仮面ライダーW
ビギンズナイト

□鳴海亜樹子

 あー、映画にもこれが出るのかぁ。この映画では比較的に大人しかったのですが、一度悪くなった印象はどうしても覆されず、出て来るだけで腹が立ちます。それにしてもあれ、脚が太いですね(ぉ

□鳴海壮吉/仮面ライダースカル

 TVシリーズ初回で死んだおやっさんが劇場版で遂に本格登場しました。しかも仮面ライダースカルに変身します。私自身は特に好きでもありませんが翔太郎が憧れるハードボイルド探偵として巧く描かれていました。

□ファングジョーカー

 過去の回想でビギンズナイトの日に使われたダブルの新フォームで、恐竜の様な激しい戦い方が格好良かったです。アームファングを見てブルーシードの草薙護を思い出しました。

□「お前の罪を数えろ」

 ダブルが決め台詞として使用している上記の台詞ですが、壮吉からの受け売りであったと言うのは予想の範疇でした。しかし興味深いのがフィリップが壮吉から言われていた事です。嘗て自分に向けて言われた台詞を使うのは一言では言い表せない複雑な心境がある事でしょう。この決め台詞がグッと深みを増しました。
 翔太郎に比べればフィリップが壮吉と触れ合った時間は僅かなものでしかありませんが、フィリップの人生に於いて非常に大きな影響を及ぼしたでしょう。翔太郎だけでなくフィリップにとっても壮吉の存在が意味を持っているのです。

□デス・ドーパント/ダミー・ドーパント

 四つのしゃれこうべが縦に並んだ姿と不気味な語りかけが雰囲気を出していました。それがDはDでもデスではなくダミーと言う落ちも良かったです。死者を生き返らせると嘯きながら、実は単に擬態能力を持つだけでした。
 それは良かったのですが、劇場版の敵としては物足りない印象です。もっと映画に相応しい最強の敵が良かったです。また劣勢に追い込まれたダミー・ドーパントがトラックに目を向けた時は、トラックに擬態してダブルと激しいカーチェイスを繰り広げるのかと思いきや、タイヤに擬態して逃げるだけと言うのが拍子抜けでした。

□幹部参戦

 ダミー・ドーパントの窮地に、ナスカ、タブー、クレイドールの三人が参戦しました。やっぱり映画なのですから幹部との戦闘も必要でしょう。それが盛り込まれていたのは高評価です。しかしテラーは仕方ないにせよ、スミロドンが出なかったのが少し残念でした。

□総評

 感想として取り上げた項目が非常に少なくなってしまいましたが、作品評価が低いのかと言えば全くの逆です。一言で言ってとても面白い映画でした。
 ディケイドの反動で相対的にとても緻密で丁寧に作られた作品に見えてしまいました。実際はこれで普通でしょう。しかしディケイドとの比較を抜きにしても高評価を与えられる作品です。敵が擬態するだけのダミーであったのを筆頭に劇場映画の割にスケールが小さかったのが難点ですが、その他は丁寧に作られ基本に忠実な佳作でした。壮吉を死なせてしまった翔太郎がそれを乗り越える成長や、二人の主人公である翔太郎とフィリップの出会いが丹念に描かれていて、非常に好感の持てる作品です。

(09.12.13)

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