第9回:シューティング氷河期!? 開放するのは、白き閃光か・・・「斑鳩(いかるが)」
ヴァル:「皆様コンバンハ。積雪で更に寒くなりましたね♪ ・・・ブルブルガチガチ (´〜`ll)」 カレン:「こんばんは。カレンです。私達は前回に引き続いて 温泉場にいます。実は、これから帰るところなので す。」 ヴァル:「折角なので、帰り道にゲームセンターを見つけた ら、寄って見ましょうか。」 カレン:「こういう宿場町では、新しいゲームは置いてないの ではないですか?」 ヴァル:「ホホホ。アーケードのゲームって、少し古いタイトル のほうが、かえって遊べたりするのですよ!」 カレン:「そう言えば、最近のアーケードって、以前ほど多彩 な作品が出ていないような気がします。売れ線に偏 ってるというか・・・。」 ヴァル:「家庭用ゲーム機の性能が向上したうえに最近はネ ットワーク対応ソフトが増えたりで、家庭で充分に楽 しめるようになってしまいましたから。また、携帯機 の普及も相まって、敢えてゲームセンターに足を運 んでまで遊ぶ、というのは最早、アーケードでしか楽 しめない遊びに限られてきているのではないでしょう か。」 カレン:「それって、例えばクレーンゲームとか、独自の筐体 で遊ぶ音楽系ゲームとかプリクラとかみたいな、 設備的に家庭では無理なもの、という事?」 ヴァル:「そうですね、他には、格闘やロボット物の対戦型ゲ ームを、ネット対戦と違って、相手プレイヤーと直に 顔を会わせて遊べるとか、車ゲームや太鼓の達 人みたいな、大型筐体で遊んだほうが楽しい内容の ものがありますね。 あ、ゲームセンターがありまし た。それでは行ってみましょう。」 |
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カレン:「色々あります〜。えっと、“ゼビウス”、“ギャラガ”、 “R-TYPE”、“グラディウス2”、“ドルアーガの塔” 等々。懐かしの名作達ですね。 あれ?なんとな く、シューティングが多いような・・・?」 ヴァル:「実はシューティングって、以前はゲームの花形だ ったのですよ。前回紹介した話の中に登場した“フ ァンタジーゾーン”もですが、工夫を凝らした様々な タイトルが充実したジャンルだったのです。」 カレン:「最近のシューティングって、弾幕系?と言うのでし たっけ?一部の好きな人だけが遊ぶという印象が 強くて、事実、ゲームコーナーの隅のほうに置いて ありますよね。ぇと、難しい名前のタイトルが多かっ たような・・・1つ知ってますよ。イカリクビリョウミネ、 ダイが人気なのですよね♪」 ヴァル:「読み方違ってますよ。それは、“怒首領蜂 大復 活(ドドンパチ ダイフッカツ)”ですね。^^;」 カレン:「あいや〜(ミ▽ミ) 漢字苦手〜。 ついでに、シュ ーティングが苦手なカレンには、そのナントカ蜂み たいな、画面中弾だらけのゲームって、とても手 が出ないのですが、ああいうのって、楽しいのデス カ?_?」 |
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ヴァル:「私も正直、最近のシューティングで主流になってい る、いわゆる“弾幕系”にはウンザリしてまして、理 解に苦しむのです。 あ、断っておきますが、決して 否定しているのではありません。実際、PCや XBOX360で“式神の城3”や“雷電4”、“デススマイ ルズ2エックス”は購入して遊んでます。」 カレン:「私、苦手といいましたが、ここに置いてあるような、 昔のシューティングって好きでしたよ。諦める程に難 しい印象は無かったので、クリアはしてませんが、遊 びました。」 ヴァル:「最近はシューティング冬の時代って言ってる人も いるくらいでして、歴史を遡って考えてみたら、面白 い事が分かりました。」 カレン:「ほへ〜、どんなことですか?」 ヴァル:「結論から言うと、現在の弾幕系スタイルは、成るべ くしてなった、という事なのです。シューティングを 大雑把に分類すると、“縦スクロール(以下、縦 型)”、“横スクロール”、“3Dその他”に分けられる のです。」 カレン:「そうですね。」 ヴァル:「横のは、アイディアに優れたものが多かったのです が、最近はあまり出てません。 3Dは、題材的に大 型筐体が中心になるためか、これも本数は少ない です。という訳で、縦型のものが主流なジャンルなの です。」 カレン:「確かに、アーケードの最近の新作シューティングっ て、大部分が縦型な気がしますね。」 |
