鬱日記
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2004年1月28日(金)

 「スラムダンクに出て来る流川の名前はではなくだ」という御指摘をネット/リアル双方から三件も頂いて反省しきりの春原である。
 スラムダンクといえば連載後半はほとんどベンチ入りしていて毎週数コマ小さく出てれば僥倖といっても過言ではなかった木暮さんの勇姿しか記憶にないくせに「あの矢鱈にモテる前髪の鬱陶しい人の名前は何だっけか」などとウロで書き綴ったのがいけなかったと思われる。

 問題の「薫」であるが、そういえば『相棒』で水谷豊の相棒刑事を演ずる寺脇康文の役名は「亀山薫」であった。
 おそらく毎週欠かさず豊の勇姿に見入っているうちに、当方の中に「カの付く三文字の名前は薫だけで十分だ」という思い上がった差別精神が根付いてしまっていたのだろう。これは大いに猛省せねばなるまい。

 誤りの程度がアレ過ぎたこともあるのだろうが、意外に多くの方がじっくり当日記を読んでくださっていることを改めて知り、恥じ入りつつも後ろ暗い喜びを感じてしまう次第である。
 御指摘くださったお三方、どうもありがとうございます。


 しかし、またしても竹豊に続く固有名詞のグレート誤字。
 いかにウェブ上で無責任に書き散らしている日記といえど、ここまで酷い間違いが続くと己の記憶力にいささか疑いが生じて来るものだ。
 ただでさえマッターホルン級のバカの壁と風呂場の壁に開いた節穴から見える女湯級の視野の狭さを兼ね備え、過去には愛知県の全土が名古屋市だと半ば本気で思い込んでいた前科を持つ当方である。このまま放っておいたらそのうち新庄剛志とマイケル富岡の区別もおぼつかなくなるに違いない。っていうかあの旅行会社かなんかのCMで白いギター持ってフリーダムとか言ってる濃い顔の人は新庄で良いんですよね本気で自信がないんですが

 もういっそのこと校閲士か編集でも雇い、掲載前に一通り内容チェックをしてもらった方が良いであろうかと思ってしまうこの頃である。
 当方は貧民であるため報酬としてリンゴ3個程度しか支払えないのであるが、どなたか請け負ってくださる方はおられまいか(←こんな出鱈目な文をキティちゃんの体重と同程度の報酬で直させるのはある種の虐待ですよ)。

 とまあ、流石に校閲士うんぬんは冗談としても、やはり推敲をサボっちゃいかんなと深く思い知らされた。
 何度も読み返して直しを重ねたはずの金八プレイ日記にすら「二年のブランクの壁は高い」などという超記述がまだ見受けられる有様であるから、筆者によって程度の差こそあれ、人間の文章というものはいくら直しても直し足りないのが世の常なのであろう。

 いつも大事に使っていないと、言葉はいざと言う時に人を裏切るものだ。
 言葉を軽視するあまり「遂に俺の真の姿を見せる時が来たか」「ここは俺に任せて早く逃げろ!」「俺の部下になれば世界の半分を与えてやるぞ」等の人生に関わる重要な台詞を間違え、恥をかくのはあまりにも滑稽である。皆様も誤記・誤字にはくれぐれもお気を付け願いたい(こんな台詞を必要とする人生糞喰らえだよ)。


 ちなみに本日記はこの後「とんでもない誤記をしてしまったために、これほど頻繁に日記を更新する羽目になってしまった」と結ぶ予定であったが、世間の常識で言うと11日振りの日記更新は全く頻繁ではないため、校閲の上削除させて頂いた。ご了承されたい。


※1)木暮……通称メガネ君。同漫画に登場する、主人公が所属するチームのサブキャプテン。眼鏡・地味・温厚・声が田中秀幸と当方の萌えツボをモロに直撃するキャラクター性を持つ。準主役に等しい流川の名前は忘れていたくせに、彼の名は「公延(きみのぶ)」と字面まで記憶していた当方である。
※2)竹豊……当方が昨年当日記上でやらかした誤字。正しい表記は勿論「武豊」(競馬騎手)。
※3)バカの壁……養老孟司氏の同名の著作に登場する造語。要するに「興味ないんで覚えたくありませんバリア」の意。
※4)編集か校閲士……校閲士は「流川の名前は『楓』です」と直してくれる人。編集は「このスラムダンクネタ面白くない。没」と直してくれる人(一部偏見有)。ちなみに校正士は「『薫る』じゃなくて『薫』です」という風に誤字は直してくれるが、内容の誤りは直してくれない。
※5)二年のブランクの壁は高い……「ブランク」は「空白(期間)」の意であるから、これでは壁の意味がない。素直に「ブランクは大きい」とするのが正しい(修正済)。



