BanG Dream
Episode of Roselia T :約束


□氷川紗夜

 あの狂犬として名を馳せていた頃の紗夜をまた見る事が出来る! そう楽しみにしていたのですがその描写は僅かでした。「湊さんがそう言うなら」も、「私にはギターしかないの!」も、「お姉ちゃんお姉ちゃんってなんなの!」もありません。ファミレスで意味も無く友希那を煽ったりもしません。残念です。
 序盤では稍存在感が薄かったのですが、中盤からリサとは二回、友希那と一回深いやり取りがあり、何れも非常に凛として格好良くて素敵でした。

□「湊さん、言っている事が不明瞭すぎます」

 何となくこの時の紗夜に既視感がありまして、ガルパで元となった場面を見ているのでそれと重ねているのかと思いましたが、理解りました。鬼滅の「富岡さん理由を説明してください さすがに言葉が足りませんよ」です。

□Poppin’Party

 暗闇の中で藻掻いても進むどころか目標は遠退くばかりで行き詰った友希那の前に、救いの手を差し伸べたのはポピパでした。友希那の追い詰められた状況に共感して見ていましたから、ポピパの登場で急に目の前が明るくなった様で宛ら女神の様な印象を受けます。明るく楽しいポピパの演奏を聴きながら、小生はポピパが好きなのだと自覚しました。リアルバンドとしてのポピパが好きだと自負していましたが、キャラクターとしてのポピパも実は好きだったのですなぁ。

□「青薔薇はもう私達の足下にも咲いているわ。その道を歩く貴女には何が見えているの?」

 む、難しい事を言う高校生ですな(汗)。

□「何だろう、詩集とか?」

 それは薫君に頼めば良くない!?

□お芝居

 叫びの演技だとりんりんは志崎樺音(のんちゃん)、友希那は相羽あいな(あいあい)になってしまいますね。対して好印象だったのがあこ役の櫻川めぐ(めぐちぃ)です。ラジオや配信番組であこの声を出す機会は多多ありますが、正直それは(即興なので当たり前ですが)あまり質が高くありません。しかしきちんとディレクションを受けた上で、更に絵の力があると全然違いますねぇ。一声聞いた瞬間に正真正銘本物のあこだと思えました。

□総評

 ロゼリアの結成までが非常に駆け足気味に描かれ困惑します。しかもその後、完全にダイジェストになり唖然としました。後にパンフレットを読んで誤解していた事を悟るのですが、この時点であたしはガルパのバンドストーリー1章を映画化するのだと思っていたのです。
 一本の映画として見るとパワー不足を感じました。山場での盛り上がりやそれを解決しての余韻に浸ると言うのが弱く、特に最後は平坦で起伏が無いままEDに突入してしまい、何とも不完全燃焼です。
 あまり満足はしていないのですが、これまでガルパで断片的に覗いていた世界が映像化されますと、思っていたよりも感慨深い気持ちに包まれました。それは良いところです。

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(21.4.24)