合言葉は正義
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2)Xにおけるベクレムの足取りを検証

2-1)まずは消去法。明らかに似てないのは誰だ

 すみませんね。あれだけ長い文を延々と読ませられてもうぼちぼちウンザリなさった方も多いことでしょうが、まだ長くなります。ガッカリしてください。

 さて、のべ18人(ひとりはキョウなので員数外)存在するベクレム(仮)。姿こそ異なりますが、彼らの個性は千差万別。中にはベクレムそっくりの話し方をする人物もいれば、そうでない人物もいることが前章でおわかりいただけたと思います。

 もちろん人は変わるもの、Xのヒロイン、X-2の主人公であるユウナでさえ あのザマ あれほど様変わりしたのですから、2年前のベクレムだって、もしかすると空気のように敬語を操る爽やかナイスガイだったかも知れませんが、ここではあの野郎は幼少時から延々とあの性格だった(偏見)と仮定して話を進めていきたいと思います。

 セリフからみて明らかに別人であると判断できるのは(徒歩警備)/(カンパ)/(砲修理)/(街道警備)/(オリ)/(幻光河)の6名。E・Qの2人は口調、D・G・K・Pの3人はセリフから受ける人物の印象が、それぞれベクレムと異なっています。

 「こりゃあベクレムじゃねえだろう」と判断するに至った具体的なセリフは以下にまとめました。

D:「よろしくな!」「寺院も認めてくださるだろう」
E:「どうもです」
G:「砲がズレちまったよ」「よっこらせっと」
K:「アレもコレもソレも帳消しだよな。生きてきたかいがあったよ!」
P:「メシを出してくれるやつは友だちさ」
Q:「ご安心ください」

 ……こんなベクレムだったら今頃もうちょっとファンも増えて(略)



2−2)公式設定からも絞り込んでみよう!

 前項では口調をもとに絞り込みを行いましたが、本項では作中およびアルティマニアからベクレムの性格や社会的地位を考察し、更なる特定作業を行いたいと思います。
 ズバリ結論から言ってしまうと、ここで別人と判断できる可能性を持った人物は合計3名。

A:「演習中! 演習中!」
B:「またブリッツを楽しむためにも、作戦を成功させて生還したいものだ」
L:「隊長! 目を開けてくれよ!」

 まずA・Lのベクレム(仮)、この両者に共通するのは、彼らが討伐隊の「部下=下っ端」であるということです。Aは隊長に付き従って演習を行っていること、Lはセリフから容易に判断できます。
 どうして下っ端じゃイカンのかと申しますと、これはベクレムがチャップの戦友であったため。
 チャップが命を落としたのは「X」の1年前ですから、少なくともベクレムは1年以上討伐隊に籍を置き、戦いに身を投じてきたことになるのです。

 また、作中でハッキリと明かされてはいませんが、チャップの形見を所持していたことから、ベクレムがジョゼ海岸防衛作戦に参加していた可能性はかなり大きいと推察されます。
 ジョゼ海岸防衛作戦は『ミヘン・セッション』計画の礎となった大規模な軍事作戦。それだけの戦いを生き残った人物(しかも深刻なスパルタ気質)が、それから1年を経過してなお下っ端扱いされているとは、少々考えにくいのではないでしょうか。


 そしてB。彼とベクレムとの共通点は、もちろん『ブリッツボール』です。
 ミニゲーム「ベクレムに挑戦!」をクリアしていると後に判明しますが、ベクレムは現役選手に勝るとも劣らないブリッツの腕を持っています。
 一見、ブリッツの試合を毎回楽しみにしているBと同一人物であることに矛盾はないように見えますが、ここで忘れてはならないのが「X-2」のストーリーレベル4で見ることができる一場面。こっそりブリッツボールに興じるオーラカのメンバーを、彼は「またボール遊びか」と一蹴しています。

 上記のベクレムの言動を突き詰めていくと、彼がブリッツに抱いている感情は

「実はブリッツが得意だが、(今は)あまり好きではない」
「実はブリッツが好き、かつ得意だが、任務中なので『遊び』は控えている」
「実はブリッツが好き、かつ得意だが、何らかの理由によりそれを隠している」

