今回は昨年のシュンベツ川のリベンジと未だ見ぬ新冠川の源流を釣行す。
台風7号崩れの荒天予報に釣兄のTさんから、雨天決行か?と心配の電話が来る。ネットで現地の天候を調べて事前の準備は万端。
一泊二日の釣行に出発する。 |
林道に入ると直ぐにエゾシカの群れが横切る。
今回二つの渓の林道で100頭以上に出会う。
こんなに数多く出あうのは初めてなり。
全部が母子ジカであったが、
最後に一頭だけ雄ジカに出会った。 |
初日は静内川の最大支流の通称「西の沢」のシュンベツ川を目指す。
なお、「東の沢」の本流はこの先の高見ダム手前より一切の通行止めである。
昨年の8月にこの渓を目指すも、林道崩壊で猛暑の中を3時間も彷徨し断念した。今回こそリベンジに燃えて周到に準備する。
静内支所に二度電話を入れて林道情報を確認する。
第303新渓
この渓の情報は非常に少ない。シュンベツ川ではダム上のイドンナップ川に次ぐ10kmの流程が深い渓に切れ込んでいる。
源頭は標高1,337mのパンベツ山である。
この渓は本流のシュンベツ川の対岸にあり、急峻な曲がりくねった林道を6km程下る。この環境が釣り人を寄せ付けず情報が少ない由縁か。
今回は幸運にも「林道のゲイト」が開いていて注意深く「愛車のテラノ」を乗り入れる。
この渓の下手にありれも更に情報少ない「クリノ沢川」はゲイトが施錠してあり徒歩を余儀なくされる。次回はこの渓を探ってみたい。
本流出会い部。
地形図では対岸へ橋の標記はないが
林道有りとなっている。
右手の本橋を断念し、
この鉄の仮橋も断念し放棄したようである。 |
本流沿いに数百メートル下る林道の終点から本流を渡渉し
対岸の林道の橋下より入渓する。
この橋下から早速イワナが釣れだす。 |
予報より早く雨が降り出すも、
第一投より良型の居着きイワナがヒットする。 |
さらに釣り上がると魚影はすこぶる濃い。
地形図に無い発電用導水管橋が出現。 |
時折小型の美しいニジマスも掛る。24cm |
魚影はさらに濃く釣り上がると
これも地形図に無い砂防ダムが出現する。 |
期待の砂防ダム下で大物を取り込む。 |
本日の初の尺ものイワナなり。 |
砂防ダムを高巻くとすぐに3m巨岩が重なる滝が出現。
たが砂防ダム上・巨岩滝上も魚影は全く無し。
まさかこれが魚止めの滝なのか??
上流を更に探りたい衝動に駆られるも、
本降りの雨に安全を期して納竿。 |
この渓の釣果。
小型は針を呑まれたものをキープ
。リリース多数。 |
今夜のキャンプの食材のみキープ。
この渓は二十年間で数多く通っています。
この川の流程は長く、このシュンベツ発電所の数キロ上流のダム湖を経て流程は30kmで源頭の標高1.980mのカムイエクウチカウシ山に至る。
夕闇と雨と靄に霞む幻想的な風景のシュンベツ発電所。
流れは渇水状態で大物は何処へ?? |
このダムの小さな吐水口の深みよりニジマス30cm。
さらに数匹をゲットする。 |
午後5時。台風崩れの雨がいよいよ本降りとなり。
全身水浸し・残暑とはいえ寒気がする。 |
川原には雨に濡れて一層美しい「オニアザミ」 |
今回の釣行は荒天予報と林道の走行距離が長くテント設営は出来ないと思い初めてキッチン付のバンガローを探し当てて予約する。これが誠に正解で一層楽しい晩さん会となりました。
本降りの雨でも、一歩も外に出ず全ての支度が出来てとても楽しく過ごせました。
食材は本数年振りのキャンプなので、本日のキープした渓魚のみに拘りました。
このキャンプ場は明日予定の新冠川の傍の小高い丘にあり好立地です。
料理は取りあえず、尺イワナとニジマスの刺身でスタート。
Tさんにゆっくりくつろいでもらう。 |
本日は全て渓秋の即興メニューです。
先輩には例によって、
味噌汁の味付けと飯ゴウ炊きをお願いする。 |
そして、何時も洗い場片づけを手早くして頂いてます。毎回最敬礼です。
荒天予報により木炭は不可と考えて家庭ガスコンロを用意、これまた正解。
ニジマスの塩振り焼き。頭まで残すところ無し。 |
ニジマスの片栗粉カラ揚げ・頭までどうぞ。 |
ニジマスのしその葉挟み揚げ。
舞茸・茄子・生姜のてんぷら。 |
イワナの手巻き寿し、
しその葉は自邸の庭より持ち込みです。 |
疲れてゲッソリの渓秋に比べて。 |
イワナの漬け手巻き寿しで焼酎も進む先輩です。 |
とにかく、旨くて・楽しくて、ご機嫌の二人です。
渓秋のオリジナルTシャツを着ています。 |
寝袋慣れしている先輩はもう高イビキ。 |
毎度の騒音対策。耳栓をご持参の渓秋です。 |
早朝4時先輩はもう活動開始。丘より太平洋が望める。
5時ベランダで昨夜の残り物で朝食。 |
キャンプ場は夏休みも終わり閑散としている。
隣のバンガローのは男女4人組の登山パーティが同宿。
初めての新冠川源流へ。
新冠川は流程は80km、岩清水ダム、下新冠ダム、新新冠ダムを経て奥新冠ダムに至る。源頭は標高2,053mの幌尻岳である。
林道は長く40kmでようやく新新冠ダムサイトのゲイトに到達する。
林道は更に長大なダム湖を縫って10kmで奥新冠発電所のゲイトに至る。
