USA−P in 
 ・ 2004/03/14 (後編)


○ セントラルパーク動物園

 セントラルパーク園内

 園内を歩いているとセントラルパーク動物園があったので、そろそろ膝が痛み
はじめたのもあったので休憩がてら入ってみる事にした。

 大人$6の代金を払っての入場。
客層はカップル、家族連れで子供の反応も含めて日本のそれと変わらないのだが、
一番の違いは動物との距離感、だろう。柵があまり高くないし、兎に角、動物と近い。
 また、パークには野生っか野良の栗鼠が多数生息しているが、そいつらも好き勝手
歩き回っている上に人馴れもしているのもより動物との身近さを感じる。

 ズーム無しでもここまで寄れる栗鼠

 スペース的にはさほど大きいものではないが、この近さがいいなぁ… と楽しみつつ
熱帯動物館に入ると

 「ここはワシらの庭じゃ」と巡回中

 孔雀がテレテレと歩いているだけでなく、柵はあってもネットが無いので、手を伸ば
せば捕まえられそうな位置で原色の鳥達が遊んでいたりする。

 ズームを使わなくても余裕の被写体

 まぁ、糞を落とされる可能性もあるんだろうけど、こういう開放感ってのは日本の
動物園では無かっただけに童心に返れたような気がするが、膝の痛みは治まりそうに
ないのでとりあえずカフェでコーヒーを飲む。


○ メトロポリタン博物館

 動物園からメトロポリタン美術館まで、なだらかな上り坂のようになっているのを見て、
自分の中で緊張感の糸がズタズタになっていく気分がする。歩道が日本のよりもずっと
荒い舗装のせいもあるが、歩きにくいしいい加減疲れの蓄積での膝と腰痛も出てきた
ので不機嫌になってくる。
(やっぱりタクシーでまず来ていればなぁ… )
 と思うが、こういう事態は予想出来ていて、且つ、それを妻の気分を損ねるのも面倒くさく
て反対しなかったのは自分なんだが、そんな自分にも妻にも腹が立っくるのが最高潮に
なったのがメトロポリタン美術館だった。人出が多くなってきて賑やかなのが気に障るし
ずらずらと並ぶ街頭での絵売りやお土産売りの多さも気に障る。

 正面玄関前。

 セキュリティチェックはしていたが、カバンの中身だけで金属探知機や身体検査
は無し。アンダーカバーを2つ装備していたんだが… アメリカのセキュリティ感覚
ってよく解らん。結構な混雑の中、一番近いエジプトコーナーに行くが…

 石像のお出迎え

 私も美術館や博物館は好きなんだが、それ以上に
「あっち行ってみよう!」
「こっちはどうなってるのかな?」
 と、はしゃぐ妻にいい加減、私がキレてしまって夫婦間の空気、最悪。
こんなに膝や腰が痛くて今夜の4時間以上のWM観戦が大丈夫なのか?
と言うか、何で出発の時にもっと自説を強硬に主張しなかったのか?
 大体、妻の早くなったり遅くなったりする歩くペースって何だよ?
 … ナドとグログロとした気分で
「俺、ここで休んでいるから妻、好きなトコ見て来りゃぁいいよ」
 と思いっきりトゲトゲの投げやりな言い草に妻が私の状態に気がついて
泣きそうになるがそれが余計に腹が立つ、って悪循環。
「じゃぁもぅ帰ろうよ、タクシー使ってさぁ」
「帰りも歩きたいって言ってたじゃん。ブロードウェイとか見たいって。
 だから膝とかちょっと休めたいから、妻は妻の好きにやっててくれや」
「そんな言い方ないじゃない」
 と喧嘩してますます疲弊。
「もうちょっとこっちに気を遣ってくれっての。自分、自分のペースで歩いて
いるからいいけど、合わせるこっちの身にもなってくれや」
「だけど夫だって… 」
 と泥沼になったのにも疲れてしまったのでお互いに折れる事にしたのはまぁ
新婚ではなく5年目の夫婦だからなのか… まぁ軽く腰と膝をマッサージし、携帯
していたサプリメントを複数飲んでからメトロポリタン美術館を後にした。


○ 怒りのマクドナルド

 来た道を戻ってW59th.Stを西に向かい、コロンバス・サークル一本前で南下。
暖かい陽射しと人通りの多さに気分も回復してくると、お腹も空いてきたが
1時になっているというのにまだまだどの店も混んでいるが、その中でも比較的
マクドナルドが空いていたので入ってみる事にしたのだが…

