二年振りの入渓だが峠の中ほどから入る林道は直ぐにゲイトがあった。以前は2km位い奥にあったものだが。なんとなく悪い予感が走る。 ゲイトは錠前も新設されていたが、入林届箱に鍵番号が表示してある。 次に入林届簿によると今年はすでに15名ほどが入林している。 その中に唯一釣りの届、一週間前に記入有り。残念、先を越されたか。 入林届箱のとなりには、羆注意の看板有り。そう云えば峠下の道沿いに「6月某日羆出没」入林注意の看板があったな。今回も羆に出会わないよう、願うのみ。 他は全て山菜取りと有り。この渓は山菜の宝庫でもある。
林道行くと、両側の藪が覆い被さりひどい荒れようだ。昨年はまったく整備されていないようだ。 更に見通しの悪い林道を進むと、ロープを三段に張った林道崩壊により通行止めの看板が設置してあるではないか。ここから歩きでは、釣りより歩く時間が多くなってしまう。 断念して予備の渓へ転進するかと会話を交わしつつロープの支柱を点検していると、山側の支柱の固定が少し緩んでいるのを発見。慎重にづらしてみると。なんとか通行できそう。Tさんに誘導してもらって通過する 更に進むと山側からの崩落で通行が厳しい。地形図をたよりに入渓地点の距離を測るもまだ遠い。再度Tさん誘導してもらって進むと。 今度は林道の半分ほどが深さ50m程の渓底へ大崩落しているではないか。ここもTさんに誘導してもらって慎重に進む。行きは山側が運転席だが、帰りは渓側が運転席となり猛暑だが更に肝を冷やして涼しい限りである。
更に慎重に進むと、今度は大木が林道を塞いていた。さすがにこれは超えられず、身支度をして歩きとなる。
林道終点まで行くと、ここもいつもは小さな枝沢が氾濫したのか車止め広場は半分削られて消失していた。
午前9時30分、やっと渓に降り立つ。 気温17℃、水温12℃。遥かに望む南暑寒別岳は未だ残雪がくっきり残る。きょうのこの地方の最高気温は27℃と予報されている。今年の北海道は例年にく暑い日々が続く。
この渓は例年のことだが、渓床が非常に滑る「苔が一面にはびこっている」ゆえに水中床はご茶色をしている。やや海苔のような臭いもただよう。 このやっかいな「苔」秋に向けて自然に消えていく。
慎重に遡行して、最初のプールの瀬尻で第一投。一発でTさんに尺上の大物がヒットする。
Tさんの取り込みを写真に収めようと瀬頭から釣り下ると渓秋にも更に大きなアクションが来る。竿先がなかなか立てられず慎重に浮かせると美しい魚体が水面を割る。
一息つく間もなく次のプールの瀬尻でTさんにまたもや尺上がヒット。渓秋が瀬頭から近づくと、強烈引き込みで5.3mの竿先が水中に没し、糸がキンキンときしむ。懸命に持ちこたえるも、あっけなくハリスを切られてしまった。逃がした魚は大きい「推定45cmオーバーか」残念と云うよりは自分の不注意が悔やまれる。先ほどの38cm取り込み後にハリスの点検交換をおこたったのが原因だ。 過去に0.6号で47cmを取りこんだのに、今回は0.8号で取り逃がしてしまった。返す返すも残念だ。
Tさんは、今回取り込み失敗が多いようだ。不審に思っていると師匠を真似てハリスを0.8号に落としたそうだ。それて゜今までの太い仕掛けと同じ強引な取り込みは無理でしょう。 尺上のイワナをこの時点で道糸に手お掛けたらとても取り込めないよ。
この渓に数度釣行しているが、尺上ばかりが立て続けに来るのは初めてだ。すぐにビクが満タンに。本日二回目の「デポの腹裂き準備」
釣行開始2時間、大物の入れ食いアタックにはまいった。その上、川底が滑って渓秋が一回、Tさんは三回も水浴びする。 三回目は完全に沈没でウエーダーを脱ぎ水を出し、シャツを絞ることに。 その上、手招きするので戻って見ると沈没・転倒で竿を折ってしまった。かつ、この荒瀬の深場は本日のTさんの体調では渡渉困難と判断。 さかんに気して済まながるTさんに2時間でこれだけの大釣りができればもう十分なり。本日目標の「三段の滝」を望めなかったが充実の一日でした。同行に感謝する。
もう昼近いが、竿を納めて取りあえず林道より脱出を優先とし昼飯はその後にと衆議一決。デポのイワナを回収しつつ渓を降りる。
結局本日のキープは尺上ばかり10匹となった。 入渓時にTさんに理由を伝えずに20cm以下を一匹キープをお願いしたが十数匹全てが尺上サイズだった。 小イワナは内緒で「背越し」にようと「酢のボトル」をザックに忍ばせたが結局ダメだった。Tさんに美味しい昼飯のオカズと思ったが楽しみは次回に。 今回はゲストのYさんが参加出来なかったが、山岳渓流が初めての彼には無理だったかなと思った。 渓を管理する営林署も林道崩壊で林道維持を放棄したのかな。それであれば、余程のマニアでないと釣行は困難な渓となるであろう。渓秋にとっては逆に歓迎すべき渓となる。 次回、秋の釣行予定では無理せずに「林道大崩落」手前から歩いて、安全第一を心掛けようと反省する。
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