2004年1月17日(月)

 『電車で読める同人誌』こと、れでぃきゃっと様主催のロマサガ3小説アンソロジー『ラ・ロマンス』が、めでたくも先週11日、遂に発行。
 拙筆を執らせて頂いた関係で発行直後に御本を頂戴できる栄誉に与り、金曜の夕方ポストに届いているのを確認。つい先程読了したところだ。
 何故3日も読むのが遅れたのかというと、勿論土日は会社が休みであり電車に乗れないからである。やはりキャッチコピー通り電車で読んでこそ、半年完成を待ち望んだ達成感も得られると言うものであろう。


 先日の日記にも記した「同人誌」、当サイトのようなマニアックな場所をご覧の諸兄であればご存じない方もさほどはおられないであろうが、これは一般には個人が出版社等の仲立ちを得ずに発行した書籍全般を指す。
 つまり還暦過ぎた一般のオヂイチャンが退職金を削って出す回顧録も、アホな親が息子の七五三記念に「○○君の成長記録☆」などと銘打って近所中に配るやたら場所塞ぎな写真集もどきも等しく同人誌である。また、文芸界における同人誌は、多くの作家がデビュー前(あるいはその後も)に作品を発表する場として、今も昔も重要な機能を果たしている。

 が、所謂オタク文化における「同人誌」の定義は、上記のものとは根底から大きく異なる。あまり難しいことをつらつら書き連ねても退屈なだけであるから、分かりやすくチェックリスト方式にしてまとめよう。
 同人誌をご存じない方が、もし御友人、御家族、職場の同僚等の蔵書に下記のうち3個以上あてはまる書籍を発見したとしたら、それは間違いなく先に記した狭義の同人誌である。

 □ 普通に書店で見かける本とサイズが明らかに違う。
 □ 表紙が妙にカラフルで漫画チックだ。
 □ もしくは黒地に蝶、十字架などが並ぶダークな感じだ。
 □ 映画のパンフレットと見紛う程にページ数が少ない。
 □ 「(人名)×(人名)」、「(人名)陵辱本」といったよくわからない表記がある。
 □ 登場人物に何故か見覚えを感じる。
 □ 開いてみたら男同士のキスシーンがあった。
 □ 開いてみたら内容が微妙な方向へ偏ったエロ漫画であった。
 □ どういうわけか漫画のコマの欄外に作者らしき人物の言い訳や雑談が書かれている。
 □ 持ち主に「あの本何?」と尋ねたら気まずい顔をされた。


 諸兄に同人誌の定義を理解して頂いたところで、まずは冒頭のキャッチコピー『電車で読める同人誌』が、いかに革新的な存在であるかを如実に現すエピソードを語ってみることにする。

 それは5年ほど前のことだ。当方はたまたま車内に乗り合わせた女性が、商業誌では滅多に見られないA5サイズの小説を読みふけっているのを発見した。
 彼女は当方の右斜め前に立っており、当方は開いた小説を丁度肩ごしに覗き見ることが可能な位置にある。
 もしかして同人誌だろうか、ご同輩か。そんな悪戯心を起こした当方は、誘惑に耐えかね、思わずその内容を覗き込んでしまった。


 「……ぁ……やっ……桜木……」
  薫は秘所に捩じ込まれる快楽に苦悶の喘ぎを(略)
  屹り立った花道のそこから滴る(略)



 一瞬で目を逸らした。


 よもや電車の中で18禁やおい同人誌を読む勇者に出くわすとは思いもよらず、文面が完全に出鱈目であることが悔やまれる。
 が、この際の当方は勇者を目にした衝撃と「スラムダンクの桜木×流川とはまた古い」文章の一部を見ただけで原作およびカップリングを把握できてしまった己の深刻なヲタ加減に打ちのめされており、詳細な内容を記憶するどころではなかったため勘弁して欲しい。
 勿論このような出来事は後にも先にも皆無である。