 このどれかに大別することができそうです。

 このうち1か2が真であり、かつ2年前のベクレムにもあてはまるとすれば、Bの彼がベクレムでないことは明らかです。嫌いなスポーツを心待ちにする必要はありませんし、2のようなことを考えるほど徹底した生真面目な人間であれば、より直接の脅威である『シン』が生きていた2年前に、同じことを考えなかったはずがないからです。

 もちろん「ただでさえ気の抜けたオーラカの連中にオレがブリッツファンだとバレたらナメられる」というような理由から秘密にしていたという可能性もあり得ますので、AやLの場合と同じく、これも仮説に過ぎません。

 また「ブリッツが得意なのに隠している理由はチャップの死が原因だ」というような推論をうかつに書いてしまうと、ただでさえクソ長い文章量が5倍に跳ね上がると予測されますので割愛します。



2ー3)時系列を確認してみよう

 さて、考察の結果、18名いたベクレム(仮)たちを半分にまで絞り込むことができました。

 ところで、彼らベクレム(仮)たちを検証してみると、中には互いに似通った言動を取っている人物が存在することがわかります。「ミヘン・セッション」という討伐隊の一大イベントを挟んでいる以上、イベントが進むごとに各地から現れたり消えたりする彼らの中には、例えば

 ルカでブリッツボールを観戦した後(B)→ミヘン・セッションに参加(Fほか)→運良く生き残り、ミヘン街道の警備にあたる(O)

 ……といったように、ティーダ一行と旅先で何度も顔を合わせている人物がいるかもしれません。当然、その中には本物のベクレムも含まれている可能性があります。

 そこで、全く同時期に別の場所に存在しているベクレム(仮)たちを区別するため、次のような表を作成しました。
 この表で横軸に並んでいるベクレム(仮)は、全く同一時期に別々の場所に登場しているため、同一人物ではあり得ない、ということになります。


※登場時系列※
登場している期間 登場する人物(地名/特徴)
キーリカ寺院参拝前
(Kr/演習中)
 
ブリッツトーナメント試合前
(L/観戦)
 
同・試合後
(L/頑固)
 
ミヘン街道通過中
(M/徒歩)

(M/カンパ)
 
ミヘン・セッション直前
(Kn/無言)

(Kn/砲修理)

(Kn/演説)

(Kn/稽古)
 
ミヘン・セッション直後
(Kn/ケガ)

(J/街道)
 
ジョゼ寺院参拝後
(J/看病)

(M/約束)
 
飛空艇入手後
(Kr/桟橋)

(L/飛空艇)

(M/オリ)

(Gk/幻光河)

(N/谷底)
※記号の後のアルファベットは登場位置。それぞれKr=キーリカ、L=ルカ、M=ミヘン街道、Kn=キノコ岩街道、J=ジョゼ、Gk=幻光河、N=ナギ平原を表す。

 ではこの表から、前項・前々項で「ベクレムでない可能性が高い」と判断された人物を除外してみましょう。すると次のような結果になります。

登場している期間 登場する人物(地名/特徴)
キーリカ寺院参拝前
(Kr/演習中)
 
ブリッツトーナメント試合前
(L/観戦)
 
同・試合後
(L/頑固)
 
ミヘン街道通過中
(M/徒歩)

(M/カンパ)
 
ミヘン・セッション直前
(Kn/無言)

(Kn/砲修理)

(Kn/演説)

(Kn/稽古)
 
ミヘン・セッション直後
(Kn/ケガ)

(J/街道)
 
ジョゼ寺院参拝後
(J/看病)

(M/約束)
 
飛空艇入手後
(Kr/桟橋)

(L/飛空艇)

(M/オリ)

(Gk/幻光河)

(N/谷底)
※記号の後のアルファベットは登場位置。それぞれKr=キーリカ、L=ルカ、M=ミヘン街道、Kn=キノコ岩街道、J=ジョゼ、Gk=幻光河、N=ナギ平原を表す。

 どうでしょうか。これでだいぶ、ベクレムの「X」における足取りが見えてきた印象がありますね。


EX) 極論・ベクレムの正体はキョウだった?

