(4)2011年 待ちわびた雨だ。再び積丹へ。
前回の積丹半島6渓巡りでは初夏の遡上大アメマスを期待したのだが水量がやや不足気味であった。
ここでひと雨降れば一気に遡上が始まるはずた。
予報通りに昨夜来の強い雨音でなかなか寝付けなかったが4時起きで期待の積丹を目指す。
本日も単独釣行なり。

目指す2か所の渓と新しく古平川の2か所支流を回る予定だ。


森 渓秋

その1。古平町の O渓を釣る。

小雨の降り続くO渓に到着。

この雨とこの時刻では先行者も無し。
早速。入渓準備・ベストに着替えて・メガネを替えて・エサと弁当・カメラに貴重品を確認。

さてザックをと思いきや?????
...釣り具一式が入ったザックが積んでいないではないか!!!....

今日はこれで万事休すかナ。

...釣りコンテナに予備竿の5.4mと2.7mとルァー竿を詰めてあるのを思い出す。
やりずらいが長竿と短竿の2本を着替え詰め用ザックに押し込む。

幸い昨日揃えた仕掛け一式はベストのポケットに収まっていた。
いざ雨中の釣り開始だ。

確かに、昨日はいろいろと忙しくてデスクに向かう暇もなかったのだけれど、帰宅後これではランドセル持たずに学校へ行くに等しいと家人からからかわれました。

毎度紹介しているがこの渓は、流程8kmで源流で二股に分かれている。
ここから先が源流大イワナの楽園であるが羆の出没も激しい危険な処でもある。単独行は危険だ。
渓秋はかって数度釣行をしたがその都度楽しい思いをしたものだ。

国道の通る河口より500mに数戸の集落がある。
ここより渓に降りるが写真の魚道の付いた砂防堤が数基続き1kmで大ダムに至る。

ほとんどののヤマベ釣り師はその大ダムまでのようだ。
大ダムから上流へは十数年前に見事なエゾ松林を伐採してからは踏み分け道も消え荒れ放題で川通しを余議なくされるがこの付近は深みの連続で危険だ。
大アメマス狙いの太ミミズに11号鈎の仕掛けで第1投。

すかさず24cmの良型ヤマベだ。

結局本日は良型ヤマベを多数ゲットしたが、前回も2台の先行車がいて、砂防堤続きのこの短い区間で好釣果だったのは、雨天の性もあるが大仕掛けの為と思われる。
ほとんどのヤマベ釣り師はイタトリ虫に4号鈎の小仕掛けで10cm以下を数を競っているかたらだろう。
最後の砂防堤を超えて大ダム下の最高のポイントに至る。
この場所は大アメマスが群れをなして居着くのと、かっては28cmのヤマベも釣れている。
しかし、河畔林が被り長竿では対処出ないので短竿に持ち替える。
最初に24cmのヤマベがきた。

次の投入と同時に引っ手繰られるような乱暴な引きでキラリと光る白い幅広の魚体が一気に下る。
竿を起こす間もなく糸ぎキーンと鳴ると同時にプッツンした。

残念・雨の中ジタンダを踏むも遅し。

数年振りの尺上(30cm超)ヤマベか?、遡上サクラマスか? 逃した魚は大きいものだ。
そのすぐ上の小さなポイントで。
本日唯一のアメマス。35cm
この数メートルの大ダムにも立派な魚道が機能している。
そのためかここ数年ダム上でも良型のヤマベが釣れるとの情報を聞く。
昔はダム上にはイワナのみだった。
毎回ここまでは1.5時間で十分だが本日は3時間を要した。

雨とやや増水と不便な竿とヤマベの数が出たためかな。
まいかいヤマベか? 遡上サクラマスか?
逃がした魚は大きいものだ。
本日本日3時間の釣果です。
釣果。良型ヤマベと下流では珍しいイワナ。
下りの林道沿いには「はなうどの花」満開に咲き乱れていた。



その2。積丹町のH渓を釣る。

離れたこの渓に着くころは雨も上がって曇天となる。
本日は気温は揚らず渓は14℃と早朝より濡れた体には肌寒い。
本日は羆除けのベルがないので「警笛」を連呼して急斜面を下り釣行開始なり。

何故か前回より減水気味なり。
半島の先端のこの渓には雨が降らなかったようだ。
この渓は、国道の通る河口より400mに数戸の集落があり崩れかけた分校の廃校がある。
流程は真直ぐに10kmで積丹半島の主峰「余別岳1297m」に至る。
5kmの中流に架かる林道のコンクリートの小さな橋が唯一の人工物である。
近年では珍しい自然河川である。
下流域からヤマベ・遡上アメマス・源流居着き大イワナが生息する。
羆も俳諧する渓である。
渓秋はかって8km地点で「橙色の斑点を持つ尺イワナ」釣ったことがある。
渓は下流から苔むした大岩があり、河畔林はモミジが生い茂り、流れはあくまでも清冽で何時きても魅力いっぱいである。
ここでも第1投は24cmの良型ヤマベであった。
が、ヤマベの写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました。

その合間に尺以下のアメマス系イワナが混じる。
雨が上ったのと、ウエイダーのソールをピン付きに貼り替えたので遡行は順調だ。
これも尺以下のアメマス系イワナなり。
本日の目標地点。
三段の滑床滝の絶好ポイント。

