<映画 編> 2010年1月11日 日記より
数ヶ月一回、妙に自分語りしたくなる長文シリーズ
10本物、映画編。
何か連日見てるので、今回は映画かな〜と。
映画は候補ありすぎて、マイベスト10絞れる気がしねーんで、
ある種、ジャンル別みたいな感じになるのかな〜
『ローマの休日』 1953年
美しい物が見たければお勧め。
ヒロインのオードリー・ヘプバーンが美しいのは当たり前ながら、
それを彩る舞台と展開がまた輪をかけて綺麗。
プラトニックな妄想恋愛はコレ一本見とけばOKですよ。
もし目の前に、唐突にお姫様が現れたら? (゚∀゚)
世間しらずで、ちょっと勝気が可愛くて、しかもメッチャ美人のオマケつき。
そんなお嬢さんと、
これまた、ローマ市街という最高にオサレな舞台を用意されての
ドタバタ恋愛デート記とくれば、最高でしょう。
あ………言わずともわかると思いますが、
もちろん、一晩だけの切ない恋ですよw
一日限り、最高の休日に酔いしれて下さい。
全く隙のない完成度を誇る一品です。
『大脱走』 1963年
実話を元にした映画なんですね〜
二次大戦中、ドイツの捕虜収容所から、
全員脱走! の大計画を立てるアメリカ人兵士達の物語。
余計な要素を一切絡ませない割り切りが見事。
ヒューマンもなければ、ラブストーリーもないぜぃ。
その分、終始計画を突き進めて行く緊迫感に包まれ、
ドキドキしっぱなし。
2時間半もの尺をダレさせません。
優れた構成とはこういう事かと唸らされます。
やたらカッコイイ主人公はいるけどねw
『十二人の怒れる男』 1957年
室内劇の大傑作。
最初から最後まで、舞台はわずか一部屋。
登場人物は椅子に座った12人のみ。
陪審員たる彼らが、"Guilty" or "not Guilty"を巡り
各々に発言を繰返すだけの作品なのですが、
それだけが、べらぼうに面白い。
堅苦しい法律物ではなく、社会派映画でもありません。
オイラは、この作品はあくまで人間の物語だと思う。
「被告が、実際には罪を犯したか、犯していないか」
実は、そんな事は誰にもわからないのが妙。
真実を明かしてやったぜぃ! などという話ではないのです。
事実、主人公が間違ってる可能性は十分にあるのです。
しかし、"疑わしきは罰せず"が正義であるならば、それは貫かれるべき。
子供の頃に見れば、
正義を貫くヘンリー=フォンダが、ただひたすらカッコよく見えるでしょう。
しかし、実際の社会生活を経ていきますと、
ああいう輩は、大抵の場合ウザイ事この上ないわけよ。
誰しも、声高い連中を冷ややかに、冷静な目で見てるつもりの立場が、
逆に優れていると思える時期を迎えるわけです。
しかし、本当にそーなのか?
いやいや、やはり正義は一回りする物ですよ。
自身の意見を公言する事が、如何にリスキーかという事を思い知った後にこそ、
この主人公の本当のカッコよさがある。
自身の状況が変わる度、見れば感想の変わる映画ですよ。
『ターミネーター2』 1991年
男の子たるもの、アクション映画を入れないわけにはいかんでしょ。
銃カコイイ、バイクカコイイな鉄板要素に
最も完璧な形で応えてくれる作品となれば、オイラはこれを挙げます。
加えて、少年主人公であるジョン=コナーによる
父親コンプレックスと、母親甘えの二大要素が作品の空気を支配ているわけで、
まさに、 男の子の男の子による 男の子のための映画 でしょう。
また当時のシュワちゃんの一挙手一投足が冴えてまして、
サングラス一つかけるだけ、
ショットガンの弾一つ入れるだけで既にカッコイイw
間違いなく全盛期でなかろか。
一連の台詞、動作、全てがこの映画に欠かせないパーツ。
そして、リンダ・ハミルトンの存在が、
2を別格にしております。
シュワちゃんと向こうを張って見劣りしない強烈なキャラクター。
一人で運命を背負ってしまっている悲哀も含めて、
戦うお母ちゃんがステキすぎます。
『パーフェクトワールド』 1993年
60年代アメリカ、田舎道を車でひた走る。
現実が嫌でたまらない少年が、
ひょんな事から、強盗犯と非日常の逃亡の旅、
際限なく続くかに思われるアメリカンカントリーの世界。
父親を求める少年と、父親になりたかった男、
しかし、そんな夢の旅に終わりが無いわけもなく…
少年が求める理想のパーフェクトワールドとは何だろね。
これも、男の子映画だね〜
『ウェストサイド物語』 1961年
ド派手ミュージカルです。
若者ばかり、十数人単位で踊るシーンが何箇所もあります。