 さて、このような衝撃的な事件を経るまでもなく「人前で読む同人誌は大変恥ずかしいものである」という価値観を持つ当方にとって、今回の小説アンソロジーのお話は非常に興味深い試みであった。

 同人誌なるものはオタクのエロ漫画と曲解されかねないことばかり書いてきてしまったが、中にはいわゆる「健全本」と呼ばれる、エロ描写を全く含まない同人誌も多く存在する。
 念のために書いておくと、この度当方が執筆にお誘い頂いたのは、この健全本に分類される同人誌だ(当方がエロを書く筆力などカケラも持ち合わせていないのは例文で一目瞭然である)

 エロややおい(同性愛)描写を含む作品でない限り、その多くがパロディものであること、およびプロとアマとの間に生じるクオリティの差を除けば、同人誌の内容は普通の漫画や小説と大差ない。
 それなのに何故人前で読むのが憚られるのかといえば、やはり大きいのが見た目、版形と表紙である。
 背広姿の紳士がジャンプを持ち歩く姿が日常化した昨今、外で漫画単行本を読む人がいても「ああ、漫画読んでる」の一言で済まされてしまうだろう。同人誌がそうでないのは「あの異様にデカイ本はなんだ」と、知らない人々に異質さを覚えさせてしまうためなのではないか。

 ならば、その異質さを取り払ってしまえば良い。……つまり、同人誌を商業誌に擬態させてしまえばよい。実に明解かつ優れた発想である。そもそもそんな手間をかけてまで表で同人誌を読みたいと願う人間がこの世にどれだけいるのかが疑問であるが。


 かくして当方は往復二時間に及ぶ通勤電車の中「フフ、この本が同人誌だと誰ひとり気付いちゃいねえ」とほくそ笑みながら『ラ・ロマンス』を読了した。
 正直表紙に漫画絵が印刷されていたらコッソリカバーを掛けてしまおうかと目論んでいたチキンな当方であるが、このまま図書館に寄贈しても誰も気付かないどころか、ヤングアダルトコーナーではなく普通に文庫コーナーへ所蔵されてしまいそうなほどシンプルな装丁を拝見して、あえて表紙を見せびらかすことにした次第である。

 肝心の中身に関して褒めちぎりたい点、および当方個人に限って恥じ入りたい点は多々あれど、ただの宣伝になってしまいかねないのでここでは省く。すっげえクオリティの高さで正直ビビった、とのみ申し上げておこう。
 この度は大変素晴らしい企画にお誘い頂き、本当にありがとうございますR様。そしてこのように差し迫った用件がなければ日記を更新する気を起こさない怠け癖をなんとかしろ自分。


※1)A5サイズ……所謂オタク系同人誌は、何故かA5(148×210mm)もしくはB5(182×257mm)サイズが主流である。
※2)18禁やおい同人誌……男同士で掘ったり掘られたりしている(←下品な)18歳未満の人は読んじゃいけないハレンチ書籍の意。
※3)スラムダンク……十年以上前に大ヒットした週刊少年ジャンプのバスケット漫画。桜木が主人公、流川はそのライバル。言うまでもないことだが両方男。
※4)ヤングアダルトコーナー……若年層向けの書籍が集められた図書館のコーナーを当方の住まう地域ではこう称する。良く見るとボーイズラブ小説が素知らぬ顔で混じっており、我が国の行く末が深刻に案じられる。



2005年1月15日(土)

↓今年の年賀状


グロ画像


新年をナメている。


 しかも親愛なるリアル友人Iが当方の年賀状の宛先住所を間違えていたため指摘したところ、当方が自分の住所を間違えて年賀状に印刷していたのが原因であったことが発覚。
 かれこれ何年も同じ物を使い回していたため、良く見ると今年届いた年賀状の実に7割が宛名を間違えている。まさに今年の初自爆。郵便番号が無ければ危ないところであった。


 というわけで、大変遅ればせながらあけましておめでとうございます、というか寒中お見舞い申し上げます。
 本日は鏡開きですね。お汁粉になさいましたか。お雑煮になさいましたか。それとも、もう餅などという老人殺しの食材は名前を聞くのも御免だというほどに追い詰められていらっしゃいますか。

 ええ、我が家では大晦日の夕食がラーメン、元旦の朝食が雑煮だったことを除けば、普段と全く代わり映えのしない通常食を家族揃って頂いておりました。
 これは毎年ほぼ恒例ですからさしあたって目新しいことでもないのですけれど、ただひとつ異なっていたことは、当方が食事が終わるたびに胃を押さえながら布団の中で悶絶していたことと、吐き気胃痛を起こさずに消化できた食材がミカンのみであったことでしょうか。
 年明け早々胃に来る風邪を引いてましたもので。