 竹内玲子・著『笑うニューヨーク DELUXE』の中でNYのマクドナルドがいかに
酷いかを書いてあったんだけど、正直言って半信半疑だったのね。でも、それが
別に誇張でも何でも無い事を嫌という程に知らされた。
 兄ちゃんらが私らも含めた客に
「まだか? 早く注文しろよな〜 っか、買うのか?」
 と言うわ、テイクアウトか店内での飲食かも聞かないのはまぁいいとして
他のデリやカフェならあった清算後の
「Thank you」
 の一言も無く、ただ
「Next!」
 ってのにも嫌な感じがしたが、渡された紙袋を持って2階に上がってみて
他のお客らの陰気な空気が気になりつつ、紙袋を開けて呆れた。

 焼肉サンドみたいなのを注文したんだけど、箱がキチンと閉じていない上に
横向きに突っ込んであるから中身がはみ出ているのと、ポテトも横向きに
入れてあるので紙袋の中で散乱しまくっている。加えてポテトが温いわ、
サンドは冷たいわ… 犬の餌じゃぁあるまいし、こんな雑な対応はNYでは
初めてだっただけに悲しいやら情けないやら。おまけに妻のサンドの箱は一応閉じて
いたから解ったのだが、同じサンドなのに具材の量が明らかに違う
 これだったらまだ街頭のスタンドで買った方がよっぽど美味いし安いし会い愛想もいい
事を思えば
「もう一度、NYには行きたいけれどマクドナルドには二度と行かない」
 と強く心に思った。

(ホテルに帰ってから、NYT等、募集関連を調べてみたが、マクドナルドの
賃金は決して低くは無い。チップが無い分だけ実は高い部類に入るのだが
それでもあの対応って一体… あれがアメリカでの基本、なのかなぁ?)


○ ブロードウェイ 〜 ペンシルバニアホテル

 空に聳えるカップヌードル

 マクドナルドで打ちのめされた気分もタイムズスクエアに立った頃には回復した。
賑やかさは更に増してきたのもあるが、秋葉原と言うか新宿のような雰囲気に落ち着いたっての
もあるかもしれない。もっとピリピリした空気かと思っていたんだが… そりゃぁ1ブロックに
最低1台パトカーがいるが… 歩く人々の穏やかな雰囲気は今日が日曜ってだけではないと思う。

 明日のお買い物等の下見をしながらブラブラと帰ってくるとホテルの前で黒人の兄ちゃんらと
警官らが口論をしている。どうもこの場所での募金行為は禁止されているのを注意されている
ようなのだが、それにしたって
「じゃぁ返せばいいんだろ、金!」
 ってのもどうかとは思うが笑えてくる。

 最後に99ショップでポテチやらパンやら色々と買い込んでからホテルに戻るともぅ4時近く。
ツアーデスク付近の掲示を見るが、既にMSGでグッズ販売が開始されている事を除けば特に
新しい情報は無かったが一応… とE2班担当の添乗員に
「何か特に重要な変更事項って無いですよね?」
 と聞くと、
「あの、開始時間について以外は… 留守電、お聞きになられませんでしたか?」
 留守電?
「一応、ツアーの皆様のお部屋にお電話しましてぇ、それでお出になられなかったトコロには
留守電でメッセージが聞けるようにしておきましたが… 電話に赤いランプがつくようになって
いますよね? それが留守電がある事を示すんですよ」
 そんなシステム知らんわ… と嘆息したいのを堪えて
「そうですか。確認してみますわ」
 と部屋に戻って電話を確認してみるが、赤いランプはあっても点いていない。
 大丈夫かぁ、このホテル?
「でもさぁ、私達って当初の部屋から移ったじゃない? だから、って事は無いかなぁ?」
 と妻に言われて念の為にもう一度ツアーデスクに戻って念を押すと
「あぁ… えぇっと、ちゃんと変更してある筈ですし、今のお部屋にお電話した筈です。えっと
確認してきますね」
「いや今回は私達についてはもぅいいけど、あと数日の事もあるし、万が一、関係無い人の部屋
へメッセージが… ってのもマズイんじゃないですかね?」
「あぁ… えぇっと」
 とパニくる添乗員をさしおいて
「申し訳ありません。すぐ、確認しますから」
 ってオネーサン添乗員さんが言うので任せる事にしたものの… 国内旅行ならいざ知らず、
海外でこんな対応されたら不安になるっての。新人研修なら国内でやってくれや… と思うのは
贅沢なんだろうか?

 部屋に戻ってサプリメントを飲み、風呂でマッサージを… と思ったら風呂の栓が無い。
仕方なく足で塞いで溜めた湯の中でマッサージし、湯上りに液体サロンパスを塗ってベッドに横
になり、夫婦共にWMの時間まで仮眠を取る事にした。

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