2011年(9)雨後の遡上アメマスを狙って積丹半島へ

北海道の9月は半月も大雨続きでどの渓も洪水で釣りにはならない。

ようやく大雨が治まるも、小雨の続く毎日だ。

小雨決行で大雨・洪水後の遡上アメマスを狙って積丹半島へ釣行する。

森 渓秋


その1・H渓を釣るの巻。
雷と局地的大雨注意報が出る中、本日も単独行で一路積丹へ。

積丹の入り口の古平町のO渓下流部は大型の遡上アメマスとヤマベが手軽に連れて渓秋の好きな処だ。
何時も立ち寄る渓だが先行車が3台も有り。
上流の大ダムを狙ってみょうかと思ったが林道には「土のうが積まれて」通行不能で断念。

身支度をしている二人連れは、それでもヤマベ狙いで入渓するとか?、この小さな渓ではとても無理とおもうが.....果たして彼らの釣果は如何に。
救いは水量が丁度良いことか。

羆対策の準備は怠りなく。






新聞報道によると今年の異常気象で山は不作で羆が人里に出没多し。
愛用の羆除け警笛、米国製で二十年来の愛用品だがボンベのガス欠で新しい物を買いに出向いたが、下段の大型製しかなく且つこれが最後の品とのこと。
もう輸入出来ないそうだ。
しかし、大型で釣りベストには入らずザック入れて持ち歩きだがイザと云う時は不便。
前回の東大雪でも一度も使わず。

今回は単独行で林道から離れて奥まで入るので、ベストになんとか忍ばせる。

しかし、渓に降りてイザ。
一発・羆さんにご挨拶とプッシュするも ピヒョーン と音が出ない。

ボンベも軽い????....肝心に時に全く役立たずの代物なり。

原因を推測するに、東大雪でザックのポケットに無理くり入れたために「釦」が押されて少しづつエァーが抜けたらしい。
取り敢えずこの渓は「呼子」の連呼で急場をしのぐ。

渓に降りると、木の葉がふわふわと浮遊。

不思議になり。

何故か???
次に目に飛び込んで来たのは流木の積み木細工。

大洪水で2m以上も水位が上がった跡だ。
こんな大洪水でも渓魚たつは上手に避難できるらしい。
強い引きの遡上アメマス。
33cm。
今回も天候と単独行のため安全を期して「三段の滑床滝」まで2時間の遡行。
本日の釣果。
ヤマベ20cm。他に「カジカ酒用」を1匹キープ。


その2、神恵内村のS渓を釣るの巻。

本日曇りで薄い霧が立ち込めて暑い。

H渓を上がって下着を薄いものに取り換えた。
因みに気温25℃・水温15℃。
雷注意報発令中。

S渓に続く町道は途中で大雨のせいで深くえぐれていた。
愛車のテラノLシフト四駆にしてやっと切り抜ける。

林道の「イワナ橋」から見下ろすS渓はエメラルドグリーンの清冽に流れだ。
最初の大場所に出会う頃霧がだんだんと濃くなって来た。
深みはエメラルドグリーンで美しい。
ここでも強い引きの美しい遡上アメマス。
34cm。
一層霧が深まる。

今回は3匹で切り上げて支流の「熊戻りの沢」を早めに覗いてみよう。
本日の釣果。

3匹で切り上げて、ついでに橋の下流で4匹目(橋の下流で初の尺物を釣る)
ヤマベは「ブナかかって」20cm。


その3、支流の熊戻りの沢を釣るの巻。
この熊戻りの沢は思い出深い渓だ。
平成7年の釣誌に積丹半島の小滝の有るある渓の情報が出ていた。

この渓を何としても探し当てたくて釣兄のTさんを誘って何度も足を運んだ末についに発見した。

以来、S渓に入渓するときは必ず覗く渓だ。

春は山野草が咲き乱れる美しい渓でもある。
しかし、一度も大物には出会ったことがないまま十数年がたってしまった。

さてこの大雨はどう見方してくれるだろうか?
1995年(平成7年)の釣り師「千田勝彦氏」50cm超の大アメマスを掲げる写真とその小滝の写真。
この写真を携行してやっと渓を探し当てた。

その時の感動が今でも鮮やかによみがえる渓だ。(釣誌出典不明...検索中)
林道の「やまべ橋」から釣誌の第一の小滝を望む。
流れはやや白濁で少し増水気味だ。
霧と小雨の第一の滝。
洪水で岩がすっかりきれいになっている。
この滝壺で建て続けて35cmの遡上アメマスが5.3mの長竿を絞りこんでくれた。

この渓を十数年来ねらつていた大物なり。
70mほど上流にある第二の滝。
大物仕掛けで慎重に探るも反応なし。

霧と日暮れまじかの中更に粘るも反応なし。
その時突如滝の右端で60cmはあろうかと思える大物が滝に向かってジャンプした。
目を奪われていると今度は左端で40cmはあろうかと思える物がジャンプ。
竿を置いてカメラを構えていると2度のジャンプがあり。(しかし、いい画像が撮れなかった)

再び竿を構えて探るも全く当たり無し。
遡上で滝超えのアメマスは餌を追わないのだろうか?

不思議なり。
滝音に混じって雷鳴がとどろいたのを潮時と深追いを断念する。

次回は真っ先にこの滝壺をめざしてみようと思いつつ渓を後にする。

釣りに夢中で昼食も取らずにもう午後3時半。
汗だくの着物を着換えてノンアルコールビールで一人乾杯。

今日は雨後の様子見にしてはいい釣りが出来た。

積丹の渓々に感謝。
今回の釣果を皮付きの「冬葉=トバ」に仕上げています。
残り5匹は燻製用に冷凍保存。

次回は再度「熊戻りの沢」の大物を狙いに行ってきます。
本日は一日小雨で最高気温19℃の肌寒い札幌です。