USA−P in 大阪 2
・ 7月20日 − 前編


○ 大垣 〜 新大阪 〜 大阪港。

JR新大阪駅。

 毎朝通勤に使う東海道線のちょうど反対側のホームから出発する京都・大阪方面加古川行きの普通
電車、いつもならば始発駅の大垣ではガラ空きなんだが今日から小中学校やらの夏休みとあってか
家族連れやら何やらで人で埋まってしまってモタついていたらちょっとシンドイ事になっていたやもしれ
なかったが… いつから金曜日から休みになったんだろう? 終業式は昨日だったって事? っと、
やや不安を感じる出発ではあったものの空はずっと曇り空、冷房の利いた車内でうつらうつらと眠り
ながら2時間半かけて大阪駅に到着。
 新幹線を使えば多少早く到着出来るものの料金、乗り換えの手間をかけて速く到着しても店や施設
が開いてない時間や通勤時間の混雑も御免だからもあるしねぇ… って事で、ノンビリと地下鉄に乗り
換えて辿り着くの大阪港。さて、チョイと歩く事になるねぃ… まぁ焦らず行きましょうかねぇ… と思い
つつ乗るエスカレーターで左側に立っていてフト気がつくと渋滞になってて慌てて右側に移って事無き
を得る。
「あぁ、ここは大阪だったんだよなぁ… 」
 東海地方も立つ時は左側、確か妻の実家の下関やそのお隣りの小倉も左側だった筈だったよね…
いやいや、ズレていますな、うん、っと辿り着くのは海遊館

カモメが遠くで舞っておりました。

 夏休みに入ったからというせいかそれなりの賑わいでありつつも前回のようなクソガキ連中を見か
ける事もなく。かわりに大陸や半島からの観光客の方々もいて賑やかではあるんですがそれも混雑
故の事、怒りのあまり殆どの写真が手ブレになってしまった前回と比べると落ち着いて写真を撮る事
も出来たし、妻も水槽の大きさや見せ方に喜んでますはひと安心。

海遊館内。ちょっと施設的には無駄やデッドスペースが気にならなくもないんですが、しかしゆっくりと見て回っていく感じが好きですね、ココは。 何故か、よく出会った彼氏。っか、メインの水槽を見ると彼氏がそこにいる、って事が多かったです。

丁度、水槽の清掃中でありました。が、また何故か彼氏がそこにいて。 何となく私はクラゲ好きだったりするもんで。

 見終える頃には小腹も空いてきたので隣の天保山マーケットプレイス内にあるなにわ食いしんぼ
横丁
へと行ってみる事に。昭和40年代をモチーフにしたプチ・フオードテーマパークってトコだが、
「しっかし、わざわざこういうハコモノにしなくたっていいんじゃぁないのかなぁ?」
 と道頓堀周辺の事を思い出さなくもなし。色々ある店ん中から『餃々』にする事に。

ニンニク餃子、野菜餃子、餃々餃子の「欲張りセット」。

 …まぁ焼き立てで不味いワケではないが折角の薄めの皮なのにしんなりとした仕上がりでイマイチ
食感としては面白くもなし。夫婦二人の小腹ふさぎとしては悪くないが、さてホテルのチェックインまで
の間もあるしどうしましょうかねぇ… って事で思い切って鶴橋にまで行ってみる事にした。

