2011年(16) 渓秋工房の師走編


渓秋の山釣りファンの皆さま。
一年と云うのはアッと云う間ですネ。

渓秋のHP・ブログも今年の最終編となりました。


納竿日から師走までの渓秋の工房編です。


森 渓秋



その1・孫たちにクリスマスツリーをプレゼントの巻。



近くの公園から集めた「松ぼっくり」でツリー制作してみました。
秋口に集めて乾燥したのですが思いの他の数で、足りなくて霙の降る中を1/3ほど拾い足しました。

高さは一升瓶と同じ40cmです。

数は300個位だったかな?。
忘れました。
東京の孫に送るのにハタと困りました。
梱包と収納のことです。
1997年(平成9年)に「龍」さんから頂いた「久保田・満寿」の木製の化粧箱を再利用しました。

小生って物持ちがいいんです。
14年ものです。
ちょっと笑いですよネ。


その2・大物連発を記念してディスプレー制作の巻。




今年は半分以上が単独釣行だったが、40cm超の大物を十数匹釣れた。
記録更新を記念してデイスプレーを作成してみました。

台座の板は昔蘭越のHさんから頂いた、「桜の丸太」を加工した。

アメマス48cm。
アメマス46.5cm。

1992年(平成4年)
蘭越・ペンケ目国内川にて。

蘭越のHさんには今でも4月のニセコ連峰XCスキーで毎年お世話になってます。


その3・山釣りカレンダーを造るの巻。




二十数年来のカレンダー造り。

今は工房でパソコンで簡単・楽ちん。

山釣りファンと釣仲間には、超大物の魚影のみのプリント。
悔しさを解説しつつお届け。
相棒には格好の良い取り込みスタイルをプリントした。
女性の山釣りファンには、数種の山野草をモチーフしたものを作成。


その4・恒例の渓魚の燻製を造るの巻。




毎年燻製の仕込みを始めると、今年も師走が来たかと一年の早さを実感する。

今年は良型が多数で造り応えがあった。
この燻製を心待ちにして下さるファンも居られるので気が抜けない。
「渓秋のお歳暮」として、本州・道内各方面に発送出来た。


渓魚の燻製の一部です。
造り方はHPのダイジェスト版でご覧下さい。


その5・イワナの冬葉(トバ)造りを極めるの巻。

今年は好漁で9月で我家の冷凍庫のキャパを越えてしまった。

家人からは家庭用食材優先で完全にストップ宣言が出てしまった。
春先の小物を酒の肴で食べたりしたが焼け石に水だ。

思い余って、イワナの干物を造ってストックすることにした。

鮭の干物・トバは商品として多数出回っているが、まるで添加物の塊だ。

せっかく渓秋が造るのだから体に優しく・美味しいものに仕上げたいと試行錯誤した。
数度の試作の結果ついに理想的な「冬葉」を極めた。

@試行錯誤の数々

試作@

皮を剥いで醤油・酒・味醂で漬け込み風乾。
生臭みが残る。硬くなる。

試作A

皮を残して塩・酒で漬け込み風乾。
生臭みが消えるが身が皮から剥がれず食べづらい。
試作B

半々の仕様でもう一度。
やはり皮付きの方が味が良い。
試作C

漬け込み後・風乾まえに切り目を入れる。
少し食べやすくなるが味がシンプルでない。
試作D

皮付きで塩のみで漬け込み風乾の途中で切り目を入れて更に風乾する。
食べやすく、シンプルな味でイワナ本来の旨味が出た。
試食で好評を得るも時間がたつと硬くなりすぎる。


A元祖イワナの冬葉(トバ)造りを極める。

試作品は鮭冬葉(トバ)の市販品に比べて、ソフト感と肉厚感が物足りない。
そこでネットで検索してみた。

と同時にテレビのローカル紀行番組で八雲漁港青年部のブランド品の「鮭の山漬け」の製造過程を見た。

この二つを参考に最後の大物三匹で渓秋のオリジナルでもう一度試作開始。


@イワナに塩を摺りこむ。

塩約10%強を良くすりこみビニール袋に入れる。重しが直接接しないよう清潔を保つ。
Aイワナを山漬けにする。

室内で造るので発砲スチロールの箱に新聞紙を敷いて、ビニール袋に穴をあけてレンガ三個で重しをし蓋をしてベランダで三日間寝かせる。
水分が新聞紙に吸い取られる。


Bイワナの山漬けの塩出しをする。

イワナを良く水洗いをして蛇口を鉛筆位の太さにして2時間半くらい流水に晒す。
雑菌の除去と塩分調整。腹の一部を切り取って塩分を確かめる(燻製と同じチェック)

