<必殺仕事人2009>  2009年1月5日 日記より


必殺シリーズとしては駄作 
仕事人シリーズとしては一流。 

こんな感じでしょか。 
本日放送された 必殺 仕事人2009。 
昨年の体制を引き継いでの復活第二弾。 
そして、そのまま連続ドラマ化です。 

これがもし、"必殺"であるならば、 
もっと斬新で、もっと泥臭くて、もっと不気味で…… 
そして、もっと大物俳優でなければいけません。 
何の野心も見えてこない凡作となります。 

ただ、あくまで"仕事人"シリーズであると割り切るならば 
これはもう完璧な作品と言えるでしょう。 
様式美です。 
特に『新仕事人』のファンであるならば、 
不満の出しようが無い程に拘られていると思いますよ。 

あれ、綺麗ですよね〜 

今の時代に"仕事人"を蘇らせるためだけに作られた 
完璧な新仕事人の後継作。 
昨年も同じような事を書きましたが、 
必殺の晩節を汚しまくっていた 
後期の仕事人シリーズなんぞより100倍面白いです。 

だって、キャッチフレーズが“30周年”だもんよw 
必殺仕掛人は1972年〜だから、あくまで「仕事人」30周年。 


まず、必殺の魅力。 
これは『仕掛人・藤枝梅安』からの原作付きである初代を除けば、 
断じて、設定やシナリオで魅せるような代物ではありません。 
では、必殺とは何か。 

キャラです! 

断言します。 
緒形拳が演じる梅安先生から始まり、 
山崎努の念仏の鉄、田村高廣の文十郎、沖雅也の市松、 
石坂浩二の糸井貢、赤井剣之介(中村敦夫)、政吉(林隆三)……etc 
そしてもちろん、藤田まことの半生となる中村主水。 

全て、大変に魅力的な方々です。 
彼等が悩み、足掻き、騒ぎ、笑い、そして殺し、殺される姿。 
これこそが必殺シリーズの醍醐味です。 
そもそも、金貰って人を殺すという社会性の欠片もない連中ですからね。 
(しかも感情にまかせて) 
だからこそ、決して枠にはまりようもない独特の個性が光ります。 

基本的には、どうしようもないような三流悪人と、 
殺されるためだけに存在してるような馬鹿町民との掛け合いが全てです。 
そんなくだらん舞台で、魅力的なキャラクター達が、 
どういうドラマを繰り広げるかが見ものなのです。 

こういった視点で見れば、 
必殺2009は良いキャラクターを生み出しているように思います。 

昨年の第一弾では全く存在価値の見えなかったジャニーズの若い子。 
(名前覚えろよヽ( ;´ー`)ノ) 
今回やっとスポットライトが来ました。 
彼は王道キャラですね。 
生真面目で殺しを嫌い後悔しつつも、感情に逆らえず殺してしまう。 
最後、絵師からの「いくら洗ったって、その汚れは落ちねぇぞ」の件は良い。 
答えなんか出るはずの無い矛盾を最初から持たされている中、 
延々と悩む姿が素晴らしいのです。 
(セオリーからいけば、最後、死ぬ・・・かな?) 

そして、そのTOKIO松岡の演じる絵師ね。 
馬鹿女と絡んでる時の丸さが目について、 
アレ? って感じだったけど、 
終盤は見せました。 
所謂、主水(渡辺さん)と仲が悪いという立場。 
これもまた王道。 
熱くてクール。 
このケースは、説教キャラになる確率高し。 

なお、池波作品の流れを汲んでの 
「食い物が美味い」分を担当する役目も担っております。 
使えない言葉ですが、最後の主水の非難台詞は 
「美食キチ○イ」という意味で取れました。 
食い道楽と言ったのかな。 
↑のからくり師と、どう絡むか次第で化けると思います。 
片鱗が見えている「怖いキャラ」を極めて欲しい。 


女は・・・・死んだね。 
やっぱ、必殺のルールを破ってたからかね。 
彼等は、悪人に襲われてる見ず知らずの人を助けたりは 
決してしないんだよヽ( ;´ー`)ノ 

しかし、死んでくれた時はスカっとした気がするw 
このあたり、作り方のあざとさ目につくけど 
やっぱ上手ぇな〜 
最後に"妹"が出てきたのは吹いたが。 
嫌〜な予感。 


そして主役、 
東山紀之が演じる渡辺さん。 
泥臭くない主水。 
この一点でOKです。 

卑怯です、怠け者です、屑です。 
でも、妙に汗臭さは感じない。 
若い頃の主水以上に世の中を捨ててますわな。 
あの世捨て人っぷりは見ていて小気味よい。 

完全に主水のコピーでも、そら要らないんですよ。 
藤田まことも一応は出てるからね。 
御大の負担を軽減させるためのキャラクターでしょうね。 

完全に二人一組で主水、つまり"役人側"を担ってますね。 
で、これまた昨年と同じ感想ですが、 
意外も意外、演技が良いんだ。 
二面性がまぁカッコいい。 
上手いじゃないよ、カッコいい。 
今回、沢村一樹との道場での手合わせ、 
別に、手を抜いていたわけじゃあないのさw 
あれが普通のヒーロー物なら、最後は本気だして終わりですが、 
本気でも勝てないんだよ!!!! 
だからああやって・・・き、汚ねぇ・・・(゚∀゚)アヒャ! 

主水とセットなら、このポジションは生きまっせ。 


昨年の締めが、 
「必殺を続けるための必殺」という感想だったわけですが、 
今年も同じですね。 
実際に連ドラ化してくるわけで、 
より、中身を固めてきた感じです。 
これを1〜2回続けるなら、 
最悪、御大が居なくても成り立つようになるでしょね。 
それで、"仕事人"を名乗る必要あるのかは疑問ですけどね。

戻り