○ 鶴橋 〜 難波。

 コリアンタウン、焼肉の美味い店が多いと台湾の日本旅行番組でも紹介された鶴橋。地下鉄案内図
でそれらの店が多くある方への出口へと向かうとゴマ油の匂いが。
「何コレ? どういうこと?」
 っと怪談を上ると、小さな店先で焼いているチヂミのものだと解ってちょっと驚くが、女子高生らがそこ
で買ったチヂミを食べながら地下鉄へと降りてゆく様にはなんとなく微笑ましい気分にもなり。
 さて、何処に行きましょうかねぇ… っと散策してみる事にしたのだが、観光地だから仕方無いのかも
しれんけれどもどの店でも呼び込みが煩い。いやまぁ大声じゃぁないんだけど、店先のメニューを見て
検討しようとするも昼時だからか大きく掲げられたのはランチメニューで、ガッツリと夫婦で食いたい
私ら夫婦には不向きなのでお品書きをよく読もうとすると
「今、すぐお席にご案内できますよ〜」
「ぜひウチに来て下さい〜」
 っとメニューの間に立ち塞がるような感じで声をかけてきて邪魔くさいし、そういう店に限って昼時で
あるにも関わらず殆どお客がいないトコばかりで美味いのかもしれんがやっぱりねぇ… って事で、
落ち着いた感じの焼肉レストラン アジヨシ別館にする事にしましてさぁ食うぞぉッ! っと意気込むも、
お上品な造りの店内での焼肉はガスなのと空調もいいので非常にお上品。店員さんの対応も丁寧で
お上品な肉の処理、アッサリめのタレといい万人向きっか接待や生々しくなりかけのカップルやクドイ
ものが苦手な方にはオススメで骨付カルビやハラミは気に入ったんですけど炭火でもぅもぅとした中で
ガッツリとニンニクと一緒にワシワシと食う!ってイメージをしていて、またそういう焼肉屋の方が好み
な私ら夫婦にしてみると
「美味しいんだけどねぇ… 」
「私ら向きではない、ってお店だよねぇ… 」
「美味しいんだけどねぇ… 」
 って事で見事に空回り気分で。
美味しかったんだけどもお腹は一杯になる程には注文をする気にもなれず… こればっかりは相性、
向き不向き、好き好きの事だしねぇ… って事で会計を済ませてチョロっと迷路のような商店街を散歩
するもあの狭さは凄いですよなぁ… そこにみっしりと色々な店が一杯ギュウギュウに詰まっている様
はいつか見た九龍城とかのようなアジア、日本なら戦後闇市って感じで楽しいんだけど狭い空間は
ガタイのいい夫婦二人には窮屈(苦笑)なのと、いい時間になったので日本橋に移動しチェックイン。
 今晩のなんばグランド花月の開場が6時、って事でまだ時間があるんでシャワーを浴びて一休み…
の筈だったが思いの外、湿度と温度に体力を消耗していたので2時間ほど仮眠をとってから難波へ
と向かう事にした。

 前回の大阪旅行の際、道に迷ったこの界隈もひたすら歩き回ったおかげで地理はそれなりに掴めて
いるのでスンナリとなんばグランド花月に到着。

NGK前。

 当日券待ちの行列があるも私らは既に購入済みなので関係無いが、あと1時間程度をどう過ごすの
か? となると、向かいの吉本のゲーゼンはパスだしワッハ上方を覗くにはちょっと時間が足りなさげ。
一応花月の地下階に吉本笑店街なるこれまた昭和40年代をモチーフにしたテーマパークもどきが
あるが、ガイドブックを見るに国際秘宝館に毛が生えた程度の展示物やらがある程度で入場料800円
を払うのはあまりにもアホらしいしそんなにスペースがあるワケでもないから間が持たないだろうし…
 って事で、思い切って出立前に道頓堀さんに教えてもらった『会津屋』へと行ってみる事にして。

 なんばウォークの「構成はシンプルな筈なんだけど案内図等どうにも解り難い」というのにまたも迷い
ながらも辿り着いた『会津屋 なんば店』、小さい店ながらもちゃんとテーブル席とカウンターがありお客
さんもいて賑やかで。カウンター席の隅に座り、オーソドックスな「元祖たこ焼き」と「ラヂオ焼き」なる
ものをオーダーする事にしたのは私ら夫婦が初めての店ではよくやる事ではあるが、

 あ、勿論お分かりやとは思いますけど、まずは一番スタンダードな
 ものを注文され、それから気が向いたら“飛び道具”的な
 メニューに進んでくださいや。
 いきなり “飛び道具”的なメニューを注文されて、それで大阪の
 たこ焼きにダメ出しされると辛いから...。