 その発端は昨年末29日に開催された有明・冬の祭典(1日目)であった。
 前日まで常に最高気温10度以上をマークしていた開催地T都を大寒波が直撃。最高気温は3.1度、しかも初雪まで降る。
 ここ数年の東京には異例の寒さを記録した一日だったことは、当方と同じく大手サークルに並びながらシャッターの隙間から洩れ来る寒気にうち震えていた同士諸君の記憶にも新しいことであろう。

 天気予報をまともにチェックして来ず、靴下の重ね履きとカイロぐらいしか防寒対策をして来なかった当方は、当然のごとく直後に風邪を引いた。
 某S様のサークルで手伝いをしていた関係で会場内に長時間滞在せねばならなかったこと、および予想外の積雪で会場付近の交通機関がことごとく麻痺し、帰宅に大幅な時間を取られたことも理由のひとつではあったが、最大の原因は体力が低下している時に打ち上げと称して酒を呑んだ上、その足で同人誌が山と詰まった袋を抱えたまま整体へ出向いたことであろうと考えている。
 おそらく「万が一荷物を預ける際に袋の中身を整体師に見られたら『友達に貸してもらったんです! 良く解らないんですが珍しい漫画本ですよネ!』とホラを吹けば無問題ですヨ!」などとうそぶいて時間ギリギリまでS様を飲酒に付き合わせた天罰が下ったのであろう。その節はご迷惑お掛けいたしましたS様


 風邪の症状はその日の夜に早速猛威を振るい、当方は正月休みのほとんどを強制寝正月として過ごす羽目になった。中でも食事を取るたびに襲う吐き気は強烈で、初出勤の前日まで床上げできないほど苦しむことになる。
 が、この嘔吐感の原因の大半は、年末年始に胃が弱っているというのに無理してラーメンだのハンバーグだのを喰った己にあるのであって、大人しくお粥とミカンだけ食べていればもっと早く完治できたはずであるため決して同情できたものではない。

 ちなみに何故かリアル母は、年末年始の当方を「風邪ではなくノロウイルスに感染して食中毒になったのだ」と頑なに信じ込み、その原因は冬の祭典会場内で食べた昼食のコンビニ飯であると何故か断言している。
 食中毒が家で寝込んでいるだけで治る物なのか否かは別として、スッカリ完治してしまった今となってはもはや確かめる術のない事実であろう。

 というわけで、今年も新年早々幸先の悪いスタートを切った怪傑堂本舗、昨年に引き続き忘れた頃に御愛顧くださると幸いである。
 お返事が遅れてしまい恐縮ですが、素敵な年賀イラストの差し入れをくださったN様、ありがとうございます。年初めの心の糧となりました。


※1)大晦日の夕食がラーメン、元旦の朝食が雑煮……当方のリアル両親はどちらもおせち料理が揃って嫌いであるため、数年前から我が家の元旦の食卓に上るおせちらしい食材といえばカマボコと伊達巻きぐらいである。当方はココスの野菜カレーより辛い物とイカの塩辛とワサビ漬け以外は好き嫌いなく食べるため、出ても出なくてもどちらでも良い。
※2)同人誌……普通の漫画本より大きくて薄くて絵がきらきらした不思議な書籍。真っ当な人生を歩もうと考えている方は、一生手に取らないことをお勧めする。
※3)新年早々幸先の悪いスタートを切った……毎年恒例。



2004年12月7日(火)

 一ヵ月ほど前から整体に通っている。
 実は当方はおかしな姿勢で長時間PCやTV画面に向かっているせいで、姿勢が強烈に悪い。背骨と骨盤がメタクソにひん曲がっていて、家族なら100m先の後ろ姿からでも当方と判別できるほど歩き方が歪んでいるため、前々からいつか姿勢の矯正をせねばと思っていたのだ。