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ヴァル:「縦型の転換期になった、と思える二つの名作があ りました。“ゼビウス”と“スターフォース”です。」 カレン:「両方ともファミコン版が大人気でしたね。」 ヴァル:「この二作、方向性が随分と違ってまして、これは 私のイメージですが、ゼビウスは“奥深さ”が、スタ ーフォースは“手軽で爽快”がテーマだと思いま す。」 カレン:「ゼビウスって、対空用と対地用の武器が別々でし たね。地上物に当てるのって難しかったです。スタ ーフォースは空中と地上の区別がなくて、一種類 の武器を撃つだけなので、遊びやすかったです。」 ヴァル:「ゼビウスは対地攻撃が面倒な反面、当て方を覚 えてしまうと、複数の敵をまとめて破壊できたり、移 動している地上の敵を狙って破壊したりと、身につ ける楽しさがありました。一方のスターフォースは、 攻撃が手軽なため、シンプルに楽しめました。特徴 としては、敵の攻撃が激しかったり、全体的にスピ ードが速かったりしました。で、このスターフォース が後の縦型の基盤になったと思います。」 カレン:「少し分かってきましたよ。コラムスの時の話にも少 し出てきましたが、広く普及するには、“手軽さ”が 重要なのでしたね。」 ヴァル:「そうですね。例えば“携帯電話”や“パソコン”、“ネ ット”がここまで爆発的に普及したのは、手軽で便 利でオシャレな感じがあったからだと考えます。多 分、“TV”の普及もそうだったのではないでしょう か。」 |
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カレン:「あ、もう1つ分かっちゃいました♪ “ユーザーの果 てない欲求”がポイントなのでは?」 ヴァル:「その通りでして、“手軽さ”という間口の広さで一世 を風靡したスターフォース、その後は当然、他所が 真似してきたり、続編が出たりするのですが、ただ 同じこと繰り返したのではユーザーは飽きてしまい ます。その為、色々な付加価値が続々と追加されて いく流れになります。」 カレン:「では、次に増えた要素というのは?」 ヴァル:「使用回数制限のある強力な武器、いわゆる“ボン バー”です。東亜プランというメーカー作の“究極タ イガー”と“達人”が有名でした。 “更なる欲求”の 関係でか、敵の攻撃は益々激しくなってきます。ボ ンバーとは、激しすぎる攻撃を打開する救済措置で あり、派手で爽快感を感じるもとでもあり、この頃に は普通に登場するようになった“ボス敵”を打倒する 切り札的存在でもあったのです。」 カレン:「あ、確かに、出来れば普通の弾だけで倒したいけ ど、危なくなったらボンバーという感じでしたね。」 ヴァル:「それと、“複数の武器”です。通常の攻撃手段が一 種類よりは何種類かある中から好きなのを選んで 使えたほうが遊びの幅が広がります。主に、威力は 弱いが攻撃が広範囲なもの、一点集中型で威力は 高いが攻撃範囲が狭いもの、敵を自動追尾したり、 耐久力の高い敵をロックオンできたりする特殊なも の等がありました。」 |
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カレン:「その次はー?」 ヴァル:「“キャラクター性”です。戦闘機自体が主人公だっ たのが、パイロットが前面に出てくるようになりまし た。“ソニック ウイングス”や“戦国エース”あたり からでしょうか、ゲーム中に武器を選択出来たもの から、開始時に搭乗する機体を選ぶシステムにな ったのです。機体が違えば当然、パイロットも攻撃 武器も異なります。」 カレン:「そういえば縦型って、格闘ゲームみたいに好きな キャラで遊ぶ、という感じになってきましたよね。」 ヴァル:「その辺は一長一短でしてね、なかには、キャラ人 気にスポットが当たりすぎてしまい、キャラクター デザインに人気イラストレーターを起用すると か、以前紹介した中で話した“ぷよぷよ”みたい に、ボス敵登場時やステージ間にはキャラ同士に よる会話とかが出てくるようになったのです。」 カレン:「私、そういうのスキップしちゃってます^^;」 ヴァル:「別に、キャラクターデモを否定はしませんが、なか には、そっちに力を入れすぎてしまい、肝心要のシ ューティングとしては、どこかで見たような内容のも の、取り立てて“これはっ”といえる展開に乏しいタ イトルがあったのは残念です。ちょっと乱暴に表現 すると、ゲーム内容ではなくキャラクター性で他 所との差別化を図ったと思われるタイトルが見 受けられました。アレとか、ソレとか・・・。」 |