 という道頓堀さんからのメールも意識しての事。ただネギのトッピングがある、ってのはよく解らない
のだが、やはりここはシンプルにいこうという事でどちらもそのままのオーダーで。
 ただ道頓堀さんからのメールはそれに続いて

 それと最近は大阪のたこ焼き屋も東京ナイズされよって、
 こっちが黙っていたら、いきなりたこ焼きにマヨネーズなんて
 かけよるからホンマに注意。もしそんな事をされたなら、
 「これはワシの鉄拳やない、道頓堀次郎って男の鉄拳じゃ!」って
 言って、アルバイトの店員さんに一撃喰らわして貰っても結構です。
  ※当然裁判になっても、ワシは知らん顔をするけど(苦笑)。

 っとあったのだが、妻がマヨネーズ大好きっ子のマヨラー、私も別にマヨネーズがかかっていてもそな
い怒る気になれないと言うか、っか、タコ焼きってタコを小麦粉の溶いたもんでくるんで焼いたのを食べ
る物の筈で、だから上にかけるソース類の味が濃い必要があって、それにマヨネーズが加わるのも特
に不思議でも非道な事でも無いような気がするんだが…

「ラヂオ焼きは注文を受けてから焼きますんでお時間かかりますけどいいですか?」
 と言われるもそない15分も20分も待たされるワケじゃぁなかろうからとお願いして待っているとまず
出てきた元祖たこ焼きを見て驚く。
 普通タコ焼きと言うとソースがあって青ノリやら鰹節やらがかかっていているものだが、出てきたそれ
は小さくころんとした茶色いたこ焼きが並んでるだけでトッピングどころかソースすらかかっていない。
「これは… あ、だからここに醤油とソースがあるのかな?」
「自分の好きな方をかけて食てね、って事??」
 と、恐る恐る半分づつに醤油とソースをかけてみて食べてみる事にするが、醤油もソースも本当に
サラッサラの薄めのもので、こんなんでホンマ大丈夫なんか? っと口にすると。
「あつっ! あ… でも美味いわコレ」
「こういうのがタコ焼きの元祖なんだぁ… 」
 サクとした焼き上がりの表面とトロトロの中身ってのは想像出来てはいたんだけどその中身、蛸より
もむしろ粉とそれを溶く出汁の風味がなんとも。非常に繊細で、よくありがちな大阪のイメージである
クドイ、コテコテといったイメージは欠片も無く、それでいて薄いとか淡白と言うものでもなく。なる程、
こういう風味と食感を味わうものならばソース類がかかっていたり、ましてマヨネーズがかかっていたら
その味だけになっちゃってしまう。だから何もかかっていないし、物足りなければ薄めの醤油かソース
程度で充分、って事になるのかと。自分の中でのたこ焼きという固定概念が壊れるような、それくらい
に構造も狙いも仕事も結果も違うたこ焼きと言えばいいのか。
「へぇ… これが、こういうのがタコ焼きの元祖、なんだ… 」
 と感心しつつ食していると何故かカウンターの隅に『美味しんぼ』77巻が4冊も並んでいて。
「このお店が出たって事かなぁ?」
 っと妻と二人で見てみると、会津屋本店が出てこの元祖たこ焼きが紹介されたが、何もかけないで
食すのが正しい食べ方
とあって夫婦共に凍りつく。
「いやぁ… 」
「あははは… 」
 そっとコミックを戻して残りを食し終えた頃に出てきたのはタコ焼きの原型の1つラジオ焼き。今度は
何もかけないで食してみると、こちらも具の牛肉やコンニャクやらの味を粉と出汁で引き立てるが感じ
で、これはこれで美味しい。出てきたそれをサクサクと二人で食べ尽くし、ニコニコとした気分でなんば
グランド花月へと向かう事にした。



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