□題名
どうしても田村ゆかりの『おしえてAtoZ』を想起してしまい、複雑な気分になります。一気に印象が変わってしまいますよ。
□冒頭
風に揺れるエターナルのマントが、テレビシリーズOPでダブルのマフラーが揺れる場面のセルフパロディになっているのですね。似ている様で違う、映画を見に来たという気分が味わえて良かったです。
□復活ドーパント
T2ガイアメモリがばら撒かれた事で嘗て登場したドーパントと同じ姿のドーパントが再び登場します。しかしバイオレンス、アイスエイジ、ナスカ、ウェザーの四体だけなのですよね。もっと大量にわんさか登場するのを期待していたので寂しい結果です。
□左翔太郎/仮面ライダージョーカー
翔太郎がT2ジョーカーメモリを使って一人で変身した仮面ライダーですが、ライダーキックやライダーパンチがとても格好良く、マキシマムドライブはダブルより良いと思いました。
□照井竜/仮面ライダーアクセル
高速で回転する独特な戦い方で、T2ナスカとT2ウェザーを難無く撃破するアクセルは強いですねぇ。戦い方がとても格好良かったです。
風都タワーに登る際に翔太郎と竜が見せたやり取りは、翔太郎とフィリップとはまた違った男と男の絆が感じられて好きな描写です。
終盤でガイアメモリの機能が復活して竜が変身した時も待ちに待った登場と言う感じでした。やっぱりアクセルは格好良いですねぇ。
□特殊傭兵部隊NEVER
映画の敵に相応しい悪役でした。其其が変身するドーパントが、ダブルが使っているメモリと同じと言うのが小粋です。五人と言う人数が戦隊みたいですね。
□大道克己/仮面ライダーエターナル
悪のカリスマと言う感じでとても印象的でした。映画で悪の親玉を務めるのに不足はありません。
仮面ライダーエターナルはシンプルながら、マントがとにかく格好良いです。マントは最高です。大量のメモリを使えるのも強さの表現として分かり易かったですね。
□泉京水/ルナ・ドーパント
常にオネエ口調でしゃべり、動きもくねくねとしているので凄まじい存在感がありました。間違い無く克己の部下四名では最も目立っていたでしょう。気持ち悪さが漂っているのに不思議と気になってしまいました。最初に変身した時のポーズとか最高に気持ち悪いです。嫌いじゃないわ!
□羽原レイカ/ヒート・ドーパント
NEVERの紅一点。・・・うん、終わり(ぉ
□芦原賢/トリガー・ドーパント
公開前の特番で演じているのが映ちゃん役の方と知っていたのですが、映画を見る頃には完全に忘れてしまいました。覚えていればもっと意識して見たのですが勿体無かったです。逆に言えば覚えていないと気付かなかったです(ぉ
□堂本剛三/メタル・ドーパント
強靭な肉体を武器に激しく戦っていました。メタルは顔のデザインが仮面ライダーを彷彿とさせます。
□園咲冴子
NEVERをテロリスト集団と完全に見下した台詞が格好良かったのですが、特に物語には絡まず変身もしなかったのが残念でした。どうせならT2ナスカやT2ウェザーと戦って欲しかったです。ウェザーを見て「先生以外にその姿を使われるのは我慢がならないわ。私の目の前から消え失せなさい」と変身して打ち殺して欲しかったです。
□園咲琉兵衛
冴子と同様に彼にも特に出番が無かったのが残念です。大物を気取って動じていませんでしたがダブルが敗北すれば彼にとっても打つ手が無く絶体絶命の危機だったのですよ? テラーに変身し何時もの様にはっはっはっはっはと哄笑しながら、大量の復活ドーパントを一掃する様な見せ場が欲しかったです。
□仮面ライダーオーズのゲスト出演
映画公開前の日曜日に放送された特番でオーズのゲスト出演と言うトピックが思い切りネタばれされてしまいました。これは本気で酷い仕打ちです。何の事前情報も知らずに劇場で見たらさぞや興奮した事でしょう。特番を見ながら怒鳴りたくなりましたよ。
左右で分かれているダブルに対して上下で色分けされたデザインのオーズは、変身やフォームチェンジの時に飛蝗とか蟷螂と叫んでいるのが強烈な印象を受けました。ボディの一部とは言え、主役ライダーに飛蝗が使われるのは平成ライダーでは初めてですね。
本来はこういった新ヒーローのゲスト出演は大好きなのですが、この映画に関しては物語の繋がりが異質な存在に断ち切られてしまった様な感じでした。異なる番組から登場する以上ある程度は仕方ありませんがもう少し工夫が欲しいですな。
□「イケメンなのに強いのね!」
大事な事だから三回言ったのですね。この台詞を連呼しながら突撃するルナが印象的です。やっぱルナ好きですわ。素敵!
□「ライダーと言えば、助け合いでしょう」「仰るとおりだわー!」
仰る通りなのですか(笑)。嫌いじゃないわ!
□「さぁ、お前の罪を数えろ!」「今更、数え切れるか!」
おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?
こういう決め台詞を利用した掛け合いは好きです。
□クライマックス
街の人人が仮面ライダーの名を呼びながら声援を送り、そして風が吹き、力を得たサイクロンジョーカーゴールドエクストリームがエターナルを真っ向から打ち破るのはお約束ですが盛り上がりました。
因みに群衆の中にはこれまでテレビシリーズに登場し、翔太郎達に助けられた人人が登場しているのですよね。そうだろうとは気付けたのですが、出番が短いので個個の認識は出来ませんでした。
□総評
奇を衒わない直球の作りで、素直に面白いヒーロー映画でした。アクションも盛り沢山でとても面白かったです。この監督はウルトラマンよりも仮面ライダーの方が向いていると感じていましたが作品を見てその認識をより強くしました。ウルトラマンだと違和感がある描写も仮面ライダーなら問題ありません。
唯一の不満がミュージアムの幹部連中に大した出番が与えられていなかった事です。矢張りちゃんと変身して戦って欲しいと思うのですよ。併映のゴセイジャーにも共通して言えるのですが、レギュラー悪役をもっと大切にして欲しいのですよね。映画だけの新たな敵を出すにしてもレギュラー悪役を蔑ろにされるのは残念でなりません。前作ではミュージアムの幹部に戦闘が用意されていたのですから、今作でも其処は外さないで欲しかったです。
またリボルギャリーを肇とするメカニックが使われなかったのも残念です。やっぱり映画ではこういう戦力の総登場を期待してしまいますよ。最後はメカに頼らないダブルとエターナルの一騎打ちに不満はありませんが、それこそ序盤とかもっと他の場面でメカニックを出して欲しかったです。
しかしその不満を除けば安心して楽しめる映画です。
(10.08.08)