舞台では現せないだろう大掛かりなロケ地を利用した
集団によるダンスに魅了されてくださいな。
こういう土壌がなければ、マイケルのPVだってねーわけだぜ。
不良少年同士の抗争話なんですが、
子供の集団心理の怖さってのも出てますよね。
一人なら、やれるはずの無い事がついやれてしまう恐怖。
ちなみに[突然始まるミュージカル]ネタ要素として、
最適であろうシーンが多数含まれてるので、
苦手な人は、笑うつもりで割り切ってみても面白いですよ。
Cool Cool Cool
『十二人の優しい日本人』 1991年
題名からもわかるように、上記作品のパロディです。
「スラム育ちの黒人の悪ガキなら人くらい殺すだろう」という偏見に対し、
「こんな優しそうな女性が人なんか殺すわけない」の偏見。
もし陪審員が全員日本人だったらのifの設定が光ります。
オイラは、頭が回る笑いが好きなのです。
頭を"使う"ではないですよw
意識して考えるのではなく、無意識に脳が回転する事で、
事前に存在している情報と結びついた瞬間の快感が好き。
要するに、お笑いのジャンルとしては
風刺とパロディで一番笑います。
直感的な瞬間笑いが好きな人にはちと向かないかもしれませんが、
元映画が好きで、会話の掛け合いのセンスが本当に冴えてます。
三谷幸喜の最高傑作。
最近の三谷作品みたくダレがないのがステキ。
『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』 2000年
「特定分野 内輪ネタ全開」の悪ノリ映画です。
例えるなら、ゴジラが自分の地元で暴れてるのを見て楽しむ
ローカル感覚と似たようなもんかな?
一部層にしか向かない分、それが、ピタリとはまった人にとっては一生物だよね。
何かと言うと、PCネタ。
2000年の映画なので、あくまで当時のネットユーザーでなければ、
今見ても辛いかな。
ウィルスや、IP、サーバーパンク等の要素はもちろん、
ISDNやBIGLOBE、VALUE STARなどの実在名称から、
メール返信が来ない時の不安感や、
ついついお茶を飲みすぎてネット中に近くなるトイレ、
「フリーズ→再起動→入室→あれ? 状況が一変」なチャットルーム等、
ネットあるあるネタ、豊富に取り揃えております。
それを2000年という、定額繋ぎ放題サービスすらなかった時代に作られちゃ、
当時のネットヲタクは一発ノックアウトに決まってる。
また、それが僅か「45分」という尺に収まる密度に驚かされる。
細田守の演出技術のオンパレードに酔いしれるのも可。
『耳をすませば』 1995年
アニメをもう一本。
ジブリのマイベストはコイツ。
淡い青春物、爽やかストーリー。
夢見がちな妄想女の子を主人公にして、
オットコマエな恋愛候補男子と、自分を好いてる逆方向男子を完備。
そこに、当面の進路、将来の夢、現実生活のストレス、、、、
全ての中学生における淡い要素が爽やかに詰まってます。
夢の自転車二人乗り(坂上り)シーンもあるぜぃ・・・w
客観的に見れば、何も変わっちゃいないんだけど、
本人にとっては大切な大きな一歩を踏み出したんだな〜という
思春期映画の傑作ではなかろか。
『切腹』 1962年
時代劇から一本。
本来であれば、雷蔵の眠狂四郎、若富の子連れ狼、七人の侍 (他黒沢作品)等が
余裕でマイベスト10に入るのですが、
一度、上記の"時代劇"の項目で紹介しているので除外です。
さて、そうなると何があるか。
それ以外で、衝撃の一本となると仲代達矢の切腹ですね。
基本、仲代の語りのみで進むという異色の切り口。
"切腹"という制度を題材にしての
武士社会に対する強烈な風刺になるのですが、
そのあたりは見てのお楽しみ。
古めの日本映画つーと、
落ち着いた感じの時代劇であれば、
役者同士の演技合戦が、楽しみ方としては基本です。
仲代達矢と三國連太郎の妙技を思う存分堪能してください。
スターが頑張れば、それで成り立つのが時代劇です。
この作品は、娯楽大作がメインの60年代において、
時代劇の底力ってヤツでしょか。
こんなトコですね〜
21世紀以降の作品が挙がらなかったのが意外。
割と好きな作品が多くて「映画だけは終わらないな〜」と
感心させられる事がよくあるのですが、
それでも10本だけ挙げると名作中の血が騒ぐかヽ( ;´ー`)ノ
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