 この場合、キョウかベクレム、どちらか(あるいは両方)が偽名であることになります。討伐隊で多くのものを失ったキョウがベクレムと名を変えて再出発したのか、ミヘン・セッションで敗残の身となった己を恥じて名を偽っていたのか、それとも単にブリッツでデビューするにあたってカッコいい芸名を名乗りたかったのか、まあ理由は定かではありませんが。

 前ページの「番外」を見てもわかるとおり、キョウはミヘン・セッションの大敗を悔い、ジョゼ寺院でエボンの教えに目覚めた討伐隊員です。寺院やエボンの教えを徹底して古臭い無用のものと見なすベクレムとは、およそ180度異なる価値観の持ち主といっても良いでしょう。
 また、もと討伐隊員ということ以外で共通しているのはブリッツの腕ですが、ディフェンダーとして優れた能力を発揮するキョウとストライカーであるベクレムでは、選手としての適性が全く異なっています。

 似て非なるもの、という言葉が非常によく似合う二人。同一人物であったとしたなら、X→X-2の2年間に彼を変えるきっかけとなったドラマが非常に気になるところです。


※参考・こんなに違う2人のブリッツ能力値※
 END/PHY(耐久)ATK(タックル)PAS(パス)SHT(シュート)BLK/CUT(カット)CAT(セーブ)
ベクレム(秘密特訓済)997680993222
キョウ(LV99)414489206446



3)さあ、今こそ妄想力の試されるときだ!

 というわけで以下に記したのは、これまでの考察をもとに当方が愛と妄想でひねり出した「FFXにおけるベクレムの足取り・心の公式」
 貴方の心のベクレム像をより鮮明かつ魅力的なものにするための一助となれば幸いです(←まず無理だと思います)。



1)ルカからミヘン・セッションに参加するためキノコ岩街道へ(C)

 スタート地点はブリッツ大会終了後のルカ。別段止めてもいないのに「いくら説得されても無駄だ」と、人の話を聞かないベクレムっぷりを早速露呈しています。
 この時期にこの場所にいるということは、やはり密かに試合の観戦でもしていたのでしょうか。きっと部下たちが「おい、ウチの隊長一体どこ行ったんだよ?」と青くなって探し回っていたことでしょう。

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2)キノコ岩街道で幼女相手にスパルタ特訓(I)

 ミヘン・セッション開始前の討伐隊司令部で。たとえ女子供であろうとも、決して訓練の手をゆるめない厳しさは見事というか流石というか。しかし、これもひいては大事な部下を生き残らせるため。どうでもいいですがあんな小さな子を『シン』と戦わせたら青少年保護団体から訴えられるんじゃないでしょうか。

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3)シンの毒気に頭をやられてドラクエ症候群を発症(J)

 健闘空しく大敗を喫した討伐隊。ベクレムの部下も残念ながら全滅してしまった様子です。
 『シン』に襲われた人間は、例え生き残ったとしても記憶の混乱に苦しめられる運命。彼もその例に漏れず、某E社から合併のどさくさで流れ込んできた異世界の空気に当てられてしまいました(←断言するなよ)。

 「おお へ゛くれむよ! しんでしまうとは なさけない!」

 そんな風に脳内で彼を責め立てる、異国の王の冷徹な声が今にも聞こえてくるようです。

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4)死んだ筈のチャップを待ちぼうけ。仲間に可哀想な目で見られる。(M)

 なんとか歩ける程度にまで回復したものの、『シン』の毒気が彼に及ぼした影響はあまりにも深刻。気が付くと彼は1年前にチャップと訪れた、ミヘン街道の旅行公司へ足を運んでいました。そして、

「オレは……チャップと約束したんだ。必ずまたここで酒を飲もうと。……ああ、でも、チャップは……まさか。そんな筈があるものか。このスフィアにだってちゃんとあいつは生きて映っている。……だが、オレは一体これをどこで……」

 というような感じに懊悩していたわけです(激萌)。

 もしかしたら仲間の隊員が「あいつの相棒はミヘン・セッションで死んだ」とちゃんと言っていたかも知れませんが、そいつも毒気にやられてたということでひとつヨロスクお願いします(←無茶苦茶にも程がありますよ)。

