(6)2010年 西積丹に記念の第300新渓を釣る


6月初旬、単独行にて西積丹の新渓を探りに釣行しました。

今回の釣行が記念すべき第300新渓巡りです。

早朝5時、濃い霧の中を出発。走行120kmで到着。
濃霧もいくらか晴れて渓は気温8℃・水温10℃。

本日のこの方面の予報は日中は晴れ気温23℃と6月初旬としては異常に高い。
今日は暑くくなるぞー。


その1

2年振りのMO渓の中流部を再度探るの巻。


 この渓は2年前の夏に新渓を求めて入り渓し、支流のF渓で尺イワナを確認した渓だが、その折試しに竿を出した本流で良型のヤマベを短時間に数匹釣れた。

 たがしかし、この渓の下流部には大きな砂防ダムが有りサクラマスの遡上を阻んでいる。

 このヤマベは放流物であると思うが、今年もいるのだろうか?再度確かめの釣りである。

 支流F渓との交流点より下流部から釣り上がって見る事に。



渓は雪代水もすっかり納まりやや減水気味なり。


第一投で良型の居着きイワナ27cm


渓は新緑で小さな溜まりが連続する。


良型ヤマベだ24cm


もうすぐ目的の取水堤のところで林道終点を渡渉する釣り人あり。

呼び止めるとフライ竿をもった青年なり。

取水堤上流にもヤマベが棲息しているとのこと。

今回は友人が樹脂製はく製を造ってくれるとのことで尺ヤマベは無理でも八寸級を釣りたい(樹脂はく製は冷凍魚は不向きで生が必要とのこと)

 渓秋が疑問のこの渓のヤマベについて尋ねると、やはり地元の愛好家が放流しているものらしい。となると、もうこの渓のヤマベは無闇にに釣れないナ。

 やさしい渓なので今後「家人の遊び場」程度にしようか。

 なお、渓秋が入って見たい源流の「大川の滝」は険しいところらしい。何時か釣兄のTさんと踏破したいものだ。


今回も抱卵ヤマベ有り、放流ものは下降出来ないので雌の割合が高いのか。


本流中流部の釣果。



その2

MO渓の支流「盤の小沢川」探るの巻。


 本流の中流部にある林道橋より釣り下り新渓を探りながら下流大砂防ダムをめざす。


霧はすっかり晴れて暑い陽差しが渓にそそぐ。


さっそく強い当たり居着きイワナ27cm。


目指す新渓を挟んでこんなボサ被りにもイワナが、二匹同時に餌を追うが。


良型の居着きイワナ27cm。これ一匹のみ取り込みに成功する。


その3

新渓「盤の小沢川」を釣るの巻。


 地形図を読むと「上流のイワナ沢のF渓」と同じ位の流程でイワナが期待できると目論んで新渓を探す。

 しかし、地形図を読みちがったかと思うほど渓の入口が解らない。



ようやく探し当てた渓の入口、余りの細流れにがっかり。


しばらく遡行するもボサ被りもひどく、溜まりも全く無し。

 唯一のこのポイントで竿出すも魚信無し。残念ながら撤退です。

 地形図を改めて読むと渓沿いに林道が通っているので、渓が埋まり水温も高いのではないかな。上流のF渓は林道も無く岩盤床で水温も低くイワナの棲息には良い環境が保たれているらしい。




その4

本流下流部の砂防ダム下を釣るの巻。


 今回のもう一つの楽しみ大砂防ダム下に期待。

 釣り誌によると海からの遡上大アメマスが群れると有り。

 今朝、一番に入ろうか迷ったが上流部は小さな渓なのでこちらは後回しとした。

 上流部で出あった青年も遡上アメマスが期待できるとのこと。しかし、底にヘバリ付いていてフライには反応しないらしい。長竿で餌かルァーで底を狙うべし。とのアドバイスあり。



バッウオーターは意外と長大なり。かっては深い渓であったのだろうか?