 そこで一念発起したはいいが、何しろ当方にとって整骨院は「いつか行ってみたいが勇気がなくて入れない病院」第2位に惨然と輝く場所。入り口にマムシの浸かった酒ややけに説得力のある頭蓋骨や片言を喋る謎の中国人などが設置されている病院へ特攻するのは出来るならば避けたい。
 かくして吟味の末に見つけたのが、最寄り駅近くにあるそこそこ入り易そうな整骨院。
 当方は事前にリアル母に受けた「とりあえず最初は『肩が凝って凄く辛いんです』って言っとけば保険が利いて安く上がるから」という助言を脳裏で反芻しながら、慎重に院内へ足を踏み入れた。

 中に入ってすぐ、整体師さんの問診をひととおり受ける。
 本当は姿勢矯正が目的なのに肩コリなど訴えてしまって良いものかと罪悪感にかられ「あ、あの、肩が凄く凝ってまして。あと、ついでで良いんですが姿勢が悪いのをちょっと治して頂けると」と、おどおどしながら発言する当方。嘘が隠し通せない人間の典型である。

 が、直後に何気なく見た壁に「一回3,860円」と問答無用で書いてあることに気付き、自爆。
 どうやら保険の利かない整骨院だったようである。チキショウ苦労して言い訳こさえた俺の努力は一体何だったんだ。最初から素直に姿勢だけ治してくれって言っときゃよかった。


 ともかく、ほどなくして当方もマッサージを受けることとなった。
 まずは問題の肩を揉みほぐされる。「何だお前全然凝ってねえじゃねえか治療費値切るためにホラ吹きやがって」といつ言われるか気が気ではない。
 直前まではグキッとかバキッとか凄い音のする激痛治療が待ち受けているのではと不安だったはずなのだが、もはやいつ嘘を見抜かれるかと心配でそんなことは忘却の彼方へ消え去っている。人間正直が一番だ。どんな小さな嘘であっても、隠し事は人を卑小にするものだ。

 ところが。

 整体師「あ〜、これは本当に相当凝ってますね。結構ガチガチですよ?」
 当方「えっ?」
 整体師「痛みとか張りがあるのは、ご自分でお気付きになりませんか」
 当方「いえ、自分じゃ全然感じないんですけど(←嘘を暴露しているのに気付いていない)

 当方、なんと感覚すら麻痺している重度の肩コリと発覚。仮病で休んで病院へ行ったら、インフルエンザと診断された患者の気分である。
 まあ嘘から出たまこと、本当にひどい肩コリで良かった良かったと思いながら(思うなよ)、全身みっちり揉みほぐしてもらった次第だ。
 どうやら一週間に一度の来院が望ましいらしいので、その場で来週分も予約を入れて帰宅。


 そんなわけで、本来の目的だった姿勢の矯正は二の次、気付けば肩コリとむくみの相殺(否解消)に通う日々となっている。
 姿勢も一応毎週矯正してもらっているのだが、わずか一週間でほぼ元通りひん曲げ直すため、効果は一進一退といったところだ。流石に十年以上培われた姿勢の歪みは伊達ではない。

 また、どこも同じかは定かではないけれども、件の整骨院では毎回初診時と同じ方がマッサージについてくれている。
 が、いつも快活で話も上手な当方担当の整体師さん、毎週毎週「休みはどこかへ行かれましたか」と質問して来るので、密かにこれだけは勘弁して欲しいと思っている。まさか「土日ぶっ通しでドラクエ8の世界へ」などと答えるわけにもいかない。

 先週末など合計20時間以上同じ姿勢でゲームに没頭していたので、肩と腰のコリが自分でもヤバイと自覚できるほど大変な具合になっており、本日は余程凝っていないと施されない電気療法の刑を喰らった。
 思わず「仕事が忙しくて」と嘘をついてしまった上、例によって休日のアリバイを聞かれたため「え、映画観てきました」と先週の火曜にあったことをさも土日に行った出来事であるかのように詐称する当方。
 人はこうして堕落して行くのだということが良く解る事例である。

 ちなみに念のため書いておくが、当方が通っているのはあくまでも医療目的のマッサージ施設である。
 いや「性感」とか「韓国」とかつかないから。整体師が女しか居ないとか、下半身の一部をやけに重点的にほぐしてもらうとか、そういうのは無いから。マジで。いやマジで。

※1)いつか行ってみたいが(略)……ちなみに第1位は精神科。覆面萌えと眼鏡フェチが治らないことだけは確かだろうが、カウンセリングは一度受けてみたいものである。
※2)保険が利いて安く上がる……「適用できるのは体の不調を治す場合に限る」という保険の法則を逆手に取った主婦の荒技。あまりにオサレな場所では通用しないと思われる。
※3)「休みはどこかへ行かれましたか」……アウトドア派には単なる社交辞令、ホリデーインサイダーには一種の嫌がらせと響く魔法の言葉。一応2回に1回は正直に答えているため勘弁して欲しい。