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カレン:「それからそれからー?」 ヴァル:「“ボス格の敵の耐久力が上がった”ことと、“ボス が何段階かに変形する”事、そして“更に増え続 ける敵弾”です。」 カレン:「そろそろ、微妙に弾幕の匂いがしてきました^^;」 ヴァル:「縦型では割と伝統のある、セイブ開発作“雷電シリ ーズ”や、彩京の“ストライカー シリーズや、ガン バード等”あたりになると、以前はボンバーが1〜2 個あれば倒せたボス敵が、ボンバーの高威力を 前提に耐久力が上がった感じになりました。つい でに、倒した、と思ったボスが第二形態、第三形態 と、数段構えの変形仕様になったのです。基本的 に、変形する度にボスの攻撃が更に激しくなるた め、死亡復活時などで、標準装備されているボンバ ー3個では最早足りないのです! おまけに、前述 の“更なる刺激を求めるユーザー”の関係か、敵の 撃ってくる弾数が飛躍的に増えてきまして・・・。」 カレン:「このあたりから、私、縦型が楽しく感じなくなってきま した。 それで、次は現在に至るのですか?」 |
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ヴァル:「そうです。遂に弾幕系の時代に突入です。“式神 の城シリーズ”や“虫姫さま”、“首領蜂シリー ズ”あたりが有名でしょうか。敵からの弾数が増え 続けた結果、画面中を覆い尽くす程まできてしまい ました。これぞダンマク・・・ク・・・苦・・・と、どういう 訳か、敵弾の雨の中をくぐりぬけるのを売りにして いるのか分かりませんが、自機の当たり判定を小 さくして、敵弾の速度を少し遅くして、弾幕の中をく ぐる事が新しい縦型の遊びに進化?深化?シンコ ク化?した模様です。 その考え方を裏付けるか の如く、敵弾を接触スレスレで避けるとボーナス点 が入るものまで登場しました。」 カレン:「弾魔苦系ですね^^; ひぃー。」 ヴァル:「それと、縦型に限らないのですが最近のシューテ ィングの傾向として、前述のキャラクター性が更に 高まった事が特徴です。具体的には、戦闘機に乗 るパイロットとしてのキャラクターではなくなり、キャ ラクター自身が自機になっているものが増えてき ました。戦闘機に乗らない時代に変化した模様で す。 あの“グラディウス”でさえ、最近は漫画絵の 女の子が自機である“オトメディウス”になっちゃっ てます。」 カレン:「キャラクター性を高めたほうが、商品展開がし易い のでしょうか。^^;」 |
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ヴァル:「そうそう、私が最近の縦型、弾幕系にウンザリして いる一番の原因についてですが・・・」 カレン:「弾が多すぎるからデスカ?」 ヴァル:「あ、これは、あくまでも私個人の意見ですよ。敵の 攻撃手段が単純で、どれ見ても一緒なのですよ! 基本、どの敵も(どのゲームでも)丸い弾を放射 状にバラまいてばっかりなのです。ボス格の大型 な敵の攻撃って、“体当たり”も立派な攻撃だと思う のですが、如何なものでしょうかね。」 カレン:「ところでヴァルさん、この後に及んで気が付いたの ですが、今回って、ゲーム紹介しないのですか?」 ヴァル:「しますよー。当然ですよ。ほっほ ^^」 カレン:「てっきり、忘れていたのかと思ってましたヨ ^^;」 ヴァル:「前フリが長くなりましたが、縦型シューティングの変 遷と現状を踏まえた上で紹介したほうが良いと思い まして。」 カレン:「それで、今回のソフトは何でしょう?」 ヴァル:「XBOX360用ダウンロード販売ソフトから、“斑鳩”で す。イカルガと読みます。」 カレン:「わ、わたし、それくらい読めますよっ。」 ヴァル:「ぇ? 知らないと結構難しい漢字だと思いますが、 良く知ってましたね。」 カレン:「こないだ食べにいったラーメン屋が、同じ“斑鳩”と いう名前だったので読めますよっ エッヘン♪」 ヴァル:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 |