前回と釣行写真と比べて見てください。
減水で滝の落差がハッハキリと写っています。
この上段の滝で本日最大のアメマス37cm。
残念ながら期待の大アメマスは不在。
この滝付近のみで5匹の幅広アメマスの強烈な引きを堪能した。

ここまで3時間を要す。
やはり竿とヤマベを含めて数が出たせすかも。
ついもは1時間半程度なり。
本日のアメマスとイワナの釣果です。
本日の良型ヤマベの釣果です。
重いザックと畳み不能となった長竿を片手に急斜面を喘ぎながら斜面を登ると「ハイサイラン」いっぱい咲き乱れていました。
こんな群落は初めて見た。


その3。この渓で「謎の渓魚」を釣るの巻き。

三段の滝の手前のプールでアメマス2匹のチェイサーに手こずりやっと一匹を釣りあげた。
もう一匹を狙ったがもう悟られたか?。姿を見せず。
そこで餌をブドウ虫に替えて投入するど小型のヤマベが掛かる。
鈎を外そうと良く見ると変わった魚体である。


一瞬ヒメマスの稚魚かと思ったが勿論違う。
(チップとも云いベニサケの陸封型)
腹の班紋と銀ピカな魚体はヤマベかな?
背中はイワナ特有の虫食い模様だ。
....この時は「イワメ」との結論に達したが......
帰宅後、1994年狩場山系S渓の記録と比べて見ると明らかに腹の班紋が不明瞭だ。
再度の結論は「イワナの銀毛(スモルト)」である。とした。「石城謙吉著・イワナの謎を追う」より。

孵化して2年目に「メスが海に下る種の魚体」当然2年後には大アメマスとしてこの渓に戻ってくるはずだ。
この魚体を「渓秋の渓魚大全」に新しい1ページを追加しする予定です。

この写真は翌日の写真です。
翌日、小型のヤマベを調理していて気がついたのですが、背中が明らかにイワナ特有の虫食い模様だ。

これは間違いなく「イワメ」である。
「イワメ」とは何者か???

......ホームページの「渓秋の渓魚大全」をご覧ください。
そんな訳けで本日の釣果は大満足でした。
やっと愛車テラノに辿りつくと美しい「ルリイロシジミ蝶」がひっそりと迎えてくれました。

最高に気分を良くして獲物をクーラーにしまい・濡れた衣服を全て着替えて・運転席に座って遅い昼飯・ノンアルコールビールとソーセージとお握りで一人乾杯。

さて、今朝外したメガネをドライブ用に取り換えようと探すもどこにも無し・今朝のO渓に戻って探すも無し・帰宅ご車中を再度探すも無し。

前回に続き、今回も健忘症の極み....もうー。
歳は取りたくないものだ。

こんな調子で1000釣行が達成できるのでしょうか????。


その4.積丹の山釣り余韻を楽しむ。


今回も燻製用は冷凍庫にストックして、小型魚を味醂干しにして即席ダンボール箱簡易燻製器で楽しんでみました。
以前のもご紹介しましたがダンボール箱と金網で簡単にできます。

今回はリンゴ木の燻煙を1時間かけました。
ちょっとかけ過ぎでした。

30分でいいかも。
丁度味醂干し燻製が仕上がった時。
函館のT氏より北海道では入手困難の薩摩の焼酎が届く。

T氏お奨めのロックでグイっとやる。

旨い。
ごちそうさま。
ありがとうございます。

 T氏との出会い二十年ほど前に道南・旧南茅部町の常呂川で初めての入渓でいろいろと情報をいただいたのがきっかけでした。
 なぜか渓秋は一匹の魚影を見ることもなく下山(釣り下ったので車まで2時間の羆の糞がコロゴロとしている処を登山のことです。.....あの時はきつかったなアー)、上流へ釣り上がったT氏の車があったのでこちらの釣果階無の旨の情報をワイパーに鋏みキャンプ地に向かう。
 まだ携帯電話の普及していない時代のことです。

 帰宅後。
 そのT氏から上流は良型イワナに恵まれたとのこと...と電話がありました。
以来。
 文通を年4.5回繰り返して道南の貴重な情報を沢山いただいています。
勿論。
 常呂川の源流も再挑戦で良型イワナに巡り合えました。

昨年。
 新聞情報で道南の津軽海峡に面した絶海の陸の孤島の沢で60cm級の大イワナが棲むという記事があり、例によりT氏に情報を確かめたところ間違いなし。
 その渓は近くの漁港から漁船をチャーターしての船渡ししか近づけないとのこと。
 宿と船渡しの手配は懇意の女将がいるので今年の6月のベストシーズンに敢行との約束して待ちわびていたのですが、3月11日の東北大震災でこの釣行計画がとても危険なことになる。
 余震が完全に収まるまでの延期をお願いとお詫びを申しあげたところ、こんなに素敵なお返しが帰ってまきしたので、こご紹介しました。

 T氏は本来は登山家で単独で文字通りの「山釣り」をたのしんでおられる方です。
 二十数年振りの再会は来年までのお預けとなりそうです。

 誠に残念なり。


2回続けての積丹半島釣行記でした。
次回はあの取り逃がした尺ヤマベも魅力ですが、道北が7月1日より解禁になりましたので暑寒別岳山系の渓を予定しています。
ホームページの修復もH氏のご協力を得て着々と進行中です。

本文も「目次」からお入りください。

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ウエイダーのソールの手直しで左手の親指の負傷と木彫レリーフで右手の腱鞘炎に悩む・渓秋工房より。