2004年11月11日(木)

 一日の仕事を終え「ハアー今日も良く サボった 働いたナー」と思いながら帰宅。自宅のドアの前で何気なく上着のポケットに手を突っ込んでみると、何故か購入した覚えのないパスねっとが入っている。
 最近友人に借りたのを返し忘れちゃったっけかと思いながら裏面を見ると、ところがどっこい記載された駅名が職場のすぐ近く。おまけに、反対側のポケットには100円ライターまで入っていた。
 これは一体どうしたことか、とその場で数秒立ちすくみ、

 ここでようやく上司のジャケットを着て帰って来てしまったことに気づく。(大バカ)

 身に付けた時に「なんか着た感じがちょっと違うな」と思ったにも関わらず、駅ビルの本屋に寄り一時間かけて電車に揺られ最寄り駅のドラッグストアで買い物を済ませる間一度もジャケットが自分のじゃないことに気付かなかった当方最高。
 帰宅直後に電話で平謝りしたことは言うまでもない。Kさん申し訳ありません申し訳ありません。

 仮にもし眼鏡の似合う知性派ナイスガイが同じことをしていたなら、恐らく激萌え天然系として世の婦女子から浴びるほどのモテモテ光線ラブコールを受けていたに違いあるまい。が、残念ながら当方はマニアックだけが取り柄の覆面オタであるため、マヌケの一言で一蹴されること必至である。世の中が悲しいほどに不公平であるという事実を示す好例であろう。


 しかし当方は紳士であるためそんなことで挫けはしない。
 本日も紳士の規範たるべく、電車内で幼児を抱えて立っていた若い母親を見つけ、颯爽と席を譲る紳士ぶりを余すことなく発揮してみせた次第だ。

 当方「こちら、お座りになりますか」
 母親「あ、いえ、大丈夫です」
 当方「どうぞ(席を立つ)」
 母親「ホントに結構ですよ、悪いですから」
 当方「いや、でも、重いでしょうし


 人様の御子息を荷物扱いか!!!

 どうやら疲れているようなので、最寄り駅の薬屋でセントジョーンズワートのサプリメントを購入し帰宅。年末進行の関係で久々に仕事らしい仕事をしているせいだろうか(←怠けている状態が健康というのは人としてどうかと思います)。


 ところで管理人が怠惰なためにしばしば忘れられがちだが、当サイトは一応ロマンシング サ・ガ3のファンサイトである。
 実質当方の愚行を晒すただの日記サイトになりつつあるが、ここは本来ロマサガ3に登場する怪傑ロビンのファンサイトなんですよ念の為。
 そんなわけで、↓このような企画にお呼ばれし、現在締切いつだっけかとビクビクしながら執筆を進めている次第だ。というか音沙汰なくて申し訳ありませんちゃんと覚えておりますL様

 

 っていうかこのために二ヵ月前から幻想水滸伝4とナルティメットヒーロー2を封印してるのに未だ原稿が上がらないのはどういうことなのか(←どうもこうもサボってばっかりいるからですよ)。このままではドラクエ8が発売されてしまうぞ! 急げ!

※1)上司のジャケット……念のため言い訳させて頂くと、ジャケットの持ち主であるK氏は当方と背格好がほぼ同じであり、この日両者が着ていた黒いコートジャケットは質感と形状が非常に良く似ていた。ちなみに翌日お詫びとして煙草二箱を献上した。
※2)セントジョーンズワート……精神安定効果のあるハーブ。現在サプリメントのキマった状態で日記を執筆しているが、日記の内容にそれが反映されている気がしない。おかしい。不良品か。(←不良品なのはお前の頭の中身だよ)



2004年11月5日(金)

 富士急ハイランドには魔物が棲む。
 見た物の心を捉え、たちどころに己の虜となさせしめる、青く赤い悪魔が棲む。


 → 富士急ハイランドにお住まいの青く赤い悪魔


 というわけで先週金曜、当方の遅い夏休み最後の日は、リアル友人Tと平日の富士急ハイランドへ出掛けてきた次第である。
 流石に国内最長・最速のジェットコースターを2台擁する遊園地であるため、平日にも関わらず人の姿は多く見られたが、それでも休日とは比べ物にならない行列の短さ。昨年出かけた際は乗るのに2時間待たねばならなかったフジヤマも、ほとんど待つことなく乗ることができて大満足だ。