是より先は何人たりとも徒歩での入山となる。幌尻岳の登山口でもある。
ここより頂上までは20kmである。
昨今の無謀でかつ安易な登山者の影響で入林規制・管理が一層厳しいものとなっている。渓秋も今回は「日高南部森林管理署」より入林許可を得た。
渓秋は平成6年11月に岩清水ダムの対岸に入る「盆の沢」に入渓したことがあるが余りの急峻な渓にビビッしまい、撤退して以来の釣行である。
入林許可書。 |
新新冠ダムサイトを遠望する。 |
ここまで2時間の走行で
やっと奥新冠発電所のゲイトに到達。
これより先は徒歩あるのみ。 |
今回は初めての入渓で時間も一日しかないので深入りは避けてこのゲイトから新新冠ダム湖のイントレットまで釣り下り、途中の二つ支流も探索する計画とした。
台風一過。気温19度、水温14度、快晴・微風と絶好のコンデション。
釣り人・登山者の姿は無し。
本流に架かる二本の大橋より踏み分け有り入渓には意外と楽である。
第304新渓
早朝の渓の日陰はヒンヤリ肌寒い。
本流との出会いは狭い。 |
狭い渓は好ポイントが連続する。 |
早々にアメマス系イワナ31.5cm。 |
魚影は濃くリリースの連続。 |
美しいが小型のニジマス。 |
源流の宝石大型のオショロコマ。 |
この宝石をちりばめたような川床。
清冽な流れに良く映える。
余りの透明度に水深が解らないほどだ。 |
一時間も釣り上がると魚影はオショロコマ一色となったので
ここで竿止めする。 |
渓はこの先10kmと続き源頭は幌尻岳に至る。
第305新渓
下流隣にあるこの渓は同じ奥新冠とは思われないほど細く変化のない平瀬で、川床も灰色一色の地味なものだった。
この渓の流程は9kmで源頭の標高1,515mのヌカンライ岳に至る。
拍子抜けするぼどの変化の無い渓筋。
行けども行けどもポント無し。魚影は小型ばかり。 |
ニジマス。 |
居着きイワナ。 |
余り魅力が無い渓なので深追いせず。本流へ期待をかける。
なお、この渓ではオショロコマには出えず???。
第306新渓・第761釣行
今回の遡行範囲は奥新冠発電所から新新冠ダム湖のイントレット付近までの2km。
源流は北電のゲイトより一時間林道を歩き入渓出来るようだ。(この間は函帯が連続している区間だ)
今回は残りの半日ではとても無理。次回に期待し断念。
本流に架かる林道のみやま大橋より
本流ダム湖方向を望む。
切り立った両岸の間を渇水気味の本流が蛇行し、
岸壁のブッツケに深い溜まりの好ポイントが点在する。 |
やや渇水気味ではあるが遡行やと渡渉には丁度良い。これ以上だと安全を期してザイルが必要になる。
絶好の大場所にて得意の取り込みポーズ。 |
本流はやはりアメマス系イワナだった。27cm。 |
そして強い引き込みとジャンプが魅力のニジマス。35cm。 |
大物の手ごたえに取り込みに慎重な先輩。 |
渓秋がタモアミでアシストした本日最大のイワナ38cm。 |
大物に笑顔がほころぶ先輩です。 |
奥新冠発電所上流部は函帯で遡行は出来ない。
一度林道に出で一時間の高巻きが必要か。 |
途中で昼飯しのため渓より上がる。
昨夜のイワナの味噌汁とご飯とテンプラで
さあ午後も頑張るぞう。 |
イワナの味噌汁に欠かせないのが山蕗であるが、9月蕗はさすがに食べられない。代用に「乱切り茄子」をいれたがこれもまた蕗より旨し。
先輩の注文のポーズ「イワナの筋子の醤油漬け」
超美味なり。
隣の車は朝にはなかったが
バンガローで出会った登山者の車。 |
本流のオショロコマは大型で美しい。
背中の斑紋はイワナにそっくりだが虫食い班は無い。
25cm。 |
大物のみをキープするも魚籠は満杯。
途中でネットに入れて水中にデポする。 |
このブッツケの奥の湾洞穴から
超大物イワナが掛るも余りの抵抗に手元で遁走する。 |
逃がした魚は大きい「推定45〜50cm」今でも握り拳が入るほどのイワナの大口が目にチラ付く。
ダム湖のイントレット付近の屏風岩が連続する好ポイント。 |
このポイントから本日の大物ニジマス38cm。
これで釣り納め。 |
午後4時。
一泊二日の釣行を終えて
先輩の何故か物思いにふける背中かな。 |
林道の斜面から清水が染み出る岩肌に
ひっそり咲く大文字草。
渓は一気に紅葉へ変身する事だろう。 |
久々の一泊二日の源流釣行でした。台風崩れの天候でシュンベツ川は脆い蛇紋岩でやや濁りがあったが雨もまた楽し。判官館バンガーのキャンプも渓魚の美味と美酒に酔いしれました。
奥新冠川は前夜の大雨でも清冽な流れで魚影も濃く一日が瞬く間に過ぎる楽しい渓でした。
全530km走行の内、林道の走行が200kmを超えるハードな釣行で、翌日洗車の時に気付いたのだがテラノのマフラーが大破。取り換えの思わぬ出費のオマケが付きました。
9月は連休が多いので、渓も釣り人で賑わうことだと思う。
次回は連休明けのひっそりとした渓を探してみようと思います。 |
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