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5)そこへ偶然にもヌージがひょっこり(妄想)

 ミヘン街道の旅行公司前といえば、アカギ隊の4人にとって衝撃的な出来事が発生した場所。バラライがその出来事の後に例の青い老師(存命中)の元を訪れていますから、時間的な矛盾はありません。

 仲間たちと別れ、手足になりそうな人間を捜してフラリと旅行公司内へ立ち寄ってみるヌージ。そこには何やら悩んでいる様子の仮面の青年がおりました。 好みだ、と思ったかどうかは知ったこっちゃありませんが いかにも単純で操縦しやすそうなタイプなので、ヌージは気軽な口調を装ってナンパを仕掛けてみることにします。

ヌージ「今度、討伐隊のヤングを集めてサークル作ろうと思ってるんだけど、入らない?」
ベクレム(毒気入)それはいいな、仲間に入れてくれヨ!
「ようし、あんたが会員第一号だ。ところでサークルの名前はどうしようかな」
ベ(毒気入)青年同盟なんてイカすんじゃないか?
「いいセンスしてるじゃないの。それで決まりだ。それじゃ早速仲間集めといこう」
(※セリフの一部に実際のキャラクターのイメージと異なる部分がございます)

 という感じにベクレムも毒気で少々ラリっていたので、チャップを待ちぼうけしていたことなどスッカリ忘れ、なりゆきでヌージの仲間になってしまいました(←ヌージファンの方に闇討ちを喰らいますよ)。

 後に案外使えないことがわかって田舎に飛ばされたり書類仕事ばっかり押しつけられてたりするのですが。

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6)だいぶ正気に返ってきたのでとりあえず討伐隊の仕事に復帰。(N)

 意気投合したヌージと別れ、故郷のキーリカ(当方の脳内公式設定)へ帰還したベクレム。
 毒気がだいぶ薄れてきたため「イカン、サークル活動なんて遊びに現を抜かしている暇はない。討伐隊の本職を全うせねば!」と張り切っていますが、どうもエキサイトしすぎて周囲の人間から変人を見る目で見られている様子です。そりゃあ見知らぬ人にガッツポーズして回っちゃ変態だろ。

 ↓↓↓

7)討伐隊解散。青年同盟の手先として生まれ変わる(妄想)

 仕事の鬼であったベクレムも、『シン』が倒れてめでたくお役御免。故郷(脳内設定)キーリカでサークル活動に専念することになりました。
 持ち前のスパルタ根性で住民をどしどし青年同盟シンパにしごき上げますが、一方でその癇に障る性格が猛反発を買い、島全体を青年同盟派と新エボン島派に分裂させてしまいます

 そう、実は「X-2」のキーリカ住民がやたらに対立していたり、あんな島に妙な形状の青年同盟基地が建設されていたのは彼が元凶だったのです(←絶対にありえません)。

 ↓↓↓

8)そして「Final Fantasy X-2」へ……


 なるほど、だからあんな人が青年同盟の幹部に成り上がることができていたわけだったんですネ! これで全ての謎が解決しましたヨ!(←もう少しサクラの修行を積んでください)



 いかがでしたでしょうか。もちろん今回ご紹介したベクレムの足取りは、当方の推測と妄想による可能性のひとつに過ぎません。
 しかし、ここまで全部読み切った貴方なら、この調査記録をもとに、もっと熱く・深く・驚きに満ちたベクレムの物語を描くことができるはずです。

 さあ、今こそ妄想の翼をはばたかせる時。2年前のベクレムがどこで何をし、何に思いを馳せていたのか。その正しい答えを見つけることができるのは貴方だけ。 どうせスク●ェアエ●ックスはあんなザコキャラの公式設定なんて大して深く考えていません。

 我に続け! 覆面に魅入られたベクレミストの諸君!!


※なお、コラムの性質上、本稿では「2年前のベクレムが今と同じ服装をしているだろうか」「そもそもFFXにベクレムなど登場しない」といった可能性は一切黙殺させていただいております。ご了承ください。


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