 が、今回の平日ハイランドツアーにおいて当方がもっとも楽しみにしていたのは、冒頭で紹介した徘徊ヒーローのハイランダー氏に再会することであった。

 昨年秋、彼は突然、フジヤマ初乗りを終えて蒼白となっていた当方の視界に飛び込んできた。安っぽいコスプレ衣装と、無職引きこもりを最低三年は経験していないと醸し出せないアンニュイな雰囲気を纏って売店のベンチに腰掛けていた彼。そのマスクの奥から覗くくたびれ切ったダメ男の瞳に見つめられたあの瞬間、当方の心は間違いなく彼に絡め取られていた──(スミマセン面倒なんでこのぐらいで勘弁して貰えますか)。

 というわけで当方はハイランドに到着するや否や、なんとしてももう一度彼に逢うため、園内をくまなく調べ回した。フジヤマに乗っては最高度到達地点(地上78m)から眼下に見える怪しい影を探し求め、食堂でカレーを口に運びながら周囲に珍妙なコスプレをした男が座っていやしないかと目を光らせ、日が傾き閉園時間が刻一刻と迫る夕暮れ時にさえ「彼は昨日行われた保母とのコンパで飲み過ぎ、上司からの電話でようやく起床してこれから出勤するところなのだ」と、最後まで希望を捨てることはなかった。


 が、残念ながら彼がこの日、当方の前に姿を表すことはなかったのもまた事実である。 おそらく本能的に己の貞操の危機を察したのであろう。

 当方はもし彼の姿を発見したら、マッハで近付いて友人Tにいかにも親密そうなツーショット写真を撮影してもらい、「私たち結婚しました」と大書して来年の年賀状に使うことを本気で考えていたので大ショックである(←富士急ハイランドの方に訴えられますよ)。
 披露宴の仲人は岸部一徳、新婚旅行先はもちろんイラク(人質ツアー)だ。生まれた子供は性別を問わず、新たなるハイランダーの後継者として、できるだけボンクラに育てる方向で行きたい。

 ……え? 中の人は常にスーツを着たままなのかって?

 馬鹿野郎! うちの亭主に中の人なんか入ってるわけねえだろうが!!!
 (↑ぼちぼち本気だと思われそうなのでその辺にしておいてください)


 もしも富士急ハイランドへお出かけの際、道端でごろ寝をしている彼の姿を見つけたら「ああ、あれが春原(仮名)の脳内夫か」と優しく稲庭うどんを投げつけてやって欲しい。その際に撮影された写真等をお送りくださると当方が大喜びします。

 なお、前回の日記で武豊を思いっクソ竹豊とでかいフォントで大書していた件について、親愛なる友人Kより「この間違いは社会人としていかがなものか」と大変有り難い忠告を頂いた。自分で見直してもネタかと思われる程酷い間違いであるためそのままにしておく。水谷以外の豊を当方がいかにどうでも良いと思っているかが如実に露呈されたエピソードである。


 ところで当方と友人Tが訪れた日に『超・戦慄迷宮』でアトラクションの案内をしてくれた係員の男性は、獲物を廃病院へ誘う無気味な医師という設定なのに顔がDr. コトーを演ずる吉岡秀隆に似過ぎており、怖がらなければならない場面だというのに妙に気分がほのぼのとしてしまって困った。そこまで計算に入れて彼をあの配置に就かせたとしたなら、富士急ハイランドの人事担当は天才である。

※1)世界最長・最速のジェットコースター……前者は『FUJIYAMA』、後者は『ドドンパ』。なおフジヤマは高度も世界一(※78m)。
※2)地上78m……フジヤマ左側の座席から眺める景色は失禁せんばかりの高さであったが、ハイランダーを一心不乱に探し求める当方の心に、この一瞬、恐怖という言葉は存在していなかった。
※3)超・戦慄迷宮……廃病院を舞台とし、生身の人間がアクター(お化け役)を務める恐怖アトラクション。恐がれる人は腰を抜かす程恐がれるようだが、当方は極度のビビリであるため警戒し過ぎ、かえって恐がれなかった。




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