<KAGEROU> 2010年12月28日 日記より
読みましたよ。
結果から言おうか。
大した本じゃねーよ。
ストーリ自体には触れない程度の感想。
まず、誤解しておりました。
もう少し、大掛かりな小説だと思っていたので
肩透かしを喰らったのが一つ。
これは短編の扱いで良いかと。
じっくり読んで2時間かからないくらいかね。
まぁ、これはオイラが悪い。
デビューから、そんな入り組んだ骨太作品を書けるわけはない。
それは、大体の作家の処女作を読めばわかるお話。
そもそも、メチャクチャ忙しい中、
二束の草鞋で趣味で書いた作品ですからね。
本の装丁やページ数から来る単純な誤解です。
ただ、それを差し引いても、
作品通して展開される仕掛けやお話が、
これ、星進一なら20Pで書けるんじゃねーかな?
くらいの密度しかないのが問題かな。
唯一にして絶対の問題。
テーマは別に悪くないです。
宣伝文句に含まれる程度のネタバレで言うなら、
自殺する直前、謎の男にそれを止められた主人公が、
成り行きから、死ぬまでの数日間を猶予にもらって、
その間、生きる事、死ぬ事の価値を見つめ直すお話。
斬新ではありませんが、
誰でも生きてりゃ、一度くらいは考えた事あるよなって
普遍的なテーマで、良いんじゃなかろか。
そこに、作者から訴えかける熱い想い(個性)があれば、
読み物は成立はします。
ただね〜、変に賢いんだよね。
シンプルなくせに、直球というわけでもない。
その上で、何〜〜も予想以上の事はなく、
空回り感が強い。
小説という点に拘るのなら、
自身が主張したい事がある時は、
それに、如何に工夫を施して、
如何に魅力的に見せるかに拘って、
如何に読者の心を捉えるかという
そういう代物だと思うわけよ。
エッセイ集とは違うからね。
それを何の仕掛けもなく
淡々と手短でありきたりな展開を続けて、
ろくな登場人物も出さずに、
ハイ終わりって話。
それじゃ、届かないだろ。
言いたい事はわかるんだけどね、、、、読み物として成立してるか微妙。
唯一、心に引っかかるのが、
「謎の男」である京谷サンの人間味なんですが、
最後まで、彼すら全く使い切ってくれないのが残念。
ただ、文章自体は、
世間の皆様が期待する程には、酷いもんではないです。
とにかく、アイディアに乏しい小説という感想かな〜
「シンプル イズ ベスト」なら、
とことん、シンプルに頼みます。
だったら、
もっと熱くて良い、もっと青臭くて良い、もっと厨二で良い。
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