巨大化しただけの昆虫ですし、何より見ていて本当に痛そうでした。

□ゴジラ×アンギラス&ラドン&キングシーサー

 富士の裾野を戦場にすると言うのがとても良いですな。最初にゴジラとアンギラスが対峙した時の、一瞬の間が凄く良かったです。あの間に嘗ての間柄が凝縮されていました。こういう細かい配慮が嬉しいですね。アンギラスは球状になって突撃を繰り返しますが、それがラドンやキングシーサーに当たる事が多くとても痛そうでした。でもラドンもキングシーサーも割りとぴんぴんしていましたので大丈夫だったのでしょうな。そして途中からサッカーに移行するのですがこれが本当に最高です。外してどうするキングシーサー! 当てなければ攻撃にならないでしょうが! ゴジラも横っ飛びをしてまで取ろうとしなくて良いでしょうが!! もうこれは本当に最高です。

□ゴジラ×エビラ&へドラ

 吹き飛ばされビル街に突っ込むヘドラ、更にエビラ。エビラの鋏がヘドラに突き刺さり、ゴジラの放射火炎が纏めて消し飛ばす! ・・・え? ヘドラの出番はもう終わり? 昭和ゴジラでは最強だったヘドラですが、随分とあっさり消されてしまいました(尤も、昭和ヘドラと平成ゴジラの勝負でしたら、放射火炎を一撃受けた瞬間に乾燥してしまいそうですが)。ヘドラの設定を考えれば問題無いのでしょうが、それでもエビラが突き刺さったのはとても痛そうに見えました。ヘドラファンの方は残念でしたでしょうが、これだけの怪獣が登場するのですから割を食う怪獣が出るのも致し方ない話ですね。あー、でもヘドラの活躍も見たかったですなぁ。パンフで見ますと新しいヘドラのデザインも堪らなく魅力的です(ピンでの登場にも耐えます)。旧作と変わらず『赤色溶解熱線』と溶解毒噴射『硫酸ミスト』が使えるそうですが、見せて貰っていないよぉ。

□モンスターX

 唯一(?)の新怪獣であるモンスターX。初見の印象は特に無かったのですが、段段と格好良く思え好きになりました。眼から放つ『引力光線デストロイド・サンダー』を武器に大活躍です。肩にも頭部が存在し脱皮のイメージかと思ったのですが、どうやらギドラの三つ首をイメージしたものだったのですね。このモンスターXとしての姿に対する妄想ですが、個人的に拘束具のようなものと考えています。カイザーギドラの強力なパワーはX星人には制御できず、モンスターXと言う檻で封印する事によりやっと制御が可能なのではないでしょうか。

□ゴジラ×モンスターX

 地球に迫り来る隕石をゴジラがハイパースパイラル熱線で撃墜、しかしゴジラの背後にゆっくりと降り立つモンスターX。ゴジラとモンスターXは互角の戦闘を繰り広げ、中中見応えがあります。殴りあったりゴジラがマウントポジションを取ったりしますが、特に気に入ったのは引力光線と放射火炎がぶつかり合い、爆発を起こす場面ですね。ゴジラよりも強い怪獣、弱い怪獣、様様居りましたが、全くゴジラと互角の怪獣と言うのは稀有な例ではないでしょうか。

□モスラ×ガイガンII

 これはもうガイガンが最高です! モスラと激しい空中戦を繰り広げた後、腹部射出ノコ『ブラデッド・スライサー』を発射するガイガン。羽根の一部を切り裂き、爆発。その爆発を背にして見得を切るガイガン、次の瞬間帰って来た鋸がガイガンの首を切り落とします。そしてモスラのファイヤー・ヒート・アタックを受け爆発四散。ガイガンの格好良い外見に勝利のポーズ、それでいて自分の攻撃でやられてしまう間抜けさ、そのギャップが最高です。いとおしく思えて来ますわ。大好きだガイガン。途中、モスラの鱗粉が拡散光線をスパーク、誘爆させる場面がありますが、これはVSモスラのモスラ鱗粉を思わせてくれて嬉しいです。