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カレン:「さてさて、この“斑鳩”ですが、もともとはアーケード 用縦シューティングとして2001年の末に登場して、 翌年にはセガのゲーム機、ドリームキャスト版が発 売、2003年には任天堂・ゲームキューブ版が発売 されていましたが、2008年にXBOX360用のダウン ロード販売タイトルとして登場しました。」 ヴァル:「メガドライバーには馴染みの深い、トレージャー の製作です。“ガンスターヒーローズ”や“ダイナマ イト ヘッディー”を作った会社です。」 カレン:「画面を見ると、当レトロコーナーには相応しくな い(!)ほどの美しい最新ぽい感じのグラフィッ ク、洗練されたデザインが目を引きますが、これで も元は9年以上前のゲームなのですね ^^; ある 意味、凄いカモ」 ヴァル:「確かに、知らない人に最新ゲームですよって言 っても普通に通用しそうですが、内容はもっと凄 いのです。」 カレン:「ほへ〜。パッと見、弾幕系の一種かと思いました が、違うのですね。」 |
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ヴァル:「本作にはパワーアップが一切ありません。また、 パズル要素が強いので、パズルシューティングとも 呼ばれてます。」 カレン:「パワーアップなし?! ぱ・ぱずる?_? はてさ て、聞き間違いですか?どういう事でしょうか?」 ヴァル:「使用するボタンは、ショット発射ボタンと、属性変更 ボタンだけです。属性というのは、敵自体と、敵の撃 つ弾は白か黒のどちらかの色をしてまして、自機の 属性も白と黒を切り替えるのです。 例えば、白い 敵弾は自機を白属性にしておくと、接触したらミス、 ではなくて吸収するのです。それで、敵弾を吸収す るとゲージが増えていき、満タンになると自機にホー ミング弾数が1つ増えます。2ボタン同時押しで“力 の解放”をすると、所持している弾数ぶんの、高威 力のホーミングレーザーを撃てまして、最大12発ぶ ん、装填出来るのです。」 カレン:「という事は、属性を上手に切り替えて進めば、敵弾 は避けなくてもイイのですか。もしかして簡単?」 |
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ヴァル:「ぃいえ、本作は高難度の内容でして、非常に手強 いソフトですよ。当然、白弾と黒弾が交互に襲って きたりします。 見て反応する、というよりは敵の出 現位置、攻撃パターンを覚えないとクリアは難しい です。計算して白黒を切り替えて進むところが、パ ズルっぽい感じがするのです。」 カレン:「個性的な縦型なのですね。」 ヴァル:「極端な話、自機の本体接触による死亡以外は、こ っちは一切の攻撃をしないで、遊ぶことも出来るの です。その場合、ボスは時間切れまで避けきらなく てはならないので難しいですが、弾を撃たずにステ ージクリアすると、“ドット イーター”という称号が 貰えます。ドットイートって、あのパックマンみたい なゲームの呼称ですよね。敵弾(ドット)を吸収(食 べる=イート)のみ、という事ですか、そんな称号が 用意されている事自体、素敵ですね ^^;」 カレン:「BGMが格好良いー♪ グラフィックもセンス良いで す。パイロットキャラクターの顔アップや会話なんか 無くても、ウンザリする程の弾幕なんてなくても、多 彩で強力な武器なんてなくても、これだけ遊び応え 満点の面白いゲームが作れるのですね。」 |
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ヴァル:「最近のシューティングなんて・・・と思ってる貴方、弾 幕ばかりが世の中ではありません。中には、探せば ちゃあんと本物はあるのです!」 カレン:「シューティングの苦手なカレンでも楽しめた本作、是 非とも遊んで見て下さい。私ではクリアは厳しそうで すが、何よりも新鮮なプレイ感覚を味わって下さい ♪」 ヴァル:「シューティングでオススメのタイトルは本作以外にも 幾つかあるので、そのうち紹介しようと思います。氷 河期と言われても、陽はまた昇る、まさしく題材通 り、本作で冬の時代を開放しましょう♪」 カレン:「あ、私としてはぁ・・・」 ヴァル:「ホワッツ?」 カレン:「セガハードも今は冬の時代ですよ、ね?そのうち春 が来ます、よ、ね?アウトラン3Dも発売されますよ、 ね?ゲームギアだって・・・・♪」 ヴァル:「カーレーン! それは只の現実逃避です。セガハ ード対応ソフトは、もう出ません!」 カレン:「・・・・もしかして、氷河期は、むしろ私自身?_? や、やっぱり私って、トホホのホ〜 (T_T)」 ヴァル:「でも、最近のセガのソフトの好調ぶりは嬉しい限り ですし、Newゲームコーナーで取り扱う予定のソフト が、こんなにありますよ(当HPの秘密の原稿をカレ ンに見せた)。過ぎた事はすぎたこととして、現在の セガを見ましょうか ^^♪」 カレン:「・・・・うん、了解。 ^^♪」 |