上から覗くと陽刺しが強く減水気味で水底が透けて見える。壺も意外と浅い。


こんなに澄んでいて隠れ場も無い。これでは大アメマスも海に下ってしまったか。やはり今朝一番にはいるべきあった。


根気良く底を探るも期待の大アメマスの影も無し、23cmの天然ヤマベ一匹のみ。


切り良いところで昼食タイム。セルフタイマーで はいポーズ。



その5

第752釣行・第300新渓の「MI渓」を釣るの巻。


 今回もうひとつ期待の新渓を狙う。河口部に小さな温泉宿が数件ある。

 釣り誌によると上流部に僅かにイワナが棲息する。

 下流の砂防ダム〜河口部はニジマスと天然ヤマベが棲息と記す。



中流部の林道の無名橋より渓入る。細流でヌメル石床なり。


最初の溜まりで強い魚信。ニジマスだ。
ダム上までニジマスが棲息ではイワナの期待がしぼむ。


なおも釣り上ると、蕗の切り倒し跡が点々と続く光景となる。

釣り跡か?、山菜取りか?ここで断念して最っと上流でイワナを探ることに。


しかし、残念林道にはゲイトが、渓秋得意の呪いでも開かず。断念する。


しからば、砂防ダム下でヤマベとニジマスを探ろうかと林道脇道を下り広場に出るとなんと立派なキャンプ場施設があるではないか。

 渓秋は十数年前に一泊二日で積丹半島の渓々を巡ったおりにこの先の温泉横のキャンプ場にテントを張ったことがある。

 そこは砂利敷きのみで水も電気もトイレも無い施設であった。

 いつのまにかこんな立派な施設が出来たのか。海沿いの国道からは窪地になっていて望むことが出ないので気がつかなかった。



早速、橋下より入渓。やや谷地水系で少し臭い有り。渓流の趣に欠ける。


それでも最初の溜まりでニジマスが来た。


短い流程で砂防ダムに到達。ここでも小型のニジマスのみ。ヤマベの魚影無し。


この渓の釣果。ニジマスのみ。渓秋は外来魚は渓流の害魚とみなし全てキープに徹し駆除している。


その6

西積丹の渓は「三つ葉」の宝庫だの巻。


今回渓を釣り歩いて驚いたことは「三つ葉」がいたるところに足の踏み場もないほどに群生していたことである。

まるで雑草のごとし。草刈り鎌で商売出来ほどだ。


驚きの「三つ葉」の群生。


沢蕗と三つ葉を家人への土産です。美味しくいただきました。


その7

古典的ヤマベの背越しを造るの巻。


 ここに四十数年前の釣りエッセイ集あり。

 渓秋が独身の頃、題名に惚れて買いこんだが以来「積ん読」状態のままであった。

 この春からの暇にまかせて熟読してみた。

 その一編に郡上八幡の職漁師は鮎釣りをする時に「竹筒に酢を入れて釣った鮎を頭から入れて」腰に下げて歩き、これを食す。これ即ち「鮎の背越しの原型」なりとある。


 1944年(昭和44年)発行、殿島蒼人著「釣人風月」

 著者は明治30年生まれ、毎日新聞の記者で中部鮎釣連盟顧問など役職多数。
 また、全国紙に初めて「釣り欄」を企画した記者でもある。



竹筒の入手と加工が困難なので東急ハンズより手ごろな水筒を購入。


 釣りたてのヤマベの腹を裂き内臓きれいに洗い流す。

 ヤマベやイワナは悪食なので内臓を取り除くこと。

 寿司酢の中に頭から入れて蓋をしてザックに入れて持ち歩く。


数時間後、晩酌の肴に最高。ごちそうさま。

 山釣りファンの貴殿もお試しあれ。



その8

アカハラの飯寿し造るの巻。


 ここに一冊の岩波新書があります。

 二十年前に知り合った釣友Aさんに薦められた本です。

 著者の石城謙吉博士が北海道大学農学部を卒業され新任地の中標津農業高校に勤務のかたわら、この地方の渓流に「白い斑点のイワナ」と「赤い斑点のイワナ」が釣れることに疑問持ち道東一帯の渓流を踏破してその生態を調査研究の成果をまとめて博士号を取得した。

 この本はその論文を解りやすく現わした著書です。

 渓秋はかって北海道大学苫小牧営習林場長に就いておられた博士の講演を家人と聴講に行ってきたことがある。

 この春からの暇に任せて、その折頂いた新聞の切り抜きに博士のエッセイがある。博士手造りの「アカハラの飯寿し」が美味しいとの記事が気になり、造り方をネットで調べてみた。


 1984年(昭和59年)発行「イワナの謎を追う」とエッセイとアカハラの飯寿しのレシピは簡単すぎてちょっと不安あり。


 二つの渓を巡った帰りに余市漁港にてアカハラ釣りに挑戦。

 竿は義兄より仕掛け一式を借り受けてきました。

 今朝、余市の国道沿いの釣り具屋でアカハラ情報を訪ねると裏の余市漁港で間違いなしと太鼓判を押されるもさっぱり魚信無し。港にはチカ釣りが二組、2時間前から釣っているも釣果は数匹。これでは時間の無駄と30分で早々に撤退する。

 三十数年前の秋口に蘭越の尻別川の河口で40〜50cmのアカハラが入れ食いで家人にこんな魚沢山釣って来てどうするのと云われたことあり。それでもご近所にお配りして「生姜醤油で刺身」を教わりとても美味しかった記憶あり。次回は尻別川を狙おうかナ。


 ところが一週間後、義兄が長駆オホーツク紋別へカレイの船釣りで外道のアカハラが釣れたと5匹持ち帰って来てくれた。
 さっそく試験的に家人のアドバイスの元に仕込みました。

 一か月ごが楽しみです。


6月唯一の釣行報告でした。

暇なのに雑用が多くて釣りには行けませんでした。

やはり、趣味は忙しい合間を縫ってするようでなければ駄目のようですね。

今回の編集はプログラムソフトの不具合で修正作成しました。

今年いっぱいはこのままで編集します。

ちょっと見ずらいですがご勘弁下さい。

次回は7月初旬に道北方面を予定しています。

ご期待下さい。