□カイザーギドラ

 こんなギドラが見たかった! モンスターXが変貌を遂げ、最終形態カイザーギドラとなります。この姿が私がこれまで抱いていた不満を解消した、まさに理想のギドラです。ゾグ第二形態やデスギドラ(は少し違うか)と同じドドンゴタイプの怪獣ですね。映画を見る前はキングギドラが登場しない事を残念に思いましたが、まさかこんなシークレットがあったとは思いませんでした。ギドラ一族の切り札としてゴジラに雪辱を果たすべく登場する、最終的には敗北を喫しましたがこれまで以上に苦しめてくれました。
 口から吐いた光線でゴジラを持ち上げると言う、グラビ・トルネードを彷彿する技を見せてくれます。そのまま宙に舞い上げ粉粉に吹き飛ばせば、初めて引力光線の能力が映像で表現される事になるのでは、と思っていましたが、これは『反重力光線デストロイド・カイザー』と言うのですね。嘗てアンギラスやバラゴンが行った、四足怪獣の伝統で、後ろ足だけで立つ場面が見られます。唯でさえ巨大なカイザーギドラですが、こうすると更に大きくなりゴジラを圧します。しかし折角翼が付いているのに空中を飛ぶ場面が無かった事と、大都市を景気良く破壊してくれなかったのが残念です。尺や展開の都合上後者は難しいでしょうが、飛行ぐらいやって欲しかったですよ。
 こんなに格好良いカイザーギドラ、ソフビは箱入りで発売されると嬉しいなぁ。またネタバレを避ける為当然の処置ですが、劇場の販売グッズにカイザーギドラを使用したものが無いのですよね。仕方が無いのでモンスターXとガイガンがあしらわれたキーホルダーを購入しました。この台座は何を模したもの? それと更に脱線しますが、映画を見ると今年のHGゴジラは何とも魅力の薄いラインナップに感じてしまいますなぁ。ただでさえ商品の少ないカイザーギドラなのですから、一年後ではない早い時期にHGゴジラの次弾を出して欲しいです。

□ゴジラ×カイザーギドラ

 カイザーギドラの反重力光線はゴジラの放射火炎を遥かに上回り、その強烈なパワーで圧倒します。咬み付きゴジラのエネルギーを吸収し後一歩まで追い詰めるのですが、新・轟天号を介して尾崎からエネルギーを貰ったゴジラは復活。熱線で首を吹き飛ばされ、更に別の一本を力任せに千切られます。一本背負いを受けて止めのバーニングGスパーク熱線を受けて、哀れギドラは消滅してしまいました。このカイザーギドラが登場してからの戦闘が短かったのが非常に残念です。それに相手はゴジラだけでなく、登場した全ての地球怪獣と戦って欲しかったです。多くの怪獣が結集し、死力を尽くすも到底敵わない、そんな展開が望ましかったですなぁ。

□ラスト

 ギドラを葬ったゴジラは次に人間へと視線を移します。そして人間達も武器を構える。しかしミニラが人間を庇い、健太がゴジラを庇う。気が変わったのかゴジラは去っていく、この結末は良かったです。健太とミニラの対比が良いですし、ここで人間がゴジラを斃す、或いは封印すると言う展開になりましたら蛇足と思ったことでしょう。またゴジラとミニラが海を帰って行くと言う場面もVSシリーズのラストを想起させて嬉しいものがあります。

□総評

 とにかく問答無用で最高に面白かった作品です。目まぐるしく動く状況に決して飽きることなく、ただただ画面に釘付けとなりました。懸念していた人間側の部分に関しても、先が気になり素直に楽しめました(それでも多少長いかなと思いましたし、少し怪獣の描写に分けて欲しかったというのはありますが)。不満を挙げるとすれば第一に、最終決戦がゴジラとカイザーギドラの一騎打ちになってしまったことでしょうか。ここはカイザーギドラの強さをアピールすると言う意味でも、全ての地球怪獣が結集して戦って欲しかったです。第二にゴジラとアンギラスのタッグが見れなかったこと。私の中ではアンギラスはゴジラの相棒として揺ぎ無い立場ですし、漸く念願であった復活を果たしたのですからそのタッグがとても見たかったです。そんな不満はあるにせよ、好きな作品である事は確かです。これだけ面白いゴジラが見れて本当に良かった、そう思います。

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