BanG Dream!
ぽっぴん’どりーむ!


□OP

 開演十秒、OPで早くもウルッと来ます。

□海外旅行の準備

 海外に行く事が決まったメンバーがその準備をしたり家族とのやり取りが描かれます。事前にポピラジか何かで場面が変わったらもう海外に着いているのではなくそれまでの過程が描写されていると言っていたので期待した通りです。地に足が付いたこの世界に生きている人間と言う感じがしますね。

□「間に合わないよ♪ ひこーき☆」

 かなり拘っていると思しき香澄の表情が非常に可愛らしく仕上がっています。

□飛行機の中での様子

 はしゃいでいたのが飛行機に乗った途端泣きそうになったり喜怒哀楽がはっきりしていて香澄の良さが出ていました。
 食後、手を合わせて丁寧に片付けているパレオは育ちの良さが滲み出ていますな。
 おたえ、レイ、マスキングが並んでの掛け合いも良好な関係性が見て取れます。

□蔵の王

 海外旅行中のインターネット環境に熟知している有咲は元引きこもりの面目躍如です。そしてそれが後に裏目に出る辺りも、如何にも頭でっかちによる机上の空論と言う感じがします。

□Morfonica

 制作タイミングの都合もあるのでしょうが、モルフォニカの扱いは未だ手探りで慣れていない感じがします。最近のガルパを見てからだったらこういう風にはならなかったでしょうな。そして結成から一年も経っていないであろうモルフォニカも同じフェスに出場するのは無理がありませんか? 正直、出さなくて良かったのではと思ってしまいます。

□「あるじゃんGU」

 アパレルショップを見かけた時に言う台詞。

□迷子のポピパ

 異国の地で迷子になっても暢気なポピパは凄いですね。一人ではないと言うのは大きいのでしょうが、よく心細くならないものです。

□交流会

 ポピパの演奏に気弱になっていたモルフォニカが奮い立たされ、マスキングが感極まって涙ぐみ、宇崎宙がポピパに声をかけたのは間違っていなかったと納得する様な何処か満足気な笑みを浮かべるのが良いです。作品としてプロジェクト初代のバンドであるポピパへのリスペクトが伝わりますわ。それも過剰の持ち上げるのではなく程程に抑えているのが嫌みが無くて好感が持てます。

□戦線離脱するマスキングと沙綾

 身も蓋も無い事を言えば物語に山場を作る為に発生させているトラブルです。マスキングは隠さずにちゃんと怪我の事を言うべきだし、沙綾も病院に連れて行くならその前に一言メンバーに断るべきです。そういう指摘は出来るのですが、ただ、何れも未だ高校生と考えれば必要以上に責め立てる事でもありません。沙綾はWi−Fiルーター経由で接続している事を失念していて後から連絡をすれば良いと考えていただけでしょう。作品によってはこの辺の案配が上手ではなくストレスを感じたり問題を起こした人物への印象が悪化するのですが、本作についてはそうなりませんでした。天晴です。

□DRIVE US CRAZY

 コールアンドレスポンスがリアルライブのそれと一緒で、リアルライブの光景が再現される興奮がありますし、時間を稼ごうと言うレイの意図も伝わる良い見せ方です。
 そしてレイの焦りが隠せなくなって来たところで、ゆっくりと一歩ずつステージを上るマスキング! 最高のカタルシスです!

□ときめきエクスペリエンス

 香澄の「ルック!」、静寂に包まれる場、画面一杯に広がる星空・・・此処からどんな曲が演奏されるのか期待が高まります。其処で聞き慣れた「祈る〜」ですよ! ときエク!! アニメ一期の主題歌! 感動しない筈がありません。RASがあれだけ盛り上げた後なのでポピパへのハードルが高まっていたのですが見事にそれを越えてくれました。
 いやもうね、あたしゃアニメ一期からずっと見て来たわけですよ。そんなこれまでの思い出が走馬灯の様に駆け巡り、万感の思いが込み上げて来ました。アニメ一期から見て来て良かったと思えましたし、この作品がきちんと一期に敬意を払って来るのが伝わって嬉しかったです。

□宇崎宙

 ありふれたキャラクター造形で第一印象は良くありませんでした。しかしポピパやマスキングへの態度が、厳し過ぎず甘過ぎず、大人として適切な距離感で良かったです。

□CGの表情

 事前に喧伝されていましたが、成程、確かに自慢するだけはあります。かなり自然に仕上がっており違和感が少ないです。バンドリテレビシリーズからD4DJを経て着実に向上していました。

□総評

 お世辞抜きにかなり面白かったです。『静』と『広』、演出そのものが高い水準にあり作品としての完成度に優れています。間違い無く今年一番面白かった映画と言って差し支えないでしょう。アニメ一期は好きなれど二期、三期には好意的ではなかった小生ですが、この映画は手放しで称賛出来ます。バンドリで、ポピパで、こういう映画を見せてくれて嬉しいです。上映時間は一時間ちょっとと短かったのですがそれを感じさせないボリューム感でした。
 パンフレットは千円もするのに小さくて割高に思えましたが、各種インタビューが見物で、映画を見て思った事への答えもあり納得しました。

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(22.1.6)