仮面ライダーフォーゼ
THE MOVIE
みんなで宇宙キターッ!

□如月弦太朗/仮面ライダーフォーゼ

 弦太朗が機械とも友達になれると言い張り、自分を攻撃してくる防衛システムを前に武器を捨て友達友達言い出すので完全におかしい人でした。しかもそれでいてあっさりそれを断念するとか一貫性がありません。
 そう否定的に見ていたのですが、XVUに助けられて自分の行動を悔いた場面は良かったです。

□どんでん返し

 当初は敵と思われたインガ・ブリンクが実は味方で、逆に正義の振りをした白山静が機械生命体だったと言う展開があるのですが、前振りとの繋がりが今一ですなぁ。弦太朗と頭をぶつけた静が鉄の様な頭だったと正体を示唆する場面がありましたが言及されませんでしたし、流星がインガを同じ星心大輪拳を使うから敵ではない筈と信じたりする訳でもないのですよね。それまで疑いもせず単純に本人の口から明かされて知ると言う工夫の無い流れなのがちょっとつまらないです。

□ブラックナイト

 ブラックナイトが仲間になるとはどれだけ心強いのだろうかと思ったのですが、フォーゼと戦った時はあれだけしぶとくどんな攻撃を受けても立ち上がったのに、仲間になった瞬間にあっさりと破壊されてしまいました(苦笑)。これはちょっと極端でしょう。動きも含めて魅力的だったのに納得のいかない退場です。

□宇宙鉄人キョーダイン

 フォーゼがキョーダインに似ていたのでそれを引っ張り出して来たのは良いのですが、原典ではスカイゼルとグランゼルの兄弟だったのをグランダインとスカイダインの兄妹にしてしまった事に何の意図があるのか掴めません。そしてそれだけなら未だ良かったのですが、何と敵にしてしまうのですよね。仮にもと言うか仮でもなく立派なヒーローを同情の余地の無い悪役に仕立ててしまうのは如何なものでしょうか。しかも機械と友達になると豪語している弦太朗が、キョーダインに関しては一切気にせず、何の躊躇も無く斃すのですよね。友達になれる相手だったとは思いませんが弦太朗の基準が理解りませんし、彼の言う友情が口だけになります。

□衛星兵器XVU

 外見を見た瞬間に一目で大鉄人17と気付きました。XVUも17を捩った名前だったのですね。それにしても此方は随分と良い役どころで、キョーダインとの待遇に大きな差がありますね。

□アクション

 圧巻でした。派手なカーチェイスから始まり生身の銃撃戦、全てのアストロスイッチを駆使した見事な戦いと言う事の無い素晴らしいアクションです。四十個もあるアストロスイッチを使った戦闘を考えるだけでも凄いです。相手が本物ではないとは言え十二使徒勢揃いと言うのも映画らしい派手で豪華な趣向でした。偽者であってもヴァルゴの強さが健在だったのが印象的です。

□仮面ライダーフォーゼメテオフュージョンステイツ

 フォーゼにメテオの能力も加わった最強のステイツとして、その誕生に四十人の人間が弦太朗を思いアストロスイッチを押します。その面子をちゃんと本編で登場した人間で揃えているのですが、如何せん一瞬しか映らないので誰が誰なのか思い出せない人が大半でした。回想を入れてそれが誰なのか理解る様にして欲しかったです。

□仮面ライダーウィザード

 フォーゼの危機に謎の人物が登場し変身したのを見て、てっきり敵にも仮面ライダーが登場し、冴葉晴海が変身するのだろうかと思いました。恒例の新シリーズから出演だったのですね。

□仮面ライダー部

 仮面ライダー部の全員にも見せ場がありましたが、中でもパワーダイザーで奮闘した隼が格好良かったです。美羽とJKの軍事用パワーダイザーに助けられて勢いを取り戻し先陣を切る勇姿は印象深いです。
 他に賢吾がJKに銃を渡し、そして隼が賢吾に銃を渡すのも格好良かったのですが、最初から隼がJKに渡せば良かったと思います(笑)。

□効果音

 格闘の打撃音や銃声など効果音が重く迫力がありました。

□総評

 良きにつけ悪しきにつけアクションが全てと言った趣の作品ですね。『仮面ライダーフォーゼ』の集大成としての要素も盛り込まれていますが、アクションの比重が大きくドラマは弱かった面は否めません。ちょっと敵が敵としての魅力に欠けたのも一因でしょうか。ヒーローを悪役にした上に敵として凡庸だったのは感心しません。多少なりともキョーダインに思い入れがあるのでどうしても不満を持ってしまいます。全体的には好悪はさておき標準は上回っていて良く出来ているとは感じました。

(12.8.4)

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