Cイワナを丸ごと風乾する。

イワナの水分を良く拭き取り、麻紐を通し・妻楊枝で腹を開き風乾する。(後列は燻製風乾)
季節により異なるが、今回は夜間以外は扇風機・強・で風乾した。

制作時の夜間の外気温は最低でマイナス5度℃でした。日中も真冬日有り。
夏場では直射日光は避けて欲しい。

無添加なので内部から腐敗する恐れ有り。
風通し良くが一番大事。
D風乾イワナを三枚に降ろす。

三日間ほど風乾して身が締まったら三枚に下ろす。
胸骨を注意深く削ぎ取る。

尻尾の方に穴をあけて紐を通し更に風乾する。
Eイワナの仕上げ風乾する。

魚体の大きさと好みに応じて、二・三等分にして更に4・5日風乾する。
ここで好みに応じて切り身を入れて食べやすくしても良い。

毎日仕上がりをチェツクする。
風と日光が万遍無く当たるように手間を惜しまないこと。
Fイワナの冬葉(トバ)の出来上がり。

肉厚で見事な飴色に仕上がる。脂も乗って申し分無し。
絶品(自画自賛)

これならどなたに差し上げても喜ばれることな違い無し。
これも北海道の冬場の季節だから出来ることかもネ。

以上。
渓秋の元祖イワナの冬葉(トバ)造りレシピの公開でした。
お試しあれ。
上手に出来たらお裾分けを待ってます。


その6・「龍」さんからの手紙の巻。




登山家で山釣り師の「龍」さんに出会ったのは1994年(平成9年)の春でした。

道南方面へ二泊三日のキャンプ釣行で遠征中の鹿部の磯谷川渓谷でした。
初めての入渓で地形図を読んでいると後ろから声を掛けられました。

源流部の入り口まで地図にない林道を案内してくれました。
我々二人は釣下り彼は残雪の源流を遡行していきました。

半日掛けて釣下るも一匹の釣果も有りませんでした。
又、入渓口まで熊痕跡の多い林道を2時間登り「龍」さんの車に釣果報告のメモを貼って下山しました。

後日「龍」さんから電話があり上流はいい釣が出来たそうです。
これが縁で以来、毎年数回の文通で情報交換を重ねています。

彼の情報で多数の道南の渓を巡り楽しい思いをさせてもらっている。

しかし、未だ一度も「龍」さんとは釣行を果たしていないという奇妙な関係でもあります。

でも今年遂にその時が熟し、道南釣行を計画。
しかし春は東北大震災で中止。

秋は台風12・13号の襲来で中止の憂き目にあいました。
来年こそはと今から約束を取り付けて心待ちにしている。


「龍」さんからの手紙より。

おどろき!感激!なんと言ったらいいんでしょう。
びっくりです。

今まで雨マスやイワナの「冬葉」なんて、思ったこともなければ食べたこともありませんでした。

それがきれいにラッピングされてまるで宝石のようです。
渓秋さんのセンスの良さにただただ感激し敬服しました。

自然、いや川を愛するそのひたむきさがすばらしいです。
いい人に巡りあいました。
つくづくそう思います。

味もいいですね。
目をつむれば川の瀬音が聞こえ、水面に映える陽の光や木々の葉の風に翻る様子が目に浮かぶようです。
渓秋さんありがとう。

来年はぜひ一緒に遊びましょう。
楽しみにしています。

秋も終わり、遊楽部岳に登りました。
山頂から背伸びして覗いてても見市川の流水は見えないのですが、深い山肌を覗くにつけ渓秋さんとここを遊んでみたいなという思いは一層強くなるばかりでした。

あそこは別天地ですよ。

来年のカレンダーを見るにつけ、一年はなんと早いんだろうと思います。
お互い体に気を付けて楽しい日々を送りましょう。重ねて、ありがとうございました。


返信。

小生にとって最大の賛辞を気恥かしくもありますが、嬉しく受け取りました。
小生の釣スタイルを理解いただき「龍」さん本当にありがとう。



その7・メリークリスマス。




5人の孫と相棒のお孫さんに恒例のクリスマスカードをつくりました。


渓秋の「北海道山釣り四季」。
今年もアクセスいただきありがとうごさいました。

良いお歳をお迎えください。
外は猛 吹雪。
今夜は氷点下7℃の予報です。

札幌はいよいよ本格的な冬です。

4月から半年かけた「木彫レリーフ」大作もやっと完成した。
公開は次回の新春編で。

ご期待あれ。



次回予告!!


1月5日より「渓秋工房の新春〜早春」編を公開します。
来年もよろしくお願いします。