ジュウモンジニセリンゴカミキリ
Eumecocera minamii Makihara,1984
体 長 9 〜 12mm
出現時期 5 〜 6月
ハルニレの葉上で交尾するジュウモンジニセリンゴカミキリのペア
木曽郡木曽町 2015.6.10(以下同じ)
近縁で酷似するセミスジニセリンゴカミキリと混同されていましたが、長野県内での過去の標本を検証した結果(石川豊、2015)、木曽郡の一部で生息が明らかになった種です。クヌギ、コナラを寄主植物にし、成虫はハルニレの葉を後食します。
木曽町のハルニレでの観察では、若木に飛来したものが葉上で交尾したり、メスが葉にできた黒く変色した虫こぶ(オカボノクロアブラムシによって形成された虫えい:成熟期は黄緑色ないし赤紫)を後食する場面が見られました。
名前の由来になっている前胸背板の紋様が十文字になる個体は稀なようで、この日出現した4個体は、いずれも中央に縦条紋があるものばかりでした(内メス1個体は不完全)。
セミスジニセリンゴカミキリとは、上翅背面を被う毛が、上翅左右の合わせ目付近と側部で密になり、条紋のように見える(セミスジニセリンゴは一様に見える)ことで概ね区別できます。
黒く変色した虫こぶを後食するメス
上翅を被う毛の密度の違いで条紋を呈したメス
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