2011年(13) 嗚呼....嗚呼....西積丹S渓。

嗚呼.....逃がした魚は大きい!!。
60cmオーバーと見たが控えめに推定55cm。





何時ものエメラルドグリーンの大プール尻に奴は居た。

第一投で重くギラリと身をくねらせた。

静かに重い。

ドッシリ構えて静か。
悠然と目の前を泳ぐ。

そこに同型サイズがもう一匹近づく。
この一匹は静かに水底に停止して動かない。

奴はなおも悠然し泳ぎ回るが決して暴れない。

徐々に竿立てて浮かせに掛かるがとにかく重い。
釣兄が手伝おうとするのを制してゆっくりと慎重に浮かせに専念する。

こちらの立っているポイントは瀬尻のチャラ瀬で水深はほとんどない絶好の場所だ。

奴が徐々と近づいてきた。
腰のタモ網に手を掛けて構える。

奴はタモ網を見て又深みへ身をよじる。
これを数度繰り返す。

やっと足元に来た。
タモ網を使うがが奴は大きすぎて取り込め無い。


焦る。

奴は逃れつつ突然足元に突っ込んで来た。

水深の無いチャラ瀬に完全にその巨大な魚体をさらした。
タモ網をかぶせるが駄目だ。

タモ網を捨てて手づかみの態勢に入ろうした。


その時竿先が枝に絡んでしまった。
上を見上げて竿を捨てた瞬間奴は急に暴れだした。

チャラ瀬をバタバタついて遂に糸を切られしまった。
覆い被さり手掴みを試みるが奴は更にバタついて...........とうとう岸寄りの小さな流れに入る。
まだ手づ掴み出来そうだ必死に飛びつく。


奴は草の根にヘバリ付く。

両手を構えて掴みに掛かるが......奴は身をくねらせて悠然と下降しだした。

奴は数メートルで本流の泡のなかに消え去った。

嗚呼....嗚呼.....嗚呼。

万事休す。

渓秋一生の不覚。
ミスミス、記録ものを取り逃がす。

午前中の源流攻めには長柄の大タモ網を携行していたのに......誠に残念。

教訓....災害と大物はいつでくわすかわからない。


森 渓秋


その1・S渓源流を釣る午前の部の巻。

支流の熊戻りの沢との合流点。
アメマス34cm。
釣兄と同時に尺物を釣りあげる。
源流の魚止め滝に迫る釣兄。
魚止めの滝壺で尺上の居着きイワナ。
午前中の釣果。
昼飯時に現れたキタキツネ。
エサをねだるも相手にせず。


その2・S渓いわな橋から釣り上がる午後の部。

これが何時ものエメラルドグリーンの大プール場所だ。
奴は右手の苔の生える瀬尻の岩盤底に居た。

奴はこのチャラ瀬の左側の岸伝いに下流へ逃げ下った。
奴を取り込み中に出たもう一匹はまだ静かに水底に貼りついて動かない。
何度餌で誘いを掛けるが見向きもしない。

あきらめて帰りまで時間を置こうして水中を見やるといつのまにか更にもう一匹がいるではないか。

すかさず餌を投じると一発で当たりあり。
しかし、奴ほどの重さを感じない。

それでも慎重に浮かせてた。
慎重にタモ網にランディング。
奴より二回りまも小さい。
45cmのアメマス。

これでも十分大物なのだが奴の後では小物だ。
更に上流にて、班紋の美しい尺上サイズが次々にくる。
午後の部の釣果。
昨日の残念会。

イワナ飯、イワナ汁(渓でとれたムキタケ入り)、イワナの中骨唐揚げ。


納竿までに今一度「奴」を狙ってみたい渓秋です。