2011年(7)暑寒別山系E渓で幻のイワナに出会う。

前回は新ゲイト情報不足と時間不足で早々に断念して箸別川へ転進した。

休日の釣行となったので先行者がいたら「三段の滝」は断念して釣り下り覚悟に決める。

時期的にはもう夏涸れ寸前だが......はたして。
早朝の車中の会話は弾む。


森 渓秋


その1・黄金イワナを爆釣するの巻。

前回の林道情報不足に懲りて、森林管理所に問い合わせこれより2kmまで通行可。

助かった。
歩きは3kmで済みそうだ。

入林名簿によると、やはり7月頭に地元の滝川・深川・留萌の釣り師が入渓している。

しかし、前回の我々以降は記録なし。

これはチャンスか??、夏涸れで敬遠されたか???。
荒れ果てた林道沿いには、淡い水色のエゾガクアジサイがひっそりと咲き乱れる。
渓に到達。

主峰の南暑寒別岳を遠望する。
すっかり残雪も解けて流れは渇水気味だ。

しかし、遡行を悩ますあの「ヌメリ苔」はすっかり洗い流され無し。
快調に遡行開始。

この渓の何時もの合言葉は「尺以下はリリース」だが、今回は「35.0cm以下」はリリースを宣言す。

しかし、珍しく釣兄が孫を囲んでバーベキュウをするので「尺級を数本キープ」したいとのこと。

........ 無論OKを出す。

天候は薄曇り・微風。
気温19度・水温14度。
下界の猛暑に比べて文字通り別天地だ。

久々に夏バージョスタイルの「スパッツとウェーティングジューズ」で一層涼しい。

北海道の源流でこのスタイルが出来るのは一カ月程度か??。
第1投。

早速「泣き尺級」か。

この渓のイワナはどうしてこんなに金色に輝いているのだうか?。

水質と岩石質の関係なのか?。

まだ釣行はしてないけれど阿寒湖の大アメマスも金色だと云う。
毎年一度の釣行だけど何時もみとれてしまう。
立て続けに来た。

今度は35cm級だ。

一層、黄金色の濃いイワナだ。

番外編・これは何だ?。


川岸を細いものがニョロニョロ。
久々に遭遇した。

気持ちが悪い。

ご存知・釣兄に35cmオーバーが来る。

5.4mの長竿で取り込みに奮闘中の雄姿。
黄金イワナの水中写真です。

何故か大人しくポーズをとってくれた。
続きましては渓秋の雄姿です。
カメラを構えられると自然なポーズがでないかもネ。

この渓のシャッターポントだが流れ落ちる枝沢か涸れて、倒木・落石ですっかり変わってしまった。

今回は生かし網ビクを腰に下げて鮮度を保つように工夫した釣行だ。
渓秋に本日のビックワン。

黄金イワナ40,0cm。
釣兄は巨岩の上から狙うのか????

いや40.0cm級をバラした弾みで枝掛かりです。
ちょっと滑稽な画像カナ。
一段目滝下のプールでは結局このサイズの黄金イワナ。
「三段の滝」までの締めはカジカ15.0cmなり。

旨いカジカ酒用にキープする。



その2・幻のイワナを釣るの巻。


ここに三冊の古い釣り誌があります。

一、1991年 植野稔著 渓流巡礼三三ケ所。
二、1990年 山と渓谷社 渓流フィッシング。
三、1998年 植野稔著 山釣りシリーズ。

この三冊の共通する誌面が今回釣行の暑寒別山系E渓の「三段の滝」上の幻のイワナです。


源流釣り師で紀行作家の植野稔氏が、この滝上の源流で遭難した経験を持つ老人と出会う。
その老人は源流で大型の魚が群れるを見たとの語る。
植野稔氏はこの源流を極めようと三日間にわたり単独行で探るも「橙斑点のある小イワナ」らしきものを一匹確認するにとどまる。
植野稔しは、興味のある釣り師よ「幻のイワナ」探ってみよ!!と呼びかけている。

渓秋は植野稔氏がたどった暑寒別山系の数々の源流を探るも、この「三段の滝上」を探るには「相棒と勇気」が揃わなくて結構出来なかった。
だか、この渓の黄金イワナに魅せられて毎年通い続けている。

「三段の滝」の二段目と三段目。

この上左手の影にこの4倍くらいの第1段の滝がある。

滝壺を右手にヘヅルと一段目の雄姿が拝める。
増水時は非常に危険・命綱で確保が安全策。
滝壺は直径40〜50m位・水深は5〜8m位か、清冽な水を満々とたたえる。

しかし、この滝壺は意外と大物がひそまない。
過去一番の記録も40cmを超えていない。

魚止めの滝壺としては意外と魚影が薄い。
かえって、三段目下のプールに40cm超の大物が潜む。ので気が抜けない。
そんな訳で何時もの調子で先ずは手竿で第一投。

足下で微妙だがしつこい当たり有り。
鈎掛かりして、清冽なプールで輝る魚体にこれはいつもの黄金イワナとは違うと直感。

釣兄に大声で合図。呼び寄せる。
........浅瀬に引き出して良く観察する。

この時、渓秋には「ピンと来るもの有り」、これが植野稔氏云うところの「幻のイワナ」ではないか???。
十数年来で初めて手にする美しい魚体だ。
計測はジャスト30.0cm。
銀色の魚体に小さな橙斑点を有する。

まるで東大雪の然別湖の「ミヤベイワナ」を思わせる魚体である。

この個体は「三段の滝上の源流」から大水などの影響で滝下までこぼれ落ちてきたものが棲みついたものであろうと推測する。

この後、餌とルアーで10匹を釣りあげる。
キープした4匹は半数が抱卵ものだった。
ルァーにチェンジして滝坪を探る。

幻のイワナと黄金イワナ。
釣兄は手竿で37.0cmの黄金イワナが掛かる。
本日の釣果。

二人で最小限のキープをしたつもりです。
楽しい思い沢山して足取りも軽く下山。
途中新しい鹿の足跡多数。

今年は特に多くない??、しかし、かって一度も鹿の姿はみかげずなどと語りつつ歩を進めると。
またもや鹿痕多しの場所に出る。

良く観察するとちょっと古いが「ヒグマの足跡」多数。

以後、クマ除けを出しながらの下山となる。
帰途の林道ではもう枯れかけたオニアザミの花に数種類の蝶が乱舞。

ビントの合った画像はこの二枚のみ。
残念。




今日一日の楽しい釣行の締めは「黄金イワナと幻のイワナ」塩振り焼きと骨酒で家人に報告会。


今回の釣行記はいかがだったでしょうか。
少しマンネリ化を脱した報告が出来たのてはと思っております。

今回の「幻のイワナ」を確証を得るために、渓秋なりに掘り下げてみたいと思っております。

この滝より南に15kmk地点の暑寒別山系のはずれの雄冬山系浜益の「黄金沢川」の魚留め大滝の上流にも
「赤い斑点のイワナ」が釣れると渓で出会った釣り人に聞いたことがあります。
なんらか関連がありそうです。

(渓秋HPダイジェストの山釣り14選の第10章の滝です)


何時の日か報告出来ればと思ってます。
感想などいただければ嬉しいです。

8月一ケ月は仕事半分・孫たちとの夏休み半分で完全なる休釣期間です。


次回は9月初旬に報告予定です。 

朝夕は涼